ローマ人の物語 (27) すべての道はローマに通ず(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181776

感想・レビュー・書評

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  • ローマ帝国の広さを現代の世界地図と比較しながらかみしめられる。改めて二千年も昔の技術で、ここまでの広さを統治出来たことに驚きを覚える。

  • 歴史に学ぶインフラストラクチャー。

  • ローマのインフラ整備のうち、街道、水道の二つのハードと医療、教育の二つのソフトについて書かれた章。今のように選択肢が多くないため、インフラ整備の本質が見えやすい。【061011新/061017】

  • 古代ローマのインフラストラクチャーに焦点を絞る巻。上巻では8万キロにもおよぶ街道網の歴史、作り方、メンテナンス等が詳しく解説されている。往来しやすい道路や橋を作ることは、戦地に出向き易いという長所があるが、逆に敵に侵攻され易いという欠点も併せ持つ。ただ、極力軍隊の人数を抑えて広い帝国の平和を維持するために必要な、ローマ人らしい効率重視の戦略だったのだろう。
    街道網の発達は、軍事面だけでなく、一般市民の文化交流や商業の発達にも寄与したようだ。帝国内はインフラが整備され、治安がよく、市民にとって住みやすい環境だったと想像される。

  • ローマのインフラの説明。
    写真や図等が沢山。
    ローマの遺跡を回ってみたくなりました。

  • 2020I037 232.8/Shi27
    配架場所:A4(立志プロジェクト-人間)

  • ローマ帝国が街道網を整備し始めたのと、中国で万里の長城が造られ始めたのは、歴史上ほぼ同時期なのだそうだ。
    卑弥呼の600年くらい前。

    ”防壁は人の往来を断つが、街道は人の往来を促進する。自国の防衛という最も重要な目的を、異民族との往来を断つことによって実現するか、それとも、自国内の人々の往来を促進することによって実現するか。”

    なるほど。
    ローマの街道はもともと軍用道路として作られたのだけど、道があれば人は通るわけだから、そうすると街道筋に馬の交換所ができたり、食事処ができたり、宿泊所ができたりすることで経済も上向きになる。
    街道マップなんかも作られていて、まさしく現代の高速道路である。
    ただし歩行者も利用できるし、何よりも無料。

    なぜならば、ローマの人たちは、インフラを「人間らしい生活を送るためには必要なこと」と考え、それはすなわち”きわめて重要な国家の責務、つまり「公」が担当すべき分野”と考えていたからである。
    ローマにとって、街道、水道、郵便は国家が国民に保証する「人間らしい生活」を守るための基礎なのだ。

    中世を暗黒時代というのは、外敵への防衛、宗教と民族間の紛争防止、治安への保障という、ローマ帝国が担っていたものが喪われてしまったからである。
    ローマ帝国が滅亡してから1000年ほどは、封建領主が個々に年貢を徴収したけれども、ローマ帝国のように手厚い平和と安全は保障されなかったのである。

    さて、映画でも有名な「真実の口」。
    ローマ時代はマンホールの蓋だったんだって。
    やるなあ。

  • ★3.5。
    この巻は色んな意味でこの作家の感度の限界を感じた気がする。つまり文筆家と言いつつ、時系列に歴史を語ることについての疑問を感じていないという点。これは決定的に致命的とさえ言える。
    本巻はトピックごとに切り取る形で史実を語ってますが、これは時を超えた語り口と言えます。ただ哀しいかな、このパラダイムシフトに対して作家自身が自覚的でない。当方レベルの愚民でさえ意識できる重要論点をかっ飛ばしているところに、残念感を覚えざるを得ない。惜しいなぁ。。。内容は凄く面白いだけに。

  • 冒頭、筆者がかなり強調していたとおり、今までの内容とは毛色が違う。ローマのインフラ整備について。

  • 番外的な巻であり、ローマ帝国のインフラ整備を扱った巻。主として、ローマ街道網を解説。
    インフラ整備の視点が現代と通じる点は、さすがローマ帝国と思わずにいられない。

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