ローマ人の物語〈33〉迷走する帝国〈中〉 (新潮文庫 (し-12-83))

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2008年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181837

ローマ人の物語〈33〉迷走する帝国〈中〉 (新潮文庫 (し-12-83))の感想・レビュー・書評

  • 迷走するにふさわしく、皇帝がコロコロ変わる。市民の責任能力も落ちてくる。現代に通じる。

  • 皇帝が次から。へ変わっていき、訳が分からなくなっていく。

  • 迷走していた3世紀のローマ帝国に、以外にもマクシミヌスという有能な皇帝が現れたのに、帝国内の政変で元の木阿弥。

    再び帝国は奈落の底へ

    50年100年後に今の日本を眺めたら、同じ光景が見えるんじゃないかな?

    それまで日本国が在れば――だけど 

  • カラカラ帝が東方遠征の最前線で、警護隊長の手によって殺害されるという事件が起こって以降、兵士たちによる皇帝暗殺が相次ぎ、元老院に議席を持たない将官出身の「軍人皇帝」が次々に現われては消える、危機の時代が続く。かくしてローマは政略面での継続性を失い、ついにはペルシアとの戦いの先頭に立っていた皇帝ヴァレリアヌスが敵国に捕縛されるという、前代未聞の不祥事がローマを襲う。帝国の衰亡はもはや誰の眼にも明らかだった。

  • 捕虜になったローマ人が建築水準の高さが
    で今に残る維持を見せたのは、シベリア抑留の日本人の労働に通じる。

  •  タイトル通りの「迷走する帝国」の3世紀中頃の混乱の時代の話です。外的要因と内的要因の両方に振り回される時代ですが,その中でも,「持てる力を継続的に使うことでのエネルギーの浪費の防止」ができなかったことの悪影響が顕著に出てきた時代であると思います。何かにつけて改革のよい面が取り上げられることが多いような気がしていますが,それによって「継続性」が断たれると言うことに対しては,評価をきちんとしておくことが個人にも組織にも大切なことだと思います。
     それにしても,この時期のローマはまさに迷走しており,「帝国はこの時期に,そのまま崩壊したとしても不思議ではない状態にあった」わけで,このような時代に生きた人々は本当に大変だったと思ってしまいます。そのようなところは読むのはつらいところがありますが,それらをもとにした考えるヒントがいくつもあるのも事実だと考えます。

  • もう皇帝多すぎます。
    蛮族の侵入が増えるなか、軍事に長けたものが皇帝に名乗りを上げるも、政治で失敗が大半。

    とうとうローマ皇帝捕囚という事態へ(ペルシア王シャプール1世)。まさしく「終わりの始まり」。

  • う~ん、ローマ帝国ズタズタ、という感じ。皇帝がコロコロ変わって、名前さえ、覚えられない。
    現職の皇帝が捕囚されてしまい、連れて行かれたローマ人が捕虜となり、ペルシアで橋を造らされる・・・塩野七海は、立派な橋を建設することで、ローマの捕虜たちも自尊心を維持したのではないかと書いているが、本当に、どのような気持で、自分たちを捕虜にしている国の橋を作ったのだろうか。
    ローマ帝国、既に、このまま崩壊してもおかしくない状況だけど、これからどやって少し立て直したのだろうか。

  • マクシミヌス・トラクス、ゴルディアヌス一世、二世、三世、パピエヌス、バルビヌス、フィリップス・アラブス、デキウス、ヴァレリアヌス、ガリエヌス。次々と登場しては消えていく皇帝たち。もはや誰が誰だが……、魅力も権威も感じない。おまけにヴァレリアヌスはペルシャ王シャプールによって捕囚されるという前代未聞の不祥事。そして、前例のなかった危機に突入。

  • 帝国の西方、東方の防衛線が突破される。皇帝が戦地で謀殺されたり、蛮族に殺されたり、敵国に捕われの身となったりと、皇帝の世代交代が早く、苦難の時代。国家の終焉はこのようにして訪れるのかと思いながら読む。

  • 軍人上がりの皇帝が何人も立ち上がっては消えていく時代。国内の情勢は昔のローマとは、大きくは変わっていないものの、確実に崩壊へ近づいていく。
    今まで大人しかったペルシャからの侵略、ゴート族を筆頭になだれ込んでくる北方蛮族。それに対し、危機感は募らせながらも今までの皇帝・ローマ人のやり方を踏襲しない方法で対処していく軍人皇帝たち。どこで歯車がかみ合わなくなっていったのか?
    トップがすぐに入れ替わる様はまるで日本の首相のようで、読んでいて物悲しくなった・・・。

