ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2014年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181974

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ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 一千年続いたローマ帝国亡き後の、キリスト教国とイスラム教国の一千年に及んだ攻防の歴史を取り上げた本作。

    地中海沿岸を襲うイスラムの海賊と、彼らを利用する台頭著しいオスマントルコ帝国に対し、キリスト教諸国がそれぞれの利害や思惑で対立しながらも挑み続ける姿を、塩野さんらしい、情熱的なのに冷静で骨太な文体で綴っています。

    コンスタンティノープルの陥落、ロードス島の攻防、レパントの海戦といった、攻防の柱となる主要局面については、彼女が「ローマ人の物語」を書く以前に既に独立した作品としてあらかた書いているために、「詳しくはあちらをお読みください」という作りになっています。そのため、彼女のルネサンス期を扱った既刊作品を読んでいないと、どうしても単調な進みであるように感じてしまうかもしれません。

    しかし、既刊作品を読んでいる人であれば、既刊作がヨーロッパ側からイスラムの地である東や南を向いて描いた一方向的かつ一つの戦闘を独立的に取り扱うミクロ的な視点の作品であったのに対し、本作は、地中海の中心から東西南北のキリスト教国とイスラム教国の双方を眺めたパノラマ的な視点かつ一千年の時の流れをとらえたマクロ的な視点で描かれていることがよくわかるため、新たな視点で楽しむことができ、また、「ああ、あの戦いは大きな流れの中でこんな位置付けだったんだな」というようなことも楽しめます。

    そして、大戦にフォーカスしていた時には語られなかった、歴史の波に埋もれた人々にスポットが当たっている点もすごく面白いです。
    特に、イスラムの海賊に攫われたキリスト教徒たちを助けるために動き回った修道士たち、祖国ジェノバの運命に悩み大国スペインのカルロスの下につくことを選んだ傭兵海将アンドレア・ドーリアの冷静な姿、トルコからマルタを守り切ったマルタ騎士団長ラ・バレッテの、同い年のスレイマン大帝の華やかなそれとはあまりに対照的な、険しくも激しい人生における、狂的だが現実的かつ合理的な姿。
    一般的な歴史小説の中では各国の王や法王の陰に隠れてしまいがちな彼らの姿が、端的ですが、丁寧かつ情熱を持って描かれており、無我夢中で読んでしまいました。

    本作は、初めて読む塩野作品としてはお勧めできません。
    しかし、塩野ファンが、「ローマ人の物語」からの延長として、既刊の塩野作品へ回帰し、新たな視点で読むことを手助けしてくれる良作です。

  • 地中海世界を揺るがすパワーゲームにフランス、スペインも参戦し、戦況は混迷をきわめた。トルコを率いるのは陸上ではウィーンにまで迫り、のちに「大帝」と呼ばれたスレイマン一世。
    迎えるキリスト教連合国軍の最前線に立つのはそのトルコに本拠地を追われた聖ヨハネ騎士団。最終決戦の舞台はマルタ島と決まった・・・。地中海の命運を決する戦いは、いかなる結末を見たのか!
    (本著裏表紙あらすじより)

    さぁ、キリスト教圏の反撃が始まる・・・と思わせておいて、思いっきり肩すかしを食らいました。
    だからこその「パワーゲーム」なんでしょうけど、当時のフランスとスペインが険悪で、決して一緒にトルコと戦わなかった、というのは面白い歴史的事実でした。
    何しろスペインが戦っているならとフランスはトルコと講和を結んだりしていた、というのだから徹底してます。
    そんなパワーゲームの結果、悲惨な目に遭うのは海賊の餌食となる力ない庶民だったり、最前線で戦う兵士たちとなります。
    そういった事象についてもキチンと描かれているので、最後まで読むにはある意味パワーが必要です。もっとも「ローマ人の物語」も同じでしたから「ローマ人の物語」を読了できる人は大丈夫だと思います。

    「ローマ人の物語」と本作を読むと、元は同じ神を祭っているユダヤ教・キリスト教・イスラム教の何とも言えない「業」を垣間見ることが出来ます。
    そしてそれは現代でも引き継がれているのだな、と確信できます。
    確実に言えることは、「一神教は信じられない」という私の考えはある意味正しい、と本作まで読んで確信が持てた、ということです。

