ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2002年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181554

ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ハンニバル戦機が終わり、マケドニアが滅び、そしてカルタゴが滅んだ。 いよいよローマの帝国化が強行になり、ゆるやかな占領から相手の国を完全に滅ぼす強固な占領政策となっていった。

  • イタリア半島内で暴れまわるハンニバルをなんとか押さえ込んだローマ。そんな中、スキピオはカルタゴ本国をつくことを提案。
    元老院は揉めるものの、スキピオはついにカルタゴ攻略を許される。
    カルタゴからハンニバルが呼び戻され、遂にザマでスキピオとハンニバルの対決に。この戦いを制したローマ。ここで、第2次ポエニ戦役が終わる。
    しかし、マケドニアに不穏な動きが起こり、ローマはギリシア世界に介入することに。マケドニアは、一旦はローマに押さえられる。

    その後、マケドニア、カルタゴがローマに対して反旗を翻し、両国およびスペインはローマによって属州化される。ローマは、穏やかな帝国主義から強硬な帝国主義へと方針を変える。
    以後、ローマの方針はスキピオが進めた穏やかな帝国主義路線から、スキピオを失脚させたカトーの主張する強硬な帝国主義に変化した。

  • 地中海の覇権を巡ってローマとカルタゴが1世紀以上にわたって争ったポエニ戦役を3巻にわたって描く。

  • 対ハンニバル戦の形勢が逆転してからのローマ。ローマの被害は甚大であったが、その結果領土拡大につながったと感じていたら、最後にまとめられていた。
    ハンニバルとカルタゴが別の国のような印象がおもしろい。こういう風にならないのがローマの強さだったのだろう。
    ローマがギリシャ文化を尊重していたという事実が興味深い。ギリシャ文化がどのように育まれていたのかも知りたい。
    別の面で、世界がこのようにダイナミックに動く中で、日本はのんびりしたものだったんだなと感じた。

  • スキピオのアフリカ進行にともない、カルタゴはイタリアにいたハンニバルを呼び戻し、スキピオに当たらせる。ここにハンニバル対スキピオの直接対決が実現する。結果はスキピオの勝利で終り、その後、カルタゴは滅亡する。ローマの力は増大し、地中海沿岸をほぼ支配した形となる。

  • ハンニバル戦記最終巻。ハンニバル戦争の決着から、その後のローマの覇権化まで。ローマ帝国主義が、開放的なものから排他的なものになっていく様は残念極まりない。人の業を感じざるを得ない。にしても、ハンニバル戦争の流れは面白すぎる。

  • 第二次ポエニ戦争に勝利して、カルタゴ、マケドニアに勝利し、ローマ帝国が地中海の覇者になるまでの話
    ・敗北を含めて変化に身を投じることの大切さ(例え結果として、でも)
    ・粘り強く、変化に対応し続けること
    ・現状把握と信義・共存を大切にすること
    上記3点が、ローマ帝国の発展とカルタゴ・マケドニアの凋落から学んだこと

    P22
    年齢が頑固にするのではない。成功が、頑固にする。そして、成功者であるがゆえの頑固者は、状況が変革を必要とするようになっても、成功によって得た自信が、別の道を選ばせることを邪魔するのである。ゆえに抜本的な改革は、優れた才能はもちながらも、過去の成功には加担しなかった者によってしか成されない

    P88
    ローマがカルタゴとの間に結んだ講話は、厳しかったかもしれない。だが、それは、報復ではなかったし、ましてや、正義が非正義に対してくだす、こらしめではまったくなかった。戦争という、人類がどうしても超脱することのできない悪行を、勝者と敗者でなく、正義と非正義に分けはじめたのはいつ頃からであろう。分けたからといって、戦争が消滅したわけでもないのだが。
    →現代の変な倫理観(勝者を叩く傾向)のせいか?

    P112
    しかし、何ごとにおいてもおだやかなやり方は、相手もそれに同意ではないと成立し得ないという欠点をもつ。ローマの覇権を認め、それに従うよう求められた強国たちは、どう応じたのか。カルタゴは?マケドニアは?そしていまだにローマとは剣を交わしていない、シリアやエジプトは?

  • カルタゴが地上から消滅し、ローマが地中海の覇者となるまで。

  • この巻で学べるべきことは次の3点ではないかと思う。

    【人は学びうるのだということ(スキピオ)】

    真に優秀な弟子ならば、師のやり方を全面的な模倣では終わらせない。必ず、与えられた条件のオリジナルな活用も、忘れないものである。

    【いつの時代も新しい発想が勝つのだということ(ハンニバル)】
    歩兵と騎兵の双方を有機的に活用することによって、敵を包囲し全滅に持っていくというハンニバルの考えた戦術は、それを駆使したのがローマ側の武将であったとはいえ、有効な戦術であることには証明されたのである。

    【自分たち舐めている組織に対して寛容であってはならない。軍事力の彼我の差の計算は勢いでやってはいけない。冷静緻密であるべき。(カルタゴ・ギリシア)】
    ギリシアは、それまでの先進地域ゆえに、ローマを舐めていて、他国をそそのかして対抗しようとしたが負ける。
    カルタゴは、傭兵60000で、ヌミディアを攻めて、下手に勢いづいてしまった。

  • ローマはその頃の大国カルタゴと戦いを始めてから70年ほどで、地中海の覇権を握るまでになります。そして遂にカルタゴという国が滅亡する第三次ポエニ戦役終了までがこの巻では述べられています。ザマにおける戦いで、スキピオがハンニバルを破り、それから約20年後スキピオは病に倒れ、同じ時期ハンニバルも亡命先で自殺します。ハンニバルとスキピオ、年齢は違っていても二人の戦いは見ものでした。システマチックな戦術が身についていたローマ軍はスキピオの子孫がその後も活躍します。ローマが何故かくも短期間の間に勢力を拡大できたのか。ローマの特色が様々に述べられていますが、敗者に対する寛容な態度、奴隷にさえ市民権をを与えるような自由な社会のあり方を長いこと続けた結果、他の民族も味方するようになったのだと思います。
    これが、紀元前1〜2世紀頃の話、年表を見ると日本では稲作を始めていた弥生時代…同じ地球上でも地域間格差のあまりの大きさにびっくり!

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ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)の作品紹介

一時はローマの喉元に迫る勢いを見せたカルタゴの将軍ハンニバルだったが、ローマの知将スキピオのスペイン攻略に恐れをなした本国から帰還命令を受ける。それを追うスキピオ。決戦の機運が高まる中、ハンニバルからの会談の提案が、スキピオの元に届けられた-一世紀以上にわたる「ポエニ戦役」も最終局面に突入。地中海の覇権の行方は?そして二人の好敵手の運命は。

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