- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181806
感想・レビュー・書評
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皇帝マルクス・アウレリウスとその息子コモドゥスの巻。久しぶりの真の親子の後継である。
統治に無関心のコモドゥスが皇帝になったことからローマ帝国は終わりを始める。
コモドゥス治世の12年は穏やかな時代だったが、この時期に優秀でヤル気のある皇帝であれば大鉈を振るいローマ帝国の寿命は伸びたのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自省録のマルクス・アウレリウス。賢帝中の賢帝だと思っていたが、読み進めると何かもの悲しささえ感じる。かわいそうになるくらいの危機の連続。平和な時代であれば、いかほどの賢帝であったろうか。そんな、困難な中であの自省録が書かれたと思うと、再読したくなる。
そして、息子、コモドゥス。若いからこそ、トラウマが強かったではなかろうか。賢帝と呼ばれ信頼も厚い父親と常に比較され、信頼していた姉に暗殺計画を立てられる。それが20歳前後に起きるのだ。現代で置き換えて考えたら、何かしらの精神疾患になってもおかしくないだろうし、疾患とまではいかなくても、メンタルの問題を抱えていてもおかしくない。精神科医がコモドゥスの人生をみたら、どんな診断をつけるだろうか。コモドゥスの章はあまりに哀れで読むのが辛かった。 -
映画「グラディエーター」についての話もあって、私も観た映画だったので、大変興味深く読ませていただきました。また、立派な皇帝とその息子で、次の皇帝についての話だったので、家族についても考えさせられました。
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この本を読んで、改めてグラディエーターを見てみたくなった。
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[評価]
★★★☆☆ 星3つ
[感想]
マルクス、コモドゥスの2時代となっている。
マルクスの時代は初期の失敗を踏まえ、戦争の必要性を認識し、皇帝自らが前線に張り付いていることは好印象だが、ローマにいる元老院からすると蔑ろにされているという印象を与えてしまっていることがローマ帝国の難しさだと感じた。
コモドゥスの時代は戦争を終わらせ、平和な時代担ったと思ったら暗殺事件が起こり、内側が騒がしくなるとなんだかなと感じた。 -
マルクス・アウレリウスの治世後半とコモドゥス。
やっぱり若い皇帝は難しい。 -
「自省録」に象徴される哲学者の賢帝マルクス・アウレリウスは統治後半、侵入する蛮族との戦いに終始する。家族と現地に身を置き、軍隊に尊敬される最高司令官として、防衛線を破る蛮族に対する戦闘に忙殺される。その戦術次元の戦いにはカエサルやハドリアヌスのようなローマ帝国全体の戦略構想が決定的に欠落していた。彼のキャリア上やむおえないか。
異民族との関係の悪化、そのような状況下、マルクスは実子コモドオウスに帝位を譲るという決定的な誤りを犯す。コモドオウスは皇帝ネロ・皇帝ドミテアヌスについで、暗殺された後元老院から3人目の「記録抹殺刑」に処される。「この2人の先輩と比べても公共建築も建てなければその修理もしなかったので、消さねばならない碑文さえもないのだった」
パックスロマーナ・五賢帝の時代の終焉が急速に進行する。 -
今更ながらなのですが、ローマを語りつつ、政治を語りたいこの作家からして、何故キリスト教がローマ世界に広がっていったのか?については基本、興味外なんでしょう。
そういった説明を本作に求める方がお門違いなので、粛々と読み進めるだけです、ここまで来たら。