彗星の住人―無限カノン〈1〉 (新潮文庫)

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著者 : 島田雅彦
  • 新潮社 (2006年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101187105

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彗星の住人―無限カノン〈1〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • とてもとても壮大な物語。自分の父のことを知るために、父が養子に入った常盤家で、主人公の椿は曾祖母、そして祖父の悲しい恋をも知ることになる。出てくる人が蝶々夫人や、マッカーサー、小津安二郎、原節子をモデルにしたような人たちで、壮大すぎてくらくらした。次巻は天皇まで出てくるらしい。

  • 無限カノン三部作の1作目。
    主人公の両親、祖父母、曽祖父母の出会いと恋が語られる。
    曽祖母は蝶々夫人、その息子が祖父。祖父は通訳として占領軍と関わる。その息子である父は占領軍元帥の愛人を寝取る。そんな血脈を主人公は受け継ぎ、自身も恋が生きる目的とする人生を無意識に歩む。
    二部への布石という役割は否めないが、それぞれが個性的であり共通点を持っている。本当に欲した人とは悲恋に終わるが、結果的には添い遂げる相手があり子も授かっている。まぁ、それはそれでな感じ。
    やはり文章がきれい。

  • 赤い琉金には喜びという名を、黒出目金には悲しみという名をつけた。どうせ人がやっていることだ。長くは続かない。ピンカートン、JB、野田蔵人、野田カヲル、椿文緒、ダダ、マム、常磐シゲル、マモル、アンジュ、松原妙子、麻川不二子、小津安二郎、キリコ、花田貴志、蝶々夫人、日本語教師ミススズキ、野田那美、ナオミ、マッカーサー、帝国ホテル、雲取山、東京で一番高い山、全国大学入学模擬試験一位の伊能、美智代という名の巨乳娘。

  • 久しぶりの再読ですが、とてもワクワクしながら、読み進めました。カヲルと不二子の手紙のやり取りは、なんとも言えず、心が締めつけられます。

  • 敗北し、語られなかったものは永遠に消え去るだろうか。

    第一部は越境の物語である。
    彗星とは所在不明でありながらも別の場所へと向かう住所を指し示している。

  • 「歴史は恋によって作られる」エリクソンばり壮大な恋愛アクロバットを楽しめます。かなり強引に史実と絡めてドラマティックな悲恋を拵えてしまった無理矢理な設定です。けどスタイリッシュな作家はちゃんと登場人物に美しくステキな台詞を吐かせることでピリリと物語を引き締めます。こういった技巧ひとつで文学に昇華してしまう島田雅彦はやっぱりカッコイイのです。無限カノン三部作の第一部。最後まで見届けたいぐらいの愛着は芽生えております。

  • うーん、独特の二人称がきもい・・・
    そして、蝶々→JB→蔵人→カヲル の中で
    どうにか好きになれそうなのは蔵人だけ・・・

    メンズに好みのタイプがいないと、
    恋愛小説、入り込めないのです。

  • 野田カヲルとその一族の恋を描いた「無限カノン」の第一部。
    カヲルの一人娘である文緒が、幼い頃に別れたきりの父を探しに旅に出るところから作品の幕が開く。文緒に“君”と呼びかける二人称で始まる作品世界になかなか慣れず、ちょっとした違和感さえ感じてしまったが、物語が次第に見えてくると、先を急ぐように読んだ。
    カヲルの系譜のルーツとして、かの有名な蝶々夫人とアメリカ兵の恋が語られ、そのあとの世代の恋にもマッカーサー元帥が絡んでくるなど、とことん日本の歴史と一族の恋とが結びつけられていく。そこを壮大な恋として受け入れるか、ちょっと鼻白んでしまうか、好みが分かれそうなところではある。

  • ロマンチックかつ残酷な恋物語。といっても単なるラブストーリーではなく歴史や国家などの要素が絡んできて読むものを飽きさせない。

  • 歴史をめぐった恋愛と出世の物語。残酷甘美な、過去へと遡るお話。重たくて暗くて、ロマンチックで先を知りたくない。悲劇がまっていたら、すごくいやだもの。

  • 作者のいうとおりこれは「考えられる限り、もっとも危険で、甘美で、それを描くことが難しい恋」のはじまり。

    読んでてくらくらした(もちろんいい意味で)。

  • それは、まるで、
    少女漫画をオトナ買いして読み漁るかのごとく。
    読み進めると、どんどん先が気になる。
    最近、そういう話に出会ってなかった。
    こころにいちいち引っかかるんじゃなくて、
    ただ単純に先がどうなるのか、知りたい。
    という欲求のみに忠実になって、
    夜が朝になることも。
    そして、また、自分の悪いクセで
    身近な人間を本の中に投影。
    あー、このクセが出るところまでもが、
    少女漫画的だ!はまった!!

