ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2005年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181684

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ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • カリグラの即位と失政、そして暗殺。

    「ユダヤ人の不満の原因が、ローマ側にあるとばかりはかぎらなかったのである。常に弱者の立場にありつづけた民族は、被害者意識から自由になることがむずかしい。そのタイプの人々は、拠って立つ唯一のものが被害者意識であるがゆえに、強者に対しては過敏に反応しがちなのである。」(181頁)

  • ティベリウスの晩年から次の皇帝のカリグラの死まで。実績がないのに、最初から周りにチヤホヤされるリーダーはろくなのがいない。つまりカリグラのことだけれども。仮にポピュリズムで迎えられたとしても、人によってはそれを上手くつかって、本質的なことに取り組めるのだろうけど、そうではない人間は結局ポピュリズムに迎合するしかない。なぜなら寄って立つところがそこしかないから。
    あとはティベリウスのカプリでのリモートワークは思わず自分ごととして考えさせられてしまった。ある意味でリーダーが自分の働きやすい環境で働けることは、組織にとってもメリットがあるのだけど、それは上手くいっている時だけ有効で非常に脆弱。つまり組織の人間の心の中には澱のようにリーダーに対しての不満や不信が積もっていく
    そう見ると、本巻はわりとサラリーマンやリーダー向けにはいいビジネス書かもしれない。なぜなら大多数の人間はカエサルやアウグストゥスにはなれないから

    P18
    カプリ隠遁を決行したティベリウスは、こう考えたのではあるまいか。帝国の統治の成果さえあげられるならば、どこにいても、どのような方法でやっても、同じことではないか、と。だがこれは、政治をする人間の思考ではなく、官僚の思考である

    P52
    つまり、登用した人材は自分の「手足」として活用するために登用したのであって、その人のことを親身に考えたからではない。言い換えれば、自分の考えを実現するために抜擢し登用したのであって、それがその人のためになったとしても結果論にすぎない

    P132
    小心者は、他者の中に味方を開拓するよりも、味方とはっきりしている者で自分の周囲を固めたがる。そしてこのような性格の人にとっての味方は、血縁者であることが特徴だ

  • カリグラは今まで出た中で文句なしに最低の皇帝。最後は親の代わりにシメられて終了。低身分のアグリッパに高身分な嫁というアンバランスからの女系が災いの元か?

  • 政治というとネガティブな印象もあるけど、1つの問題をいろいろな側面で考えなければならないんだな。優秀なだけではダメで。

  • アウグストゥスの血を引くカリグラ。前代ティベリウスの跡を継いだ彼は、その血筋と禁欲的な政策を解放したために大衆から歓迎された。だが目に見える権力を欲したこと、浪費がたたり国家財政が破綻したことで民の心は離れていき、最後は側近に殺害される。いかにもわかりやすい歴史。

  • 二代目皇帝とTiberius Julius Caesarから三代目皇帝カリグラが主役。

  • 3代ティベリウス帝の後期と、これに次ぐカリグラ帝の短い治世を扱う18巻です。地味ながら堅実、賢明な治世を敷いたティベリウスが、晩年にかけ、徐々に変質していくさまが面白いです。
    またカリグラ帝の章では、この時期までのローマとユダヤの関係について紙幅が割かれています。しばらくキリスト教の勉強をしていて、ユダヤの側からの歴史ばかり読んでいたので、視点が広がりました。
    ただ著者は本書においては全般的に、中立というよりはローマの側に立って物事を断じるように思われ、そのまま受け取るというよりは少し距離をおいて読む必要を感じます。

  • 「だが、そのどの場合でもカエサルは、カエサル以外の何ものでもなかった、と。」

    冷静なティベリウスは、晩年、冷酷になった。

  • 前巻の17巻から「悪名高き皇帝たち」のタイトルだが、タイトルほどの酷さはない。安心して読んでほしい。また史料の足りないところはうまい具合に作者の想像が加えられていて、読んでいて心地よい。

  • まあまあ面白い。

  • 二大皇帝ティベリウスは、隠退後もカプリからローマ帝国を統治し続け、皇帝としての職責を完璧に全うした。国体は盤石となり、それを受け継いだ幸運な皇帝が、カリグラだった。紀元37年、すべての人に歓迎されて登位した若き皇帝に、元老院は帝国政治の全権を与える。しかし「神になる」ことまでを望んだカリグラは愚政の限りを尽くすー政治を知らぬ若者を待ち受けていたのは無残な最期だった。

  • ティベリウスのあとを受けて皇帝になる。
    民衆に娯楽を与える。
    熱狂的な支持を保つために与え続ける。
    神になろうと思う。
    神になったと思う。
    父の代から仕えていた部下に殺される。

    ドラマチックな展開でグイグイとワールドに引き込まれた。

  • ティベリウスの末期とひっそりとした死。その後を喝采で迎えられた輝く若き皇帝カリグラ。就任を絶頂期として一気に凋落した短すぎる治世を描いた。カエサルが絵を描きアウグストスが建てティベリウスが完成させたローマ帝国。しかし先が見えすぎる賢帝ティベリウスの研究は興味が尽きない。一方、欠けることなき帝国を引き継いだカリグラはティベリウス治世の反動に執着。金を見得のため民衆のために使うだけ使って自滅した。取り巻きには人物がいなかったせいもあろう。