    そして、この時代の別の作品を読みたくなりました(^^ゞ

  • 読了。

    ローマ亡き後の地中海世界 4 / 塩野七生

    文庫版4部作の最後でございます。

    中世=海賊がいた時代と考えると実に長いですね。

    ロードス島から敗れ落ちマルタ島にたどり着いた聖ヨハネ騎士団ことマルタ騎士団VSトルコ海軍とのマルタ島攻防戦
    熱いね。この戦いは。

    昔、TVでマルタ島の特集番組見てたのでなんとなくですが概要は知ってましので、首都のヴァレッタの名前の人主人公の話来たねーって感じでありまして。
    ジャン・ド・ラ・ヴァレッテ・パリゾンさん
    この本の中ではこの名前ですが正式の名前はなんでしょうかね。
    wikipediaさんは、ジャン・パリゾ・ド・ヴァレット。

    その後はレパント海戦
    塩野七生の本の「レパントの海戦」を見てたのでなつかしのバルバリーゴの名前が出てきましたが本編ではあっさりとした記述ですね。
    くわしくはこちらで → 本「レパントの海戦」
    ってな感じですね。

    地中海から大西洋へ
    新大陸が発見くらいで中世が終わりですが、
    階級社会、十字軍や海賊、異端裁判とまぁ中世は暗黒時代といわれてますが憧れてはいけませんなこの時代にはと思いますね。面白いけど。

    塩野七生の次回作 ギリシア人の物語を文庫化を待ちましょう。

  • タイトル通り、ローマ帝国滅亡後の地中海の力関係を書かれているので仕方が無いのですが著者の他の作品を色々と掻い摘んで時間の流れに沿って述べている感じです。
    その幾つもの出来事の中で興味があるものがあれば著者のたの本、例えばヴェネツィアなら『海の都の物語』を、マルタ騎士団についてなら『ロードス島攻防記』を…と読み進めるのが詳しく知りたい人には良いのかも知れません。

    しかしスペインの記述が結構突き放した感じを受けます。あまりお好きではないのでしょうか…。

  •  プレヴェザ,レパントなど,地中海の西側のヨーロッパ世界と東側のオスマン・トルコが地中海で海軍として戦った16世紀を中心とした物語です。ローマ滅亡後の地中海世界から,最後はこれらの海戦の後に歴史の舞台が地中海から大西洋に移っていったときまでが物語られています。
     ルネサンスに近い時期の物語ですから,やはりこの時期を塩野さんに物語らせるとうまいなという印象を改めて持ちました。

     21世紀に入り,地中海は難民という形が主となっている人の移動の舞台になっているようにも思います。これからの地中海がどのような役割を果たしていくのか,過去の地中海の歴史を振り返ることは,このような観点からも無駄ではないように思います。

  • 正直ローマ人の物語と比較して冗長かつ、単調。時代の流れが定まらない中で描くため仕方ない部分もあるが、他の作品と比較して感じる。

  • 引き続き16世紀の地中海での、トルコとキリスト教国の争い、個別の詳細は既刊の「ロードス島攻防記」、「レパントの海戦」等に譲りながらの全体俯瞰。

  • 最終巻。最終巻になればなるほど、氏の筆にぶるなと。ローマのときもそうだったけど惰性で書いてるかんじ。
    レパント海戦もっと書いてくれると思ったけど、それは違う物語でとのこと。あくまで海賊と海軍にフォーカスした内容だった。ただ、この後地中海世界もイスラムも没落して、アフリカは植民地へとスペインやイタリアはその地位をおとしていく。。。

  • 地中海を巡るスペイン、フランス、ヴェネツィアといった大国とオスマン帝国のせめぎ合いが続く。この時代は海の現場においても、スペインの海軍提督アンドレア・ドーリアや、オスマン側のドラグー(赤ひげ)、ウルグ・アリなど魅力的な人物が描かれている。

    相変わらずスペインにはやや冷淡な記述が続く。ヴェネツィア、ローマ教皇、スペインが連合してオスマン帝国に挑んだプレヴェザの海戦では、特にスペインのドラグーがスペインの立場に固執して統一した動きが取れず、大した戦いもせずにキリスト教国側が敗戦する。これを機にヴェネツィアはカルロスとドーリアへの不信を深め、オスマンとの講話へ向かっていく(p.27-29)。1538年のこの戦いはインパクトが大きく、サラセンの海賊の跋扈を招く。まるで中世に逆戻りしたような様相を地中海は呈することになる(p.31)。

