ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
- 新潮社 (2004年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181585
感想・レビュー・書評
-
作者は、ガリア戦記のところで考えを述べているが、私に何を伝えようとしているのか、カエサルについては、このシリーズの一つの中心となるものなので、よく考えてみたい。
〇近現代のローマ字の研究者の中では評価の高い、ジェローム・カルコピーノ著の「カエサル伝」を選んで貨した。
〇人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない。
〇ガイウス・ユリウス・カエサル
〇幼時に母の愛情に恵まれて育てば、人が自然に、自信に裏打ちされたバランス感覚も会得する。そして、過去に捕らわれずに未来に眼を向ける積極性も、知らず知らずのうちに身につけてくる。
〇立派な男までが羨望感ずるのは、カエサルが、女たちの誰一人からも恨まれなかった、という一事ではないか。第一に、愛する女を豪華な贈り物攻めにしたのはカエサルの方である。第二に、カエサルは愛人の存在を誰にも隠さなかった。彼の愛人は公然の秘密だった。第三は、史実によるかぎり、どうやらカエサルは、次々とモノにした女達の誰一人とも、決定的には切らなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さて第4巻、文庫版の8冊目にしていよいよユリウス・カエサルの登場だ。ジュリアス・シーザーといったほうがなじみ深いが、ここは紀元前のローマ、やはりカエサルでなくてはならない。そのカエサルの物語は2巻にわたり文庫版でも6冊もある。その前半部はルビコン川を渡るまでのガリア戦役を描く。いやあ強い。ローマの物語でありながらその舞台はフランスを中心とした西ヨーロッパ主要部で、ゲルマンとの戦いではライン川の東までも及び、取って返してイギリス上陸すらしているのだから、すごい行動範囲。まさにヨーロッパの歴史がここから始まったといっても過言ではない。ヨーロッパの父だな。そしてあまりに強く民衆の人気も高いがゆえに、元老院からは憎まれて失脚を計られるというのも、どこかできいた話だ。ところで、大半を占める戦争描写も胸がすくものだが、前半部の最後におかれた腹心のラビエヌスが離脱してポンペイウス側に奔るシーンがとても印象的だ。古代ローマでも義理と人情では義理が重いんだ。
-
ついにユリウス・カエサルの話が始まると思ったら、前半ほとんど前巻の内容とかぶる。
カエサルを幼年期から追うため仕方ないが、逆に言うとカエサルを知りたければこの間から始めても充分な始まりではあると思いました。 -
遂にカエサルの登場。
前半はこれまでの復習。後半にカエサルが出てくるが、華々しい活躍というわけではない。地味に、だけど着実に名誉と権力を手にしていく。だが、所々に一筋縄ではいかない、大物っぷりが垣間見られるエピソードが出てくる。
カエサル、次は大活躍、大躍進なのかな。楽しみだ。 -
ついにカエサルを主とするストーリーがスタート。名前は知っているけれど、詳しくはよく知らないので、これから楽しみ。
-
名前だけは誰でも知ってるけど、具体的に何をやったかはよく分からないカエサル( ´ ▽ ` )ノ
ここから6冊?ずっと彼の話が続くのか(・o・)
まあ、勉強させてもらおう( ´ ▽ ` )ノ
2018/04/09 -
カエサル(シーザー)の青年時代までを描く。
39歳になるまで、まださしたる業績を挙げていない。
大借金王であり、非常に女性にモテたので有名だった、ということは初めて知りました。