  •  カプリ島に隠遁した後のティベリウス帝の話と,その後に帝位に就いたカリグラ帝の話です。
     ローマでの元老院や市民との接触を避け,カプリ島に引っ込みながら帝国の統治を続けたティベリウス帝ですが,きっちりとした統治システムを整えながらも,遠隔制御で何年も統治していくというやり方は,目標を達成させたという結果から見れば素晴らしいことだと思いますが,統治されるほうの当事者から見れば,納得性が低いのは仕方がないかなと思います。政治に限らず,何かをするほうとされるほうの人間としての反応というか,思いについて考えながら読んでいました。
     とはいえ,ティベリウスの後の皇帝カリグラやネロ帝が何をしようが,政体は変わらず,その後には五賢帝時代と呼ばれるローマのピークがやって来ることを考えると,塩野さんがティベリウス帝について最後にまとめられたように,カエサル,アウグストゥス,ティベリウスの3人での体制構築はそれだけ堅固で,有効だったことは,何よりも史実が物語ることなのでしょう。

  • 第一部 皇帝ティベリウス
     在位、紀元14年9月17日~37年3月16日

    第二部 皇帝カリグラ
     在位、紀元37年3月18日~41年1月24日

  • 意外に、この”悪名高き皇帝たち”シリーズが面白い。二代皇帝ティベリウスは嫌われたかもしれないが、カエサル、アウグストゥスと続き、最後の総仕上げで帝国を盤石なものとする。カエサルは何と言ってもヒーローだけど、地味なこういうタイプの人にも憧れる。
    その後、受け継いだのがカリグラ。既に出来上がった帝国をそのまま引き継いだだけだったが、全く政治を知らない若造だった。自分を”神”と名乗り、好き放題。共和政からなんとなく帝国になったローマは、今まで信じられないぐらいに人材に恵まれていたと思うが、遂にとんでもない皇帝が現れ、そして、あっという間に消えていく。次の皇帝はなんとなく能力なし、カリスマ性なしという感じだが、人々は皇帝をどのように見ていくのか、次の巻が興味深い。

  • カリグラの巻です。小さいときから軍でかわいがられていたわけですが、皇帝になってからも熱烈な歓迎を持って迎えられます。甘やかされて育ったらこうなるよねぇ、っていう典型的な展開です。失政続きで信奉者からも見切りを透けられて、あっけない形の暗殺で幕を閉じたようです。皇帝の暗殺は始めての事例です。当面こんな展開が続くんでしょうかね。

  • ティベリウスは結局悪名高くなった。
    カリグラは短い在位で、近衛兵に殺害されたが、その大盤振る舞い的な政策、いまの自民党と似ているのかしら。

    ローマ帝国統治の歴史からグローバル経営のヒントが得られるんじゃないかと思います。

    カエサル以降の皇帝がユダヤ人へどう関わってきたか、それなりに紙幅さかれてます。これはその後どうなったのか、気になるところ。

  • ティベリウスが死んでカリグラの治世になる巻。カエサル、アウグストゥス、ティベリウスが作り固めてきた帝政ローマシステムを引き継いだカリグラだが、完璧なシステム・問題のない情勢のなか、徐々に悪政を行うようになっていく。カリグラの出自を考慮すればそうなってしまったこともある程度納得もできるが、やはり2代目・3代目になると積み上げるということの難しさやそこから得られる経験がないためなのか?と思ってしまう。
    今までには大きくならなかった宗教の問題も出てきており、このあとの皇帝がどのように対処するか気になる。

  • カリグラ…ティベリウスが貯めた黒字をよくも数年で使い尽くしてしまったものだよ本当に。

  • 読書日:2012年11月14日-15日
    title in Italiana:IMPERATORES MALAE FAMAE.
    Caligulaの愛称で軍団から可愛がられた子が第3代皇帝に就きました。
    彼をあれだけ熱狂的に迎え入れた帝国民なのに、
    いざ財政が逼迫すると支持を醒めた市民に疑問と苛立ちを覚えました。
    Tiberiusの治世で娯楽を我慢させられてた市民達。
    その我慢から解放されてCaligulaの娯楽復活、税制廃止等
    全ての案を受け入れ享受し、人気があっても統治を知らない若造の即位就任を承認した市民達にも責任があります。
    それを暗殺後Caligulaは存在しなかった様な扱いをした彼らの無責任さに開いた口が塞がりません。
    Tiberiusの治世で抑えられた諸々の事がCaligulaによって解放された4年間。
    市民もCaligulaも調子に乗りすぎました。
    次帝の治世の双肩に今後のRomaが掛っています。

    Tiberiusの死後の扱いが哀れでした。
    Agrippinaの軽率な行動と最期に同情の余地はありません。

  • カリグラも悪い奴ではないんだが, 政治家には向かなかったんだろうなぁ

  • ・ティベリウスのカプリ隠遁 → vsアグリッピーナ
    ・カリグラ即位 → 人気取り政策 → 財政破綻
    ・カリグラが神を名乗る → ユダヤ人問題 → 殺害

  • 第三皇帝カリグラの章。

    馬鹿。

    しかし、気持ちはわからんでもない。

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