- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181554
感想・レビュー・書評
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ハンニバル戦記最終巻。ハンニバル戦争の決着から、その後のローマの覇権化まで。ローマ帝国主義が、開放的なものから排他的なものになっていく様は残念極まりない。人の業を感じざるを得ない。にしても、ハンニバル戦争の流れは面白すぎる。
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スキピオとハンニバルの戦い。
第二次ポエニ戦争の終結と、スキピオのなんとなく残念なようで格好いい気もする最後。
カルタゴの滅亡で終わる。
スキピオアフリカヌス格好良かったです。 -
こういう歴史物語を読むのは、旅行のようなものだと思う。目的地に着く過程を楽しむ。テストに追われる学生にはできない大人の贅沢。「優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思われることに成功した人でもある。持続する人間関係は、必ず相互関係である。一方的関係では、持続は望めない。」筆者のスキピオびいきがうかがえる。
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先輩に薦められ手に取った作品。
教養として古代ローマ史を学びたい方の必読書です。
ハンニバルからカエサルまで一気に通読してしまったぐらい面白かったです。 -
ハンニバル、スキピオの対決に決着。どうしても戦争は面白く感じでしまう。
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ローマとカルタゴの、ハンニバルとスキピオの物語の終わり。いくら天才とはいえ、その若さからシステムを重んじるローマの政体を逸脱することは許されず、スペインを征した勢いそのままとはいかなかったが、反対派を押し切りアフリカにまで乗り込むスキピオ。兵数の不利を戦術で覆すのがハンニバルから学んだやり方だと言わんばかりの破竹の勢いで暴れ回り、ついには16年ぶりにハンニバルをイタリアから引き離すことに成功する。そして最終決戦にふさわしい、スキピオ対ハンニバルの直接対決、ザマの会戦。戦術家としては実力伯仲であっても、ヌミディア騎兵を仲間にしたスキピオに戦局は味方していた。かくして第二次ポエニ戦争はローマの勝利で終結する。ここまで散々被害を与えられたローマであったが、大勝してなおその理性を失わず、カルタゴに寛大な処置を施す姿には、戦後処理のまずさが際立った第一次世界大戦のことを思い起こさせる。だがしかし、それが戦勝国、敗戦国双方とも国内で意見分立の原因となり、結果カルタゴは滅亡するのだから、一面だけ見て簡単に評価を下すわけにもいかないだろう。
第二次ポエニ戦争以降、マケドニア、シリア、ギリシャのどこにおいても数での戦力差を戦術で打破し続けるローマの止まらない勢いは、間違いなくハンニバルがいたからこその結果ではあるのだが、もちろんそれを凌ぎ切るだけのシステムを備えていたローマがあってこそ。結果、天才を産んだカルタゴは滅亡したが、今の世には、それを征したローマという名の国も存在しない。地中海の覇権国家となったローマに何が起こるのか。続刊に期待。 -
ハンニバルとの最後の戦い
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ハンニバルとスキピオ・アフリカヌスが激突したザマの会戦を中心に,第二次ポエニ戦役の終盤と,その後にローマが地中海をローマの内海(「マーレ・ノストゥルム(われらが海)」にしてしまうまでの物語です。
この「ハンニバル戦記」のテーマのひとつは,歴史をプロセスにあるという考えに基づいて,民族が戦争にどのように対処したかを詳細に知ることにより,その民族について詳しく知ろうというものだと思っていますが,ハンニバルとスキピオ・アフリカヌスの戦略面と彼らの性格,その後のローマの政略などがこの意図のもとにまとめられています。また,読みどころが多く,ローマ人の物語の山場のひとつだと思っています。
カルタゴを下し,地中海を内海にし,勝者になったローマですが,その急速すぎる勢力拡大は,ローマに数多くの歪みを,それも勝者であるが故の歪みをかかえてしまうことになります。この歪みに起因するローマを襲った社会問題とその解決が,次のIII巻「勝者の混迷」の物語です。 -
マシニッサを自軍に迎えたときのスキピオの優しさに感動。出来事の無味乾燥な陳列である高校世界史しか知らない人には是非読んでもらいたい。