フラグメント (新潮文庫 こ 36-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101182315

作品紹介・あらすじ

あれは事故死なんかじゃない。親友の死に同級生・相良優は不審を抱く。城戸ら不良グループが関与しているはずだ、と。葬儀当日-担任教師の車で、相良・城戸を含む同級生6名が式場へ向う途中、大地震が発生!一行は崩落した地下駐車場に閉じこめられてしまう。密室化した暗闇、やがて見つかる城戸の死体…。極限状況下の高校生たちに何が起きたのか。

感想・レビュー・書評

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  • 自殺した親友しかし事故死と判断されてしまう。
    その葬儀に向かう途中で地震が起こり、数名が地下駐車場に閉じ込められてしまう。

    こういう閉じ込められ系は大好物です。
    まぁサバイバルではなく、犯人捜しのミステリーになります。
    結構どきどきはらはらしました。
    どんでん返しが好きな方は楽しめるかも。

    詳しい感想はこちら↓
    https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11381573439.html

  • 2018年10月14日読了。
    2018年79冊目。

  • いじめで自殺した子供の葬式行く道で地震がおこり閉じ込められた少年少女たち。密室で起こる殺人事件の意外な結末は良い。

  • 古処作品。戦争モノでないのははじめて。
    途中でページをなんども戻って確かめながらの読了。
    古処作品は、言葉の説明が少なく一度で理解できないフレーズもありページを戻ることも多いが、それがあっての怒濤の結末に、満足。
    ハズレなし!

  • 『災害の後には、また同じような街が作られる。神戸もそうだし、ここもそうだろう。もう復旧し始めている。

    またこのまま街が発展すれば、百数十年以内にまず確実に起きる震災で、また同じような悲劇が繰り返される

    ーそれがわかっていながら、名古屋のような街に生まれ変わることができない。』

    ソリッドシチュエーションで本格、よく出来ている。

  • 【本の内容】
    あれは事故死なんかじゃない。

    親友の死に同級生・相良優は不審を抱く。

    城戸ら不良グループが関与しているはずだ、と。

    葬儀当日―担任教師の車で、相良・城戸を含む同級生6名が式場へ向う途中、大地震が発生!一行は崩落した地下駐車場に閉じこめられてしまう。

    密室化した暗闇、やがて見つかる城戸の死体…。

    極限状況下の高校生たちに何が起きたのか。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    伊豆の高校生・相良優の親友の宮下敬太が石廊崎から転落して、死亡した。

    警察は自殺も考えに入れながら事故死としたが、優は親友の死に残虐な城戸の率いる不良グループが関わっていると、疑惑を抱く。

    敬太の葬儀の日、担任の塩澤の運転する車で式場に向かった優・城戸も含む6名の生徒は、その途中の地下駐車場でなんと大地震にみまわれ、閉じ込められてしまう。

    水も不足する中、暗闇で敵対するメンバーたち同士の切迫したやりとりが続く。

    そして、頭を割られた城戸の死体が見つかる。

    やがて、また一人…。

    デビューした年に書かれた作品だが、話の骨組みや伏線、文の流れ、全てに安定感があり、上手い作家だと感心した。

    生徒の内面への掘り下げが弱いのが残念だが、前半の行き詰まるミステリーとしての緊迫感、後半の謎解きを通した人間ドラマは共にテンポよく、面白く一気に読めた。

    個性的に光る才能を見出すメフィスト賞2000年受賞作家です。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 子供が子供らしく天才過ぎないところがイイ。
    良質なミステリー。

  • 親友の死の謎を追う高校生・相良優は葬儀の日に発生した東海地震で担任教師、同級生らと共にマンションの地下駐車場に閉じ込められる。同級生の中には親友の死に関与していると思われる城戸もいた。しかし救助を待つ闇のなかで城戸が殺害されてしまう…。
    密室のなかで起こった事件と少年の事故死の謎を追うことになる。ミステリーとしてかなり面白いが、作品の根底に流れるものが重い。10代の頃に読んでたら落ち込んでたかも。作中の記者のように一人の大人としてかける言葉に迷いを持つと思います

  •  相良優(さがらまさる)ら5人のクラスメイトを乗せて、担任教師・塩澤は車を走らせていた。皆で亡くなった同級生・宮下敬太の葬儀へ向かうためである。最後の1人、問題児の城戸直樹を乗せてマンションの地下駐車場を出ようとした時、それは起こった。東海大震災である。マグニチュード8、震度7のその地震により、マンションは倒壊し、優らは地下駐車場に閉じ込められてしまった。いつくるかわからない助け、限られた水。極限状況でありながら、優はこれ以上の機会はないと感じていた。今なら、宮下の死の真相を探ることができる。宮下は自殺ではなく、城戸達によって殺されたに違いないのだ・・・!

     密室のような状況と暗闇の中で、主導権を握ろうとする問題児、これを機会に真相を暴きたい少年、そしてなんとか場を収めたい事なかれ主義の教師。そしてそのやりとりの中でなぜか起こる殺人。いくら暗闇といっても、そんなにうまくいくかなぁというのと、とにかく教師の言動がイライラしてしょうがなかった。突然、過去の話が入ってくるような場面展開も多々あって、「え、いつの話?」となることもしばしば。悪くないけど、ちょっと残念な感じかなぁ。

  • (130810)
    地震によって閉じ込められた高校生達と教員のお話。
    最後の急展開していく感じは好き。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回「毎日出版文化賞」、翌年同作で第71回「日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞。著書に『ルール』『七月七日』『中尉』『生き残り』などがある。

「2020年 『いくさの底』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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