- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101191171
感想・レビュー・書評
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林芙美子や宇野千代と同時代に生きた眞杉静江の生涯を彼女の付き人のようなコケシちゃんの視点から描く。
台湾で生まれ、美貌の母から受け継いだ美貌ゆえに先を不安がられ早くに嫁がされるもその結婚生活は不幸なものに。
YWCAの寄宿舎へ逃れ、ようやく読書の楽しみを語り合う友に恵まれ…記者の仕事も得て。
そのなかの1人、船場のご寮さん 松子(後の谷崎潤一郎夫人)の無邪気な発言をきっかけに憧れの志賀直哉や武者小路実篤と対面、武者小路実篤の愛人となり…
中村地平、中山義秀、はたまた若き日の太宰や宇野千代、才ある作家たちと交流しつつも結局ただ女であった哀しき女のお話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2.00
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【自称女流作家の波瀾万丈ダメんずウォーカー】
「白蓮れんれん」「ミカドの淑女」との評伝三部作内では、一番良かったかもしれない。
眞杉静枝の波瀾万丈の人生の目まぐるしさと寂しさ。
彼女の、登場人物たちの著作も読みたくなった -
眞杉静江という人は正直苦手だ。
私のなりたくない人間NO.1。
美人で、何もしなくてもチヤホヤされて、知名度の割には何もしていないのに。
でも、あとがきの女流作家の業という言葉に納得した。
世間は飽きっぽく、次々と仕事をしなければ存在を忘れ去られるのだ。
なんだか教訓というか、戒めというかを得た。 -
林真理子さんのこの手の作品に嵌っています。話題の「白蓮れんれん」もそうですが、たくさんの文献や書簡を読み込んで、彼女独特のミーハー精神を発揮して作りあげた主人公が、生き生きと動き回っているように思えます。
眞杉静枝と言う作家を、私は今まで知りませんでした。でも、この本の中で彼女を取り巻く人々として、誰でも知っている大作家の名前が多く出てくることに驚きました。「津島修治」に、「いい女だけどさ、眞杉静枝さんとは一緒に死にたくないよ」と言わせてしまうところは面白かったです。
「女文士」というタイトルではありますが、主人公自身は作家としての才能のない、スキャンダルを利用してのし上がってきただらしのない女として描かれています。でも、なぜか私は彼女を嫌いになれません。所々で彼女の純粋さやひたむきさや優しさが見え隠れするからかもしれません。作者の主人公への愛情が感じられました。 -
久々にその世界にはまってしまった。もっとくわしく知りたいと思った作品。
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女文士というタイトルになんか惹かれて読んでいますが
タイトルがりりしいのに、内容はなんか女々しい。 -
林真理子の本は多少読んでいるが、エッセイが多く、彼女はファッションや美容の事に関する関心が強い女性と言うイメージが強かった。
この本は、とても引き込まれて読んだ。眞杉静枝と言う女性に嫌悪感を覚えてしまったが、彼女の哀しさ淋しさと言うものが伝わってきて切なかった。
壮絶な生涯を描いた凄い本だと感じ、著者の実力を感じた。
最後に、参考文献のページを見て、又別の感動を覚えた。これだけの本を書くために著者が参考にした文献の数はすごかった。
それを知って、私は林真理子のファンになった。 -
女流作家になるという幸福はあったけど、他は離婚とか戦争とか麻薬中毒とか辛い事が多くて、波瀾万丈で浮き沈みの激しい人生より、平凡な人生の方がいいって思ってしまいました。
全部フィクションの話なら○○の時に××しておけばよかったのに…とか感想が言えるのですが、実在した人物の話だと事実として受け止めるしかないから辛いです。 -
えーと、眞杉静枝という女流作家が主人公です。
この人は実在したんですか?
え、したって?
あらそう。まったく存じ上げておりませんでしたわ。
時は作家がいまでゆう芸能人のごとく、もてはやされてる時代でした。
そんな時代に台湾に産まれ、見合をさせられ、結婚して
日本へいき
その美貌で武者小路実篤の愛人になり
若い作家と同棲し
中山義秀と結婚し、離婚し…。
当時でいったら大変スキャンダラスな女性でしょうね。
彼女はひたすら、愛を求めてて、そして地位を手に入れたがった。
悲しい女の生きざまとでもいいましょうか。
結婚すれば、文士の妻になれば、子供さえ作れれば…そんな思いで生き続けた女性の話です。
でも結婚も、妻の地位も、子供を作ることでさえ
夫を愛してるから、とかじゃなくて自分の名声をあげるために願ったもの。
結局、この女性は男からの愛を求めるけど誰も愛してなかくて
自分だけを愛し続けたんじゃないのかなぁ。
貪欲。
どこまでも貪欲な女性。
でもそこまで自分を愛せる人もなかなかいない気もします。
けれども、こんな哀しい人生は送りたくないな、と思ってしまうそんな小説でした。