  • 3世紀の軍人皇帝時代を書く。基本的にはゲルマン民族との戦闘で死んだり、謀殺されたりした皇帝の後がまを軍団が擁立して、元老院が後追い承認する時代である。当然、皇帝が乱立し、マクシミヌス・トラクスからカリヌスまで73年で、18人を数える。この巻で特筆すべき部分は「五人皇帝時代」や、ゴート族が船を仕立て地中海の町を略奪したこと、皇帝ヴァレリアヌスがササン朝ペルシャのシャブール一世に生きたまま捕らえられたという事件である。ヴァレリアヌスの息子、共同皇帝ガリエヌスは父を見捨てた。帝国の西でゲルマン民族相手に戦闘中で、それどころではなかったのである。

  • 読書日:2013年3月6日-7日 title in Italiana:TERTII SAECULI CRISIS.
    元老院の無能さと軍人の安易な擁立で皇帝になったのに、最終的には皆謀殺されてしまい、哀れという言葉しか思いつきません。
    国の最高機関がこうであるのだから、哀れむべきなのは皇帝の他にキリスト教徒を除いた全ローマ市民でもあります。

    そしてゴート族とアレマン族等の北方民族の大侵攻等が血生臭い事柄が多くある中、
    アラブ人皇帝Philipsが催した建国一千年祭には安堵しました。

  • ころころと皇帝が入れ替わっていく時代。
    世襲制でないからこそ、ローマ帝国がこれほど続いたのではないかと思えるが、もはや元老院という人材プールの外からも皇帝が輩出されてしまう軍人皇帝の時代は、よくもまぁそれで帝国が続いたものだと感心してしまう。
    「ローマ市民」「ローマ共同体」というコンセプトが広く行き渡っていたからか。
    特に印象深い一節を引用する。

    「三世紀のローマ帝国は、一覧表が不可欠になるほど、数多くの皇帝たちが現れては消える。そして、皇帝の顔が変わることは、三世紀のローマ帝国では、政策もそのたびに中断されることを意味されるようになっていたのである。継続は力なり、はやはり真理なのだ。持てる力の有効な活用に利する、という一点においても。」

    持てる力の合理的で徹底的な活用を図ることに力を注ぐこと、そして、継続することがエネルギーの浪費を防ぐ方法の一つであること。著者の考えるローマ人の特徴だが、確かにそうだとうなづかされる。
    継続することで、それまでのストックを最大限活用することもできる。人事異動やリストラの際にも、是非とも頭の隅にとどめておきたいアイデアだと思う。

  • 皇帝が次々に現れては消えていく時代が書かれています。
    それにしても皇帝っていうのはそんなに簡単に殺せるもんなのかって言うくらい簡単に殺されてしまいます。決して無能な皇帝ばかりではないのですが。
    ローマ史上初めて敵の捕虜になったことで有名なヴァレリアヌスですが、どんなに無能な皇帝かと思いきや、政治家としても軍人としても有能であったとされています。高貴な家柄出身のローマ人らしく、正直すぎたのでしょうか。何とも気の毒としか言いようがありません。

  • 皇帝が次々と現れては消えてゆく。権力欲はいつの時代も、人間行動の普遍原理の一つのようだ。一方で優秀な人材も登場することは、登場する。ある人物が、何を為せるかは、人物個人の資質によるだけで無く、登場した時代背景による。カエサルが同時代に存在したとしても、恐らくパッとしなかったのではないか。人物が歴史を作るようで、その実、時代が人物を求め、その人物たらしめているのではないか。

  • 近年の日本政府も迷走し始めたローマ帝国には負けた。コロコロと

    首相の首がすげ替わる日本を嘆いていたが、ローマでは僅か1年で

    皇帝が5人も登場して去って行った。しかも穏やかならぬ去り方で。

    軍団が自分たちの司令官を皇帝に推挙すれば、元老院はシビリアンを
    帝位に据えようとする。内政の混乱は、外政へも影響を及ぼさずには
    いられない。

    以前のローマ帝国であれば暗殺された皇帝の始めたことでも、それが
    合理的であるとなれば存続させた。しかし、次々と皇帝が倒れて行く
    時代ともなると戦略面での一貫性も欠いて行くことになる。

