阿修羅ガール (新潮文庫)

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著者 : 舞城王太郎
  • 新潮社 (2005年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101186313

阿修羅ガール (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なんだか、インパクトのある小説。冒頭から女子高生愛子のインモラルな独白にギョッとさせられます。これがいまどきの女子高生の等身大なのかと思うと子を持つ親は穏やかではないですね。いきなりグッチ裕三が出てきたりハリウッド映画のキャラクラーが出てきたり、やたらチープな演出は女子高生の考え方や経験の範囲をリアルに描写しようとしているかららしい。客観的な視点で物語を描くというより、女子高生から殺人鬼まで当事者目線で物語を進行させていくので低俗で稚拙で不愉快な表現がすごく多くて読むに耐えない人も多いんじゃないかと思う。文体の触れ幅がとても大きくて極端に感じます。表現は飾らない分直截的で過激だけど、それをメタ的な視点から哲学的に解釈しようとする視点があるので、全て必要だからやってることだろう。2chの無責任な書込みとか神戸の連続児童殺傷事件とか、現代が抱える病的な側面もなぞりながら、それら全てを「仏」の心で許そうとするアプローチとか、理解の範囲を超えたものもあったりして、面白いんだけどとらえどころがない。
    そもそも駄作として切り捨てられずに、三島由紀夫賞を受賞したり芥川賞候補になったりして文学性を評価されていることに驚きを隠せない。現代文学の世界てここまでリベラルで許容範囲が広いのかと。

  • キモチワルイ。覚せい剤キメた人の思考を覗いたような。
    ……………でも読み切れる。ふしぎ。気持ち悪い。



     どうせ自分もほかの読者と変わらないレビューを書いているのだろう。ということはこの本は成功だ。



    「人が人で足りえるのは社会性を持っているからである。
     だから本能丸出しの人間の行動や言動は気持ち悪くてしょうがない。なぜならそれは、人のカタチをした人ではない何かクリーチャーがうごめいて見えるから。」

     この文言を思い出したな。人なのに人じゃないから気持ち悪いんだな。よく表現できるな、むき出しの本能なんて。





     そしてこの本を読んですっきりしてしまった人は「赦し」を求めていたんだろうな。

     これを読み切れれば、すべてを受け入れられる気がする。

  • まいじょーーーーーさーーーーーん!! 今まで読んでいなくてごめなさーーーい!! 好きです!!

    って感じだった。
    疾走する文体、ぐいぐい引き込む躍動感、混沌と俗、でもって「愛」。
    女子高生のアイコが頭の中で考えたことがそのまま文章になっているかのような文体は、リアルタイムなスピードを持っているかのようで圧倒される。彼女が思うちょっとしたことがみょーに生っぽくて、日常というものが持つ均衡と、それゆえの不自然さをよく表現している。

    思考はつまづきもするし、二段跳びに駆け上がりもする。好きな男の子のことを考えていると照れるし、それと同じレベルで暴動とか命とかのことを考えたりする。もちろん、その問題の程度の差とか範囲の差とかは彼女もなんとなくわかっているんだけど、それと並行して感情は見て、聞いて、話している。刺激がいっぱいなのがわかる。彼女のアンテナがびんびんなのがわかる。彼女の中に言葉があふれているのがわかる。

    森はこれ映像で観たらトラウマレベルだよ、と思うくらい怖かった。いきなりはじまってびっくりした。グルグル魔人のところも怖かった……視界が狭いというか、限られた視界しかない世界を見ているみたいな感覚になって、森の場面とは違う不安さを抱いた。
    正直に言うと、阿修羅云々のところは、ちょっと性善説すぎやしないかな、アイコ? と思ったけれど、まぁ彼女は彼女なりに思うところがあるのだろう、と思っておく。

    舞城さんに出会いましたので、これからじっくり読んでいきたいと思います。ほくほく。

  • 女子高生のうちに読めてよかった

  • 舞城作品は、一人称小説の中でも特に「我の強い」部類で、精緻な外界の描写とかはほとんどなくて、内心の印象や思考が大部分を占めてます。それも、若者風のルーズな地の文がだーっと続くので、のれる人は刺激的で楽しいけど、苦手な人はうんざりするかも。
    『阿修羅ガール』は女子高生アイコがバラバラ殺人とか暴動とか起きてるカオスな現代社会で、恋したり臨死体験したりする話。ストーリーがほぼ主人公の頭の中で進むので、あくの強い一人称世界を存分に満喫できます。
    中盤に突入する悪夢的な世界が印象的。あと、カオスなようで、モチーフとかなにげに一貫性があるので、そういうの好きな人も楽しめるかも。シモかったりグロかったりするのでご了承ください。