    キリスト教国、特にスペインの反撃の試みは成功しない。1541年にカルロスは自らアルジェ攻略に乗り出すが、悪天候によりほぼ自滅する形で撤退。1561年にはフェリペ2世がトリポリの攻略を試みるが、連合軍は統率がとれておらず失敗する。かくして海賊たちに一層の自信を与える結果に終わる。

    「20年前にはアルジェ攻略を期したカルロスを敗退させ、今度は、トリポリ攻略を期したフェリペの軍を敗退に追いやったのである。わずか20年の間に、ヨーロッパ最強のスペインの王である父と子を、二度までもつづけて敗退させたのだ。海賊たちが、オレたちの天下、と思ったとて当然である。いかにトルコ帝国の後援があろうと、前線で戦ったのは彼らであったのだから。」(p.147)

    スペインが強大な力を持っていても世界秩序の確立に成功せず、パックス・ヒスパニカはならずパックス・ブリタニカへ時代が向かっていく理由。それは、他民族を活用する才能、政治的センスの欠如に求められている(p.242)。インカ帝国を利用せずにただ滅ぼしたのはその証である。スペインと対照的なのがヴェネツィアだ。レパントの海戦以降の話になるが、ヴェネツィア貴族の娘で海賊に捕われ、スレイマンのハーレムに入り後のスルタン、ムラード3世の母となったチェチリアのエピソードが扱われており、面白い。ヴェネツィア側はチェチリアを密かに巧みに利用し、オスマン帝国との講和に導く(p.267-276)。ヴェネツィアの巧みなインテリジェンスは本書で何度も言及される。

    さてアルジェ攻略、トリポリ攻略での劣勢を翻すきっかけになるのが、1565年のマルタ騎士団によるマルタ攻防戦と位置づけられる。マルタ騎士団の見せた強大な精神力による防衛成功は人々を勇気づける。人々は海賊から逃げるだけではなく、マルタでやったように城塞にこもって海賊を迎え撃つように代わっていく。16世紀後半のこの時代、各地の海沿いの城塞が大幅に強化される。対策なき精神主義は愚策だが、対策を立てる力があるのに諦めてしまっている人たちには精神主義も有効なのだ(p.213f)。

    一方、スレイマンを継いだスルタン、セリム2世は1570年にキプロスを攻める。なぜキプロスなのか、特に地中海の要衝クレタでないのはなぜかについて、セリム2世の父への対抗心とキプロス産のワインが欲しかったからという理由が書かれている(p.225)。これはちょっと表面的すぎる記述に見える。もっと背景となる理由があるだろう。ともあれキプロスはオスマン帝国に奪われるが、続くレパントの海戦はキリスト教国側の勝利に終わる。そしてこの海戦にてオスマン海軍はほぼ壊滅、以降地中海の制海権はキリスト教国側に移る。聖ステファノ騎士団とマルタ騎士団の隆盛はレパントの海戦以降、オスマン側の海軍力が衰退して海賊の襲撃が減ったことを意味する(p.276-287)。

    レパントの海戦を境に地中海で大きな動きはなくなる。それ以降はヨーロッパの中心は北へ、戦いは大西洋へ移っていく。本書もここで閉じる。テンポの良い記述と魅力的な人物の活写が楽しい本だが、いくつか不満点も残った。(1)人物中心に描いているために歴史上の転換点が人物の動機を基にしている。ブローデルを読んできた私にはあまり納得がいかなかった。(2)ヴェネツィアへの肩入れが大きく、スペインとフランスがあまりにお粗末に描かれている。また国王レベルの人間よりも現場の人間を著者が好きなようで、カルロス1世やフェリペ2世よりドーリアの方がよっぽど魅力的に書かれている。(3)キリスト教側から海賊の話を巡っている本なので当たり前だが、イスラム勢力=海賊=野蛮、それに対してキリスト教国側=海賊に晒される可哀想な民衆=文明という図式が全般を占める。イスラム勢力側について読者に残る印象は悪いものしかないだろう。それは違うのではないか。

