かずら野 (新潮文庫)

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著者 : 乙川優三郎
  • 新潮社 (2006年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101192222

かずら野 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 14歳で大店主人の妾として売られた足軽の娘 菊子。ある日若旦那富司の父殺しの現場に居 合わせた事により、成り行きで一緒に逃げ夫 婦になった二人。心も通じ合わず、離れる事 も出来ない二人を待ち受けるは厳しい現実と 想像を絶する苦難。流れ流れ落ち着いた場所 で見えた物は・・。終始主人公菊子の一人称 一視点で物語が進む。人間の原罪と心象にこ だわり読み手の心をグッと掴む活字力は流 石。四季折々の優しい情景描写も含めて堪 能〜。寒々とした季節、心温まる作品です。

  • 乙川さんの作品は、優しくて好きです。
    この話は、私にはちょっと難しく感じました。
    いろんな夫婦がいるのです。

  • 4/7-4/8

  • 薦められて読んだ本なのだが、正直自分の好みではなかった。
    同じ女として不幸で可哀想だから、ということもあるが
    如何にも男が想像で描いた女性像だとしか思えなかったのだ。

    実際問題、女性はもっと強かで、切羽詰れば現実主義だし
    確かにこの主人公も強く生きてはいるのだが
    どうも現実の女性的には思えない。
    非現実的なのに緻密に丁寧に描かれているので、
    遅々として物語は進まず、読んでいて飽きてしまう。

    寧ろもっと利己的だったり、恋に生きてくれた方がリアルだったし
    読後感ももう少し良かったのではないだろうか。


    以降ネタバレ。




    死ぬのは生きたあかし
    泣くのも希望がいる
    いう記述には、はっとさせられるものがあった。
    生きなければ死ぬことは出来ないし、どんなに絶望して何も残せない人生でも
    死ぬことで生きた証拠は残せるのだ。
    それが救いに思えるかどうかは別だが。
    また、なんの希望も見出せなければ確かに何をすることもできない。
    泣くというのは、こうだったらいいという理想が少なくとも自分の中にあって、
    それとずれがあるからこそ悔しかったり悲しかったりするのだから。
    何もなければ、泣くこともできない。

    ラストで自分でも思わず男の遺体に取りすがって泣くシーンは
    この物語の中で一番リアルに感じて心に残る終わり方だった。

  • 貧乏足軽の娘「菊子」は、十四歳で奉公に出される。家を出て、奉公先に行く道すがら淡い恋心を抱いていた幼なじみの静次郎に送られ、いつの日か家に戻ってくる事を願うのだが、実は大店の主人の妾として売られていたのだった。

    深い失望の中で菊子は死を決意するが、その主人の息子「富治」が主人を殺す現場に居合わせてしまい、二人で逃げ出す事になる。
    二人は逃避行の中仮初めの夫婦として共に生活を続けるが、富治はしょせんボンボンなのか、菊子に甘え続け、不実を重ねる。
    菊子は、やっとの思いで富治と別れ近くで生活を続けながらも別居する事に成功する。
    そんな折に菊子は清次郎に再会し、家族に会いたいと思い、悩み続ける中でようやく実家に帰る事を決意するが、雇い主に言伝ようと立った刹那、富治の乗った船が転覆したとの報が入る。

    富治を放って実家に帰ることが出来なかった菊子は、富治の変わり果てた姿、そして今までの富治からは考えられない行動を聴き泣き崩れた。

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