  • 河出書房新社の雑誌『文藝』に舞城王太郎特集を見たのをきっかけに読んだ作品。なんかすごく人間の心理?に近いことを作中で描いているように感じたが、なかなか理解しがたい・・・。この人の作品は考えるより感じるべきらしいが、そんなの到底難しい。

  • 一気に読んだ。

    あんまり主人公の女の子は好きじゃない…。
    女の子がみんなこんなこと考えてるって思われたら困るって思った。笑

    でも、共感しちゃうところもある…。
    こんなもんかもって感じちゃうところもある…。

    なんなんだまったく。

  • 下北沢B&Bにて行われた文芸トークイベント「成長と感情とストーリーと」にて闘う文芸家と賞賛されておりました三人のうちの一人でございます舞城王太郎先生であります。なぜ闘う文芸家であるかと言いますとそれは文芸素人であるワタクシには分かりかねます。そうですノリだけで買った男がワタクシでございます。


    ラノベなのか何なのか

    そんな闘う文芸家であらせられる舞城先生ではありますが、文体も全くもって闘っております。いやむしろ喧嘩を売っております。もちろん舞城先生のことでありますから意図的に書いておられることは途中で一人称を変えていることからも察して余りあることではございますが、それにしても主人公のアイコが酷いのであります。現代女子高生の心情は皆さんこのようなものなのでしょうか。違うに決まっているかとは存じますがそれでも共感を呼ぶからこそ舞城先生が先生と呼ばれる所以でございますからして、ますます分からなくなってくる昨今みなさまは如何お過ごしでしょうか?


    あなたとわたしのグルグル魔人

    それでも面白いところはあります。正直なところ始めの3分の1で投げてしまおうかとスローイング・ブックしてやろうかと本気で思わざるを得なかったことを告白致しますが、後半になるにつれ文体に慣れていくにつれ面白い箇所がございました。それはそうでございます。そうでなければ先生であるが訳が無いのであります。
    さて、それがどこかと申しますと内容にまで踏み込まないといけなくなりまして、内容に踏み込まないといけないということは本書の重要な部分を白状してしまわないとも言い切れませんのでして、つきましては抽象的なもの言いでご勘弁いただきたく存じます。
    つまり、本書の面白いところは脳内フィクションフィクションである点と情け容赦ない描写にあると存じます。
    読まれる際にはスローイング先を確保されることをご注進申しあげておきましょう。

  • 紀伊國屋 ほんのまくらの企画につられて購入。
    一気に読まないとわからなくなりそうな感じがしたので2日で読了。

    途中の森の部分や主人公の妄想部分、グルグル魔人の
    頭の中身は読んでいて怖かったり、不快だったりするけど、
    自分も頭の中でこれくらいぐちゃぐちゃしたこと考えているときあるなーって
    なんだか妙に納得がいきました。

    様々な謎を通して自分自身ってなんなんだっけ、
    みたいなことを考えさせられたような。

    明確な落ちがなく、導入の謎が残りますが、なんだか最終的には
    それはどうでもよくなってきました。

    宗教に対する捉え方や考え方には共感できました。

    フォントのサイズ変えたり、新しい発見もあって飽きませんでした。
    面白いかどうかは完全に読む人次第。

    自分にとってはつまらなくなかったので、★3つ!

  • 現代版悪魔の書って感じ。読みながら、なんか知らんが落ち込む。
    アイコ文体にのっけから笑った。舞城くんはすげーテンポいい馬鹿っぽい文章得意だけど、なんでかインテリジェンスを感じるのよね。どういうわけか。それに擬音がわかりやすいけど身体感覚に根ざした言葉を選んでいるという感じがするのだ。

    女子高生のいかにも感をデフォルメしたような独善的な言動とか心変わりの早さとか、あらためて面白いなと思った。

    そしてやっぱり、「森」がすごいな。怖い。あれがとてつもなく怖い。

    これ読み終わって深く沈むのってなんなんだろ。
    なんかネットとか見ててたまに思うような、死ねとか殺すとかあとセックスのことだとか、そういった事柄を語るときに今ぼくらが使う現代語はかえって生き生きするんじゃないか…とか。そういう事実に直面してのがっかり? わからないけど。

    登場人物が勝手に妄想たくましくしてありもしない犯罪を考えたり神について自問自答したり―まあ、そのようにして繰り出される思想にちっとも共感できないしちと退屈だし、ていうかちょっと適当っぽいけど、それもまあリアリティかなぁと思ったりね。

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阿修羅ガール (新潮文庫)の作品紹介

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは-。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

阿修羅ガール (新潮文庫)のKindle版

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