ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2005年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181684

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ローマ帝国は「カエサルが企画し、アウグストゥスが構築し、ティベリウスが盤石にした」(p90)

    その後に登場したのがカリグラ。
    それまで、歴史上でも希な政治のプロが続き、ローマ帝国を完成させるが、それを継いだのが24歳のまったくの素人。
    当然統治はうまくいかない。

    「カリグラは、幸か不幸かモンスターではなかった。頭も悪くなかった。彼にとっての不幸は、政治とは何かがまったくわかっていない若者が、政治をせざるをえない立場に就いてしまったことにある。(p203)

    カリグラは剣闘士試合や戦車競争といった市民が熱狂する競技を次々に開催し(いまでいうとサッカーやF1みたいなものらしい)、デビュー当時は大人気を博す。しかし国家財政が悪化し、やがて自分を神と考えるようになって愚行を重ね、身辺警護の近衛軍団に殺されて、在位4年であえなく幕。

    「政治の実践とは、ニュースがなければうまくいっている証拠と言われるくらいに地味で、それでいて一貫性を求められる責務なのである。」(p203)

  • レビューは1巻(シリーズの17巻)で。
    http://booklog.jp/users/pilvoj/archives/1/4101181675

  • カリグラの即位と失政、そして暗殺。

    「ユダヤ人の不満の原因が、ローマ側にあるとばかりはかぎらなかったのである。常に弱者の立場にありつづけた民族は、被害者意識から自由になることがむずかしい。そのタイプの人々は、拠って立つ唯一のものが被害者意識であるがゆえに、強者に対しては過敏に反応しがちなのである。」(181頁)

  • ティベリウスの晩年から次の皇帝のカリグラの死まで。実績がないのに、最初から周りにチヤホヤされるリーダーはろくなのがいない。つまりカリグラのことだけれども。仮にポピュリズムで迎えられたとしても、人によってはそれを上手くつかって、本質的なことに取り組めるのだろうけど、そうではない人間は結局ポピュリズムに迎合するしかない。なぜなら寄って立つところがそこしかないから。
    あとはティベリウスのカプリでのリモートワークは思わず自分ごととして考えさせられてしまった。ある意味でリーダーが自分の働きやすい環境で働けることは、組織にとってもメリットがあるのだけど、それは上手くいっている時だけ有効で非常に脆弱。つまり組織の人間の心の中には澱のようにリーダーに対しての不満や不信が積もっていく
    そう見ると、本巻はわりとサラリーマンやリーダー向けにはいいビジネス書かもしれない。なぜなら大多数の人間はカエサルやアウグストゥスにはなれないから

    P18
    カプリ隠遁を決行したティベリウスは、こう考えたのではあるまいか。帝国の統治の成果さえあげられるならば、どこにいても、どのような方法でやっても、同じことではないか、と。だがこれは、政治をする人間の思考ではなく、官僚の思考である

    P52
    つまり、登用した人材は自分の「手足」として活用するために登用したのであって、その人のことを親身に考えたからではない。言い換えれば、自分の考えを実現するために抜擢し登用したのであって、それがその人のためになったとしても結果論にすぎない

    P132
    小心者は、他者の中に味方を開拓するよりも、味方とはっきりしている者で自分の周囲を固めたがる。そしてこのような性格の人にとっての味方は、血縁者であることが特徴だ

  • カリグラは今まで出た中で文句なしに最低の皇帝。最後は親の代わりにシメられて終了。低身分のアグリッパに高身分な嫁というアンバランスからの女系が災いの元か?

  • 政治というとネガティブな印象もあるけど、1つの問題をいろいろな側面で考えなければならないんだな。優秀なだけではダメで。

  • アウグストゥスの血を引くカリグラ。前代ティベリウスの跡を継いだ彼は、その血筋と禁欲的な政策を解放したために大衆から歓迎された。だが目に見える権力を欲したこと、浪費がたたり国家財政が破綻したことで民の心は離れていき、最後は側近に殺害される。いかにもわかりやすい歴史。

  • 二代目皇帝とTiberius Julius Caesarから三代目皇帝カリグラが主役。

  • 3代ティベリウス帝の後期と、これに次ぐカリグラ帝の短い治世を扱う18巻です。地味ながら堅実、賢明な治世を敷いたティベリウスが、晩年にかけ、徐々に変質していくさまが面白いです。
    またカリグラ帝の章では、この時期までのローマとユダヤの関係について紙幅が割かれています。しばらくキリスト教の勉強をしていて、ユダヤの側からの歴史ばかり読んでいたので、視点が広がりました。
    ただ著者は本書においては全般的に、中立というよりはローマの側に立って物事を断じるように思われ、そのまま受け取るというよりは少し距離をおいて読む必要を感じます。

  • 「だが、そのどの場合でもカエサルは、カエサル以外の何ものでもなかった、と。」

    冷静なティベリウスは、晩年、冷酷になった。

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