ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2004年8月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181592

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ローマの歴史には常に戦史がついて廻る。それが圧勝であっても僅かな勝利であっても勝つことを義務づけられているのである。

  • カエサル・ポンペイウス・グラッススによる有名な三頭政治から、ガリア戦記の時代まで。

    カエサル自身が書いた「ガリア戦記」を紹介している部分を読むと、ついこちらも読んでみたくなる。

    キケロによれば、「ガリア戦記」は、
    「カエサルは、歴史を書こうとする者に資料を提供するつもりで書いたのかもしれないが、その恩恵に浴せるのは、諸々のことをくっつけて飾り立てた歴史を書く馬鹿者だけで、思慮深く賢明な人々には、書く意欲を失わせてしまうことになった。」(p70)

    そういえば岩波文庫から出ていたな。

  • 紀元前60年に40歳になったカエサルは、執政官に当選します。秘密裡に進めた三頭政治ですが、筆者はこれをカエサルは私益だけでなく、ローマの政体の新しいシステム樹立を目論んでいたためではないかと書いています。
    借金と女たらしの才能以外にも能力があることをローマ市民に印象づけたカエサルは、この後ガリア地方の制圧に向かいます。自らを主人公として書いた「ガリア戦記」を元にしてその様子が紹介されますが、その文章は古今東西の多くの知識人、2000年後の私たちをまで唸らせる名文です。戦地で意気消沈している兵士たちへの発言がそのまま載っていて、如何に彼が人心を把握しているか証明されるものになっています。
    このガリア戦役の様子を読むと今日の西欧諸国の成り立ちの根源や、民族の気質がよくわかり興味を惹かれます。ガリア人、現在のフランス人も自由を何より尊び、統一や団結は得意としないよなあと思うのでした。そして、ローマ人の古来からの得意とするシステマチックな軍備や橋や防壁を造る土木系の能力には驚嘆させられます。

  • カエサルが41歳で執政官になって、ガリア戦記途中までの話。ガリア戦記自体もすごいと思うものの、よく40までパッとしない状態で、いきなり三頭政治を成立させ、ガリア戦記を責任者として始められたな、と。しかも青年時代を振り返っても、芯は感じるものの、とても志・野望・深謀遠慮があったとは思えない。にも関わらず、時代の2トップであるポンペイウスとクラッススを抱き込めたな、と。結局実績や能力もさることながら、人心掌握術(術というほどチープなものじゃないと思うけど)がその人の最終的な評価を形作るのかもしれない。

    P235
    「あの人が、カネの問題で訪れた連中相手にどう対するかを眼にするたびに、わたしの胸の内は敬意でいっぱいになるのだった。それは、あの人がカネと言うものに対してもっていた、絶対的な優越感によるものだと思う。
    あの人は、カネに飢えていたのではない。他人のカネを、自分のカネにしてしまうつもりもなかった。ただ単に、他人のカネと自分のカネを区別しなかっただけなのだ。あの人の振る舞いは、誰もがあの人を支援するために生まれてきたのだという前提から出発していた。わたしはしばしば、カネに対するあの人の超然とした態度が、債権者たちを不安にするよりも、彼らにさえ伝染する様を見て驚嘆したものだ。そういうときあの人は、かの有名な、カエサルの泰然自若、そのものだった」

  • ガリア戦役が佳境に入ってきた。

  • イギリスに行った時、ローマ時代の遺跡があった。なるほど。文明の栄枯盛衰を感じる。

  • ようやくユリウスカエサル本領発揮と言った感じ。武人としてだけではなく政治家としても優れいるのは読んでいて楽しい。

  • 前巻でカエサルが「起ち始めた」わけだが、今巻ではガリア戦役が始まり、よりいっそう盛り上がってきた。『ガリア戦記』をぜひとも読んでみたくなったので、今度図書館で借りてこよう。読み進めるにつれ、カエサルという人物をより深く理解でき、ますます彼に惹かれることだろう。的確な指示を素早く下せる能力とそれを可能にする知識や視野については、現代に生きる僕達が学ぶことも多くあるに違いない。ライン川を超えたり、ブリタニアに上陸したりと、野心と好奇心には実行力が伴ってこそだということを知らしめられた。

