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みんなの感想・レビュー・書評
一度読んだら決して忘れられない傑作。再読。
再読して初めてこれは「七月七日」の舞台であったサイパン島に続く物語なのだと知った。
この作品の舞台は沖縄本島。読後に受ける衝撃は、結末を知っているにも関わらずまったく同質のものであった。
最前線の物語でないにも関わらず、戦争というものがもたらす人間性の断絶というものが信じられないほど克明に描き出されている。
だのになぜか、これを戦記物とか戦争小説とかに分類するのはためらわれる自分がいる。少年の「信じていたのに」という言葉と、それに続く選択は、あまりにも文学的であるから。
<沖縄戦>
これは本当に、読み終わったあと衝撃が体を突き抜ける本です。
叫びだしたくなるような、かきむしりたくなるような。デイゴの花、というものが島民にとってどんな意味を持っていたのか、恥ずかしながら知らずにいました。
視点の多い、そして冷静、一筋縄では考えをまとめさせてくれない苦しさ、じゃあ自分はどうだ、と問いかけられる部分。まだ答えることが出来ない。あなたはどこからきたのですか?
ふと、読み返してまた苦く閉じる。そんな本です。
戦争ものを書いたときに感じる、埃の臭いや汗や緊張感がすごい。
『ルール』やその辺が好きな方にはお勧めの一冊
読んでしばらく呆けた後、本の薄さに驚く。
これだけの内容を、このページ数に詰め込んだのかと、その濃さにしばらく圧倒される。
古処さんの戦争物では「ルール」が一番印象に残っているし気に入っているのだが、それよりももっと抑えた描写になっており、それがラストのなんとも言えない怖さを際立たせていると感じた。
戦争というものを遠くから冷静に見つめているような、どこか突き放した印象のある文章は古処さん独特のものではなかろうか。
手元に今文庫版しかないので、貸していた単行本が帰ってきたら読み比べてみようと思う。改訂されているのだろうか。
少々言葉回しに懲りすぎ、すぐに場面が理解できない点がマイナス。そして、始めに二世の視点を持ってきたのなら、弥一と交互に視点を切り替えるという方法を取らなかったのはなぜだろう?だって、中尉と上等兵がスパイだってのはさ、読者には最初からわかるじゃんよー。主観的に書きたいのか客観的に書きたいのか、はっきりしなかったのがなんともなあ。
それでも☆4つをつけたのは、ラストの凄絶さが私にとって静かに大きな衝撃だったから。作品の巧緻とか面白さとか、そういうんじゃなくて心に残ったから。信じ続け、そして裏切られてしまった少年の最後の最後の報復が、あまりにも切ない。
太平洋戦争時の沖縄戦を舞台にした作品。
戦争物という意識で読んでしまうと勿体ない作品である。二人の境遇の違う人間の「接近」を描いており、その文章力には脱帽させられる。戦争という特殊な環境の中での人とのふれあい、信じていたものの裏切りと、主人公の精神に触れる一冊。
第二次大戦末期の沖縄。陸軍と沖縄の人々。タイトルで想像した内容とは(勝手な話だけれども)違うので話に入っていくのに時間がかかった。
このお話は、ラストが、ラストが本当によいです。<br>
せつない・・・、せつないよぉ。<br>
<br>
戦争小説って、ヒステリックなものが多くて倦厭していたのですが、こういう作品だと読めます。<br>
(-ωー)しんみり<br>
読了。同氏の『ルール』の方が好みではありますが、こちらも損の一作。戦争文学にミステリの要素も加わり読み応え有り。後に残る苦い余韻がもグッド。
同じく古処さんの、戦争がバックグラウンドにあり、そこで接近した二人の話。戦争ものとしては「ルール」のほうが秀逸だと感じました。これまたせつない話だった。
もともとメフィスト賞を受賞してミステリ作家としてデビューしたと思っていたのに、
いつの間にか戦争もの中心になってしまった古処 誠二。
デビュー作からして舞台は自衛隊だったので、
こちらのほうが著者には扱いやすいのかな。
ミステリも期待していますが、
こちらの路線もおもしろいです。






