ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181653

感想・レビュー・書評

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  • アウグストゥスにアグリッパ、マエケナス、ドゥルースス、そして2代皇帝ティベリウスに行き着くパックスロマーナの中核の巻。
    制度の定着を試みる地味な内容と思ったが、意に反してこれが面白い!
    ページを繰る手が止まらなかった。

  • 上巻よりやや面白いかなと思いながら読んでいました。
    やっとオーストリアが顔を見せましたし。

    でも後半あたりから急激に面白くなってきました!

    アグリッパ、マエケナス、ドゥルースス、ティベリウスについて書かれるようになってからです。皆魅力的に書かれています。

    本の最初に人物相関図……じゃなかった、ユリウス=クラウディウス朝系図が紹介されているのがここで活きてきます。

    冷静なアウグストゥスでも血統にこだわりだすと苦労することが多いですね。フランツ・ヨーゼフ1世を思い出しましたが、きっとそういう例は他にもたくさんあるのでしょう。

    アウグストゥス45歳~57歳

  • 後半にかけてのアウグストゥスの言動がカエサルだったら、そうはしないだろうなぁという残念なことが続いた。アウグストゥスの良さが活かされる状況と不足している部分ばかりがクローズアップされる状況をみていくと、アウグストゥスという人となりが伝わってくる。50代になり、やるべきことを数多く抱えているのに、仲間はどんどん減っていくという悲しさよ。今後、アウグストゥスはどうなるのか、心配になってきた。

  • アウグストゥス、45歳から57歳までの業績。少子化対策、宗教政策、軍制改革、税制改革などを行い、パックス・ロマーナを確立していく。「平和の祭壇」の彫刻、特にアウグストゥス一家の彫刻の写真が載っているのが良かった。現存しているとのことで、見てみたいなあ。
    政策についての説明が続くと少し飽きてくるのだが、後半は忠臣アグリッパとマエケナス、義理の息子のティベリウス・ドゥルースス兄弟、血の継承にこだわるアウグストゥスなどに話題が移り、一気に読めた。

  • アウグストゥスの45歳から57歳まで。虚弱ながら77歳まで生きたという人であるから、人生では一番脂ののった時期なのでしょうか。一見共和制を装いながら、帝政を浸透させていくために、国の統治に於いて色々な対策や改革を推し進めていきました。
    この時代にも現代に通じるような、少子化対策があったり、パクス・ロマーナのシンボル建築として平和の祭壇を建てたりしました。そして、その為の安全保障として軍事の再編成にあたりました。さらに、一律の関税を課し、流通を活発にしてローマを中心とした一大経済圏を築いたりしました。
    税制も売り上げ税のような税だったり、史上初の相続税もあったりということでしたが、税率が低く単純明解な税の制度だったのと、その計算のための幼児教育の徹底化だったせいなのか…ということで、税務員は少数で脱税摘発要員も存在しないと書かれています。パナマ文書なるものの存在が騒がれ、常にマルサが活躍する今の世の中から見れば、理想的な仕組みだったと言えるのでしょうか。
    この巻の本の表紙を飾る銅貨の人物は、アグリッパ。アウグストゥスの右腕と言われた人でした。30年もの間アウグストゥスの足りない部分を補い、これまで支えたアグリッパでしたが、急逝してしまいます。アグリッパ以外にもマエケナスという左腕もいたのですが、相次いで喪います。その後に右腕となったのは義理の息子たち、ティベリウスとドウルーススの兄弟でしたが、事故で弟の方を失う不遇があり、兄のティベリウスもアウグストゥスの命に背き36歳で引退してしまいます。こうして、広大なローマの統治を孤軍奮闘で進めることになったのでした。
    この他、指導者に求められる資質で、カエサルと比べてアウグストゥスに足りない資質は何か?いう考察もあり、興味を惹かれました。

  • 「帝政」の名を口にせず、しかし着実に帝政を ローマに浸透させていくアウグストゥス。彼の頭 にあったのは、広大な版図に平和をもたらすため のリーダーシップの確立だった。市民や元老院か らの支持を背景に、アウグストゥスは綱紀粛正や 軍事力の再編成などに次々と取り組む。アグリッ パ、マエケナスという腹心にも恵まれ、以後約 200年もの間続く「パクス・ロマーナ」の枠組み が形作られていくのであった。

  • 16巻に記載。

  • アウグストゥス統治中盤。
    少子化対策などのお話しはとても面白い。

  • ●豊かになったローマでは少子化が進んだ。対策として不倫禁止法や独身税を導入しようとしたが、市民の反対で施行にかなりの時間がかかった。現代日本に通ずる

    ●優秀なサポート役のアグリッパ、マエケナス亡きアウグストゥスが今後どうなるのか!

  • アウグストゥス統治中期(紀元前18年~前6年)を扱う。平和なローマ帝国体制を確立するために、アウグストゥスはさまざまな社会改革を実行していく。しかし長い間彼を支えてくれたアグリッパやマエケナスらがこの世を去り、ドゥルーススの死をきっかけに後継者の選定をめぐってアウグストゥスの周囲に不協和音が生じ始める。

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