  • 長き雌伏の時を経たカエサルが「陽のあたる道」を漸く歩み始めた頃、ポンペイウスは既に地中海全域を覇権下に収めていた。カエサルもスペイン統治を成功させ、危機感を強めた「元老院派」は両社の排除を図ろうとする。しかしクラッススを加えた三者は「三頭政治」の密約を交わし、カエサルは41歳で執政官に就任。ついに国家大改造に着手し、さらなる野望実現にため、ガリアへと旅立つ。

  • ラスト2ページのドキドキ感半端ない。

  • やばい、盛り上がってきた。
    早く続きが読みたい。

  • カエサルは、ローマを離れた土地で活躍中。西欧全域をまたにかけて、八面六臂の大活躍って感じ。しかも、その戦記を自ら書き残してたってことだから、何でもやっちゃう凄い人ですね、ほんとに。ここで見る限り、そこまで自画自賛的内容になってなくて、結構客観的叙述がなされている点も素晴らしい。カエサル全6巻のうちまだ2巻目なのに、もう40代半ばってのもビックリ。まさに大器晩成型だったのですね。

  • 「なぜなら、「人間とは噂の奴隷であり、しかもそれを、自分で望ましいと思う色をつけた形で信じてしまう」からである。」

    ガリアにおけるカエサルの活躍。
    ポンペイウスの衰退とクラッススの焦り。
    ガリア戦記という名前から相手はガリア人だと思っていたが、ガリア地域でのゲルマン人との戦いだと分かった。

  • 超面白かった。やはりブリタニア侵攻の下りはよい。

  • この巻から実質的にガリア戦役が始まる。
    「ガリア戦記」を絶賛する塩野七海は、その著書に即して書いているそうだ。
    制圧しては反乱が起こり、モグラたたきのような戦いが続く。

  • ユリウス・カエサルは天才か?

  • 最後の方の、カエサルがキケロ(弟)の陣営を助け、そこを守り抜いた兵士たちを讃える場面はたったの4行ぐらいなのに泣ける。カエサルって本当に魅力的でそして実力も伴った偉大なる人だったのだ。

  •  カエサルがポンペイウス,クラッススと一緒に確立した第一次三頭政治から,執政官就任,ガリア戦役の5年目までが扱われています。三頭政治の確立で,一番弱い立場でありながら,残りの2人の勢力を活かしてカエサルの希望する状態を実現する進め方,執政官就任時のローマの改革,そしてガリア戦役での迅速な行動と戦役の展開など40代のカエサルの前半生を一気に読ませます。
     続く10巻ではガリア戦役は6年目に入り,佳境のアレシアの戦い,そしてルビコン渡河へと続いていきます。

  • 40にして起ったカエサルは、ついにポンペイウス、クラッススと並んで三頭政治の一角を占めるまでになった。「農地法」の成立をめぐる市民集会の場面では、同僚執政官のビブルスを翻弄するなど、政治家カエサルの面目躍如たるものがある。後半は世の歴史家や文筆家たち、またローマ世界最高の弁論家キケロが、そして小林秀雄が絶賛したという『ガリア戦記』の前半が描かれる。今度は総司令官としての戦略家にして統治の天才でもあったカエサルの活躍である。同時にカエサルだけが見通すことができたローマ世界の全貌もしだいに明らかになってきた。

  • 戦記!と言っても、カエサル以前と比べたら政治要素が強め。それがまたドラマを生んで、より魅力的になっている。カエサル本人が書いたガリア戦記もぜひ読んでみたくなった。

  • カエサルのガリアの戦いが本格化してきた。
    また、ポンペイウス、クラッススとの三頭政治と、反元老院の姿勢が明らかになり、カエサルの行動一つ一つが個人的には楽しくてしょうがない。

    イギリス(ブリタニア)への遠征も果たし、その戦い方にも驚かされるが、大西洋へも足を伸ばしたカエサルのすごさを物語っている。
    優秀なラビエヌスという部下があってのこともあるだろう。

    このガリア戦役を、カエサル著の「ガリア戦記」にならって書かれているのも面白い。
    別な機会に、誰もが褒め称える「ガリア戦役」も一読したいものである。

  • 紀元前60年~前49年1月(カエサル40歳~50歳)
    ルビコン以前、ガリア戦役

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)99
    歴史についての知識で、未来への指針を探る
    キリスト教文化中心主義にとらわれない日本が世界に誇る物語。
    ※10巻までを登録。実際はハードカバーで全15巻、文庫本で全43巻ある

    出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
    著者のカエサルに対する惚れ込みぶりが伝わる。カエサルの魅力がよくわかる1冊。

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