  • それぞれの時代にそれぞれの恋愛があって、
    こんなにも恋愛で壮大なことができるんだと感動しました。

    恋愛はとても愚かで、歪んでいて、どうしようもなく不恰好だけど、
    それでも必死に恋愛をしていく姿はこれ以上ないというくらい綺麗で暖かいものですね。

    だから見ていられないくらいでも目が離せない。

  • 無限カノン3部作です。第1部読み終わるのに、1ヶ月かかったよ!なんてこった!血族4代にわたる恋物語。

    「カヲルは偶然にも十八歳だった。彼は蝶々夫人が自分の恋を殺したのと同じ歳に、自分の恋を蘇生させようとした。蝶々夫人から数えて四代目、恋の遺伝子は、カヲルにも確実に受け継がれ、まさに開花しようとしていた。蝶々夫人は末期の夢にも見なかっただろう。おのが恋が遠い未来の子孫の恋をも左右するとは。恋は喜怒哀楽をゆがめ、理性を壊し、命さえ危険に晒してもなお、終わらず、滅びず、きょうもまた別の誰かが繰り返す。たとえ、恋人たちが死んでも、彼らの満たされなかった欲望は未来に持ち越され、忘れられた頃、蘇る。」(P492)

    「記憶というものは恐ろしい。君が生まれる前から、彼岸にいた人々が話し、嘆き、笑い、恋をし、旅をするのだ。それが記憶の中で生き長らえるということなのか。ならば、彼らはアンジュ伯母さんや君の意識の中で、性懲りもなく、旅をし、恋をし、話し、嘆き、笑い続けるのだ。」(P306-307)

  • 一八九四年長崎、蝶々さんと呼ばれた芸者の悲恋から全てが始まった。息子JBは母の幻を追い、米国、満州、焼跡の日本を彷徨う。三代目蔵人はマッカーサーの愛人に魂を奪われる。そして、四代目カヲルは運命の女・麻川不二子と出会った刹那、禁断の恋に呪われ、歴史の闇に葬られる。恋の遺伝子に導かれ、血族四代の世紀を越えた欲望の行方を描き出す画期的力篇「無限カノン」第一部。

  • 2008/08/11読了

  • 島田雅彦氏の作品です。
    3つの小説ですが、無限カノン三部作として副題が与えられています。


    『蝶々(ちょうちょう)夫人』をご存知でしょうか。
    蝶々夫人はマダムバタフライの邦訳タイトルです。『マダムバタフライ』という小説は弁護士
    ジョン・ルーサー・ロングが1898年にアメリカで発表した作品。
    とゆらはこの作品に触れるまで、『蝶々夫人』の名前を聞いたことがあるという程度でした。
    この小説『蝶々夫人』は後に、プッチーニによって2幕もののオペラとして発表されますから
    こちらでご存知の方の方が圧倒的に多いことでしょう。

    この『蝶々夫人』のストーリーは長崎が舞台です。
    没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇なのですが、島田氏
    の『無限カノン三部作』はまさにこの続編とも言える作品です。

    蝶々の遺児、ベンジャミン・ピンカートン・ジュニア(ニックネーム\\\\\\\"ジュニア・バタフライ\\\\\\\"
    略称J.B)の母との死別・米国へ引き取られるところからストーリーが始まります。

    JB、そしてその子供である野田蔵人、更にその子供の野田カヲル、そしてその子供である椿文
    緒へと物語りは伝えられます。JBから数えて4代の一族の物語。そしてこの物語は、4代目の
    椿文緒がストーリーを追う形として進められていきます。

    2冊目の『美しい魂』では物語が大きく変容し、3冊目の『エトロフの恋』では静かにうねる
    ようにラストに向かっていきます。

    物語が壮大すぎて一冊ずつを切り出すのも、まとめてご紹介するのも難しい作品ではあります
    が、先を読まずにはいられないという衝動に駆られた久々の作品でした。

  • 「私は信仰の対象たる神も教祖も持たない。毎回、何か信じるに足るものを見つけては、何とか書き続けてきた。今度は恋というものを信じてみることにした」という島田雅彦。見事な力量。

  • 春樹の『ねじまき鳥クロニクル』と並行して読んでいたアンチ春樹の島田雅彦による三部作の第一部。

    あとがきに、「考えられる限り、もっとも危険で、甘美で、それを描くことが難しい恋」を描いたと作者自身が語るように、国家レベルの非常に壮大なスケールで壮大なスケールの「恋」が描かれる。

    恋愛ってこんなに真剣で、非情で、苦しくて、でも結局美しいんだってヒシヒシと伝わってくる。

    また、作者は「ほかの誰にも書き得ない小説」を書きたかったともあとがきで述べており、その意気込みも充分に伝わってくる。

    2部作に期待。

    ヨーロッパ行きの時間がたっぷりある機内で読み始めちゃいます。

  • あんなに、人や時代が入り混じっているのにぜんぜん混乱しない!すごいなぁ「恋」っていうと甘酸っぱいかわいいイメージなんだけどここでいう「恋」はぜんぜん違う。続きが楽しみです!

  • 何世代も続く、恋に人生を振り回される一族の話。
    三部作の一作目。個人的には一作目が一番好きです。

  • 島田雅彦の大傑作恋愛小説、「無限カノン」シリーズの第一作。いつになく本気な作者、笑。親子4世代100年に渡る悲恋の歴史を圧倒的な筆致で描く。圧巻。

  • 一八九四年長崎、蝶々さんと呼ばれた芸者の悲恋から全てが始まった。息子JB
    は母の幻を追い、米国、満州、焼跡の日本を彷徨う。三代目蔵人はマッカーサー
    の愛人に魂を奪われる。そして、四代目カヲルは運命の女・麻川不二子と出会った
    刹那、禁断の恋に呪われ、歴史の闇に葬られる。恋の遺伝子に導かれ、血族四代
    の世紀を越えた欲望の行方を描き出す画期的力篇「無限カノン」第一部。

  • 今一番はまっている本です。三部作の一作目。
    こんな恋愛、現実では絶対経験することはないだろうけど、小説を読むという追体験で読者はこの恋愛を自分のものに出来る。
    夢心地でいっきに読めました。

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