  • (全巻通じての感想として)
    『ローマ人の物語』の続編として通史的な観点で読むとちょっと物足りないかもしれない。観点や時代の流れ方が違うから仕方がない。
    また、『ローマ人の物語』『十字軍物語』『海の都の物語』の隙間を埋める役割の位置づけと捉えてもいいかと思う本シリーズだが、にしても、やたらニッチな部分に焦点をあててきたなあという感じでもある。タイトルに海賊、海軍とあるが、まあその辺の一般的なイメージの華々しい海賊、海軍も登場してこない。当時の花形であったであろうヴェネツィアに対する記述はレパントの海戦以外は意図的に記述を避けられており、よほど興味がないとつまらないのではと逆に心配してしまう。
    ただ、キリスト対イスラムというおそらくどうしようもない図式が果てなく繰り返されている様が、2015年という今、その根深さを痛感させるという点において、今だからこそ注目すべきシリーズであろう。そしてだからこそ何より、シチリアにおける「地中海の奇跡」と、救出修道会・救出騎士団について光を当てている点については特筆すべきことではないか。その辺の世界史モノを読んでもここを取り上げてるものはあまりないのではないかと思うし、未来への僅かな希望を与える光だと思っている。

  • 歴史は繰り返す。
    ローマの歴史家が言った言葉か。。。
    正に繰り返してるな〜

  • 1538年プレヴェザの海戦ではオスマントルコに勝てなかった。しかし時代は少しずつ新しい方向へ傾きはじめる。マルタ騎士団の戦いを守り抜き、1571年レパントの海戦で、ついにオスマントルコの海上勢力を一掃することになる。ただしイスラムの海賊行為は続く。地中海の海賊行為が沈静化したのは1830年フランスのアルジェリアの植民地化という。ローマ亡き後の地中海はイスラム海賊の暴風雨から逃げ惑い、最後に立ち上がり、撃破するまでに約1200年要したことになる。キリスト教サイドからの見方であるが、イスラム側の見方はどうなのかと気になる。そんな書籍があれば著者も一番に手に取りたいそうだ。

  • 保有状況:&購入日:41985&購入金額:637

  • 海戦がアツイ。マルタ騎士団がアツイ。

  • 海賊や悪党達は結局は弱い相手にのみ強いのである。

  • いよいよクライマックスが近づいてきました。スレイマン率いるオスマン・トルコとカルロス率いるスペインを中心としたキリスト勢力の全面対決の時代が書かれています。その勝敗をわける大きな要因になったのが海洋都市国家ヴェネツィアでした。インテリジェンスという言葉が頻繁に出てくるようになりますが、情報こそが勝負を分ける大きな要因になったという点でヴェネツィアが果たした役割は大きかったように思います。歴史にifは厳禁でしょうが、ヴェネツィアがイスラム側についていたとすれば、この戦いはイスラム側の勝利に終わったのではないかと思えるくらい、その果たした役割は大きかったように思います。
    塩野さんの他の著作「海の都の物語」や「レパントの海戦」「ロードス島攻防記」などを合わせて読むといっそう理解が深まり楽しめると思います。

  • まだ残りあるなーって思ってると、 巻末の年表がけっこうな分量占めてて、あ、あっという間に終わってしまった。最終エピソードとも言うべきレパントの海戦が、既刊を見てね、で終わったのはそれまでの流れで薄々予測はしていたものの、やっぱり感ありありで拍子抜けではあった。全巻通しては、イスラム世界との関わりの中でのローマ後の地中海から見た中世のエピソードが見られて新鮮ではあった。

  • 1~4巻を読了。

    いやはや、暗黒の中世とはよく言ったものである。これまでは、中世の暗黒とは、キリスト教世界の中で行われてきたことを指すのだとばかり思っていたが、そんな生易しいものじゃなかった。

