脊梁山脈 (新潮文庫)

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著者 : 乙川優三郎
  • 新潮社 (2015年12月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101192277

脊梁山脈 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小説というにはくどいし、研究書というには半端。作者の後書きが無かったのが残念だなあ。何が言いたかったんだろ。
    主人公は独りよがりのボンボンだし、目的がコロコロ代わる。最後にムリヤリ軌道修正したけど付けたし感は否めない。女は都合の良い人ばかり。
    日本人のルーツは東南アジア系で、朝鮮由来ではないというのは既に遺伝子から分かってるんじゃなかったか?百済などと現代朝鮮は民族が違うというのも聞いたことがあるから、古代の話を引き合いにして日鮮同祖とか言われても、そこが気になってしょうがなかった。古代日本が百済やペルシャの渡来人を政権中枢に置いていたというのは事実らしいけどもね。

  • 2017年、32冊目です。

  • 20160901 読むのが辛かった。乙川さんの本は時代物しか読んでなかったので新鮮だった。戦後の雰囲気かよく描かれていると思う。

  • 終戦後に復員した主人公が、その列車の中で出会った小椋に助けられ、その後その恩人を探す旅に出ます。その旅の中で木地師という存在を知り、またその魅力にとりつかれ、彼らの道のりを知ることを目的に生きることになります。木地師が日本の歴史を裏からどのように関わってきたのか、その重要さが、縁の下の力持ちという形で好感を持てました。またそれに付随して、日本書紀などの文献から本当の日本の歴史を想像するスケールに、知的好奇心を刺激されます。
    木地師と日本の歴史に深く埋没していく物語に、良い意味でそこから引き戻してくれる女性達の存在があり、その都度都度の物語を一歩引き戻して見つめなおせる仕掛けもあり、楽しんで読ませていただきました。

  • まずタイトルに惹きつけられた。

    木地師の歴史をたどる旅とその過程で巡り合う二人の女性との交流が全体の流れ。
    古代史まで遡る木地師の歴史は興味深い。が、それを受け入れ、または否定したりするだけの知識が私にないのが残念。

    舞台設定は終戦から15年間になっているが、やはり東日本大震災に読み替えるべきなんでしょう。

  • うーん、途中まですごい面白かったけど、なんか、矢田部さんが恵まれ過ぎてて、ちょっと白けてしまった。

  • 敗戦直後の日本列島を舞台に、新生を模索する日本人のあり様を描き出す。
    主人公の矢田部信幸は復員時20代にもかかわらず、戦争の影を背負っているためか、老成している。彼は、古代日本の源流へと遡行するように木地師の足跡を追いかける。それは思わぬ仕方で、天皇制ファシズム国家としての日本を相対化していく。
    信幸が出会う二人の女性は、それぞれに人生への強い衝動を抱えつつも、過去と境遇の重荷を背負わされている。そういった両義性が、物語全体を牽引していく。
    かつて1950年代に「国民文学論争」が文学者の間で展開されたことがある。論争の中で中国文学者の竹内好は、日本の民衆の哀歓をまるごと掬い上げるような作品を待望した。
    あれから60年以上の時をへた震災後の日本社会に、ようやく「国民文学」の名にふさわしい作品が誕生したことを、まずは言祝ぎたい。

  • 上海から復員してきた主人公が復員専用列車の中で同じ復員兵と語り合う冒頭では、疲弊した日本と日本人の諦めと夢が混じり合って伝わってくる。
    物語は主人公がこの復員専用列車で語り合った男を訪ねる旅に端を発し, 歴史の中に埋没していく木地師に巡り合い、消え行くかもしれないその姿を探るうちに日本の古代史に対する謎解きにまで発展する。
    その謎解きは万世一系とされる天皇家まで及んでしまう。

    そういった、まるで梅原猛さんの日本学を読んでいるような重厚な内容と、新しい日本で力強く生きていく二人の女性の儚くも艶やかな人生が絡み合っていく。

    人は自分と自分の行動を正当化する時に自分に都合の良い解釈をして、時として嘘もつく。
    それが時の権力者であった場合、一国の歴史も歪めてしまう。
    権力の座にある者が保身と権力の為に歪めた歴史の為に埋没してしまう文化は、あたかも戦争の犠牲になる人々のように見えてしまう。
    ただ、戦争の犠牲となった人々も未来に向けて力強く生き延びていったように、埋没してしまうかのような文化も脈々と受け継がれいきのびてゆく。
    著者が自分と同じ62歳ということを知ってなんとも驚きだった。

  • 乙川さんといえば、山本周五郎、藤沢周平を継ぐと見なされていた時代小説作家です。ただ、最近は周平さんのような清冽な軽みでは無く、