    そして、度重なる北からの蛮族の侵入に加え、アレキサンダー大王に
    滅亡させられた「大ペルシアの夢をもう一度」で、ササン朝ペルシアが
    ローマ帝国に戦いを挑む。

    以前のローマ帝国であったのなら、講和を結ぶのは敗者とだけで

    あった。それなのに、あと少しで勝てるところまで持って行きながら

    勝敗もはっきりしないうちに相手と講和を結んでしまう。しかも、ローマ

    が年貢金を支払うような屈辱的な講和なのだ。

    余力がなくなった大国は、戦役を長引かせたくなかったのか。ローマ人が
    ローマ人としてあった時代の誇り高さはどこへ消えたのか。

    尚、ササン朝ペルシアとの戦役ではペルシア王の策略に引っ掛かり、
    時の皇帝が生きたまま捕囚となっている。帝国始まって以来の屈辱に、
    本国の元老院は「あの皇帝はいなかったこと」にしてしまった。

    あぁ…こんなの、もうローマじゃないよ~~。

  • 物語(歴史)の始まりはマクシミヌス・トラクスからだった。彼の生い立ち、そして皇帝としての生涯は良くできた映画のシナリオのようでもある。という面白みのある皇帝はマクシミアヌスだけで、それ以後は皮肉にもマクシミアヌスが血を引いていた大量のゴート族の進入と、それに対応するだけで過ぎていく時間と帝国の少しずつだが、決定的な崩壊のサインを読んでいく作業だった気がする。マルクスアウレリウスまでのパクスを読んでいただけに、例えばシャプール一世の侵略と略奪、ゴート族の略奪、皇帝ヴァレリアヌスの捕囚などの場面をおっていくのは、とてもつらい。それでもなお帝国が瓦解しなかったのは、人材がまだ保たれていたからではあるけれども、人材は無限に存在するわけはない。それが枯渇し始めるか、また別の要因でさらに崩壊が進むかが鍵になるのだが、その歴史の鍵を握るキリスト教が台頭してきた後半。現在の危機的な状況の日本とかぶってしまうのも悲しい気持ちがする。

  • 11/5/2
    危機の三世紀中盤。増大する西方の蛮族と東方のササン朝ペルシアを前に、打開する事が出来ずジタバタする帝国。頻発する内乱、不満を持つ元老院や軍団兵によって次々と変えられる皇帝。共同体としてのシステムの処理容量を超えて、どんどん崩壊していく。
    平和な時代より激動の時代は読むのが面白い。

  • まさに迷走というにふさわしい迷走ぶり。現皇帝に不満がでると、兵士達が別の将官を担ぎ出して軍人皇帝が次々と誕生するありさま。力をつけた蛮族侵入の連続に対応するのが精一杯で、政策の継続性もなく、展望もない中で、これがあのローマ人かと思えるほどの衰退ぶり。この後どうなっていくのか、結果は分かっているのだけどハラハラドキドキである。
    物事が悪く進む場合の典型的なアンチパターンとして、学べることは多い。

  • 「3世紀の危機」と言われる西暦211年から284年までの73年間に22名もの皇帝が入れ替わったローマの混乱を描く。

  • メモ:3世紀の危機。政局の不安定化=政策の非継続化。その他蛮族の侵入。キリスト教の台頭。ペルシア王シャプール。皇帝ヴャレリアヌスがペルシアの捕囚になる。

  • 淡々と歴史を語っていながら、時々心配するほど現場へ踏み込んでしまう著者。私もローマが混迷している時代へ放り混まれてしまう。
    政治の安定がいかに大切か、現代と比べてしまう。

  • マクシミヌス・トラクス帝からガリアヌス帝の治世まで。
    流石に危機の世紀というだけあって、皇帝の交代劇が激しく混乱した。徳川15代将軍すらも記憶していない癖に、歴代ローマ皇帝ならば空で言えそうな勢いだったが、この巻で出てきた軍人皇帝たちは少し厳しいかも(笑)
    印象的だったのは、1年に5人の皇帝が在位した紀元238年もさることながら、やはりササン朝ペルシアのシャープール1世にヴァレリアヌス帝が捕囚された260年である。
    もはや、何をやってもうまくいかないような終末的雰囲気が色濃い。

  • 2008年9月頃読了

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