    イスラム世界とキリスト教世界の対立とは、ここまですさまじいものだったのか。

    異教徒の海賊が現れて、自分の住む町を襲い、住民を拉致してゆく。この時代の沿岸部に住む人たちには、きっと「安心」はなかったのだ。

    直接とりあげられてはいなかったけれど、イベリア半島での「レコンキスタ」の意味合いが、この時代を知るとよく理解できる。

    そんな中、身を切り命がけで、拉致されたキリスト教徒を救おうとした人たちがいたことに、驚きと尊敬の念を抱きます。

    しかし・・・これは決して過去の話ではないのだと、「イスラム国」の暴挙のニュースに触れるたびに思うのです。

  • 「ローマ亡き後の地中海世界」塩野七生、読了。
    ローマ帝国滅亡から大航海時代前までの中世、ルネッサンスまでの地中海のまわりの国と人々の歴史物語である。その多くはイスラム世界の台頭と神聖ローマ帝国との戦いの歴史である。
    イスラム勢力は中世後半からはオスマン帝国になり強大な力を持つことになるが、ヨーロッパ側(神聖ローマ帝国側)は内部抗争に明け暮れていてまとまりがなく、ほとんどはイスラム勢力に押されっぱなしだったと言える。文明的にもイスラム側の方が先進国であったのは周知の事実である。
    ヨーロッパ側の地中海沿岸部の人たちはアフリカ沿岸の都市から繰り出されるイスラムの海賊たちに略奪され連れ去られ奴隷として働かされており、海賊行為が北アフリカのイスラム教徒の一大産業になっていたというのだから驚きだ。
    いずれにしても山谷はあっても約1000年にわたってキリスト教国はイスラム教徒の海賊に略奪されており、非常な脅威となっていたということはあまり知らなかった。そして、キリスト教国から誘拐され奴隷となっていた人たちを金を払って買い戻すことが18世紀まで続いていたということを考えると、当時のキリスト教徒のイスラム教徒に対しての感情が尋常でないことが理解できる。もっともその大半は、かなわないというあきらめと恐怖だったようだが。
    副題にある「海賊、そして海軍」の海軍はヨーロッパ側のことであり、海軍が整備されてようやくイスラム側の海賊の勢力が弱まってくることになる。
    中世は暗黒の時代というイメージだったがゆっくりとした時間の流れの中で大きな変化のあった時代であったことがわかり、興味深く読了した。

  • 1〜4巻まで読了。
    バッサリ切ってしまうと、地中海世界にとって、中世か否かは、イスラム勢力の広さと海賊の有無で計れる。
    18世紀にもなると、大西洋では大航海時代を迎えているのに、地中海ではナントカ騎士団がまだしっかり現役だったり、ガレー船が使われていたりといろいろ過去の遺物が残っている、はたからみると奇妙な状態だったのだろうな…。
    その頃日本はまだ江戸時代なので、あまり人のことは言えないか。

  • 地中海を舞台にした強国のパワーゲームの時代。トルコもスレイマンが陸・海と攻めあがってくる中、マルタ島を拠点にする聖ヨハネ騎士団が最前線でその進行を押しとどめる。それをきっかけに、キリスト教圏・イスラム教圏のバランスも少しずつ変わっていく。
    地中海という、狭くて広い海を巡り、さまざまな船・人・策略・駆け引きが行き交ったこの時代。非常に見ごたえのある一大スペクタクルでした。このあとの歴史がもっと知りたいですね。

  • 関連本10冊を済ませてから読もうと思ってたのに、手元に読む本がなくなったために仕方なく先に読んでしまった。
    シリーズ4冊の中では一番面白かったけれど。

  • 2014/9/18読了。京都駅のふたば書房で購入。
    シリーズ完結巻。ここらへんに来ると西欧世界が勝つ機会もけっこう出てきて、特にマルタ強い。
    しかし、結末としてはどっちかの完全勝利というよりは、そもそも地中海の重要性が落ちたのであった・・・というのがなんとも現実感。
    あと塩野七生の他のシリーズもまた読みたくなるよね。海の都とかオスマン帝国系の各話とか。

  • もうこの辺になるとルネサンスで、昔の著作と大分被ってきます。
    マルタ騎士団の防衛戦、キリストとイスラムの激突レパントの海戦。戦闘の規模は大きくなりますが、この辺りを頂点に大洋の時代になり地中海世界の落日が訪れます。

  • 15世紀から17世紀までの地中海の海賊とその周辺の国々の話。今回はマルタ島の攻防が一番の花であろう。 
    9千人対5万の対戦。 しかし、マルタ騎士団は守り切った。そこがこの巻の華。ただ、ちょっと深掘りは既に作者が別の本で書いているため、書かれておらず、どちらかというと、記述に終わってしまっている。ちょっと残念。で星3つ。

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ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)の作品紹介

地中海世界を揺るがすパワーゲームにフランス、スペインも参戦し、戦況はますます混沌となった。トルコを率いるのは陸上ではウィーンにまで迫り、のちに「大帝」と呼ばれたスレイマン一世。迎えるキリスト教連合国軍の最前線に立つのはそのトルコに本拠地を追われた聖ヨハネ騎士団。最終決戦の舞台は騎士団の新たな本拠地マルタ島と決まった。地中海の命運を決する戦いは、いかなる結末を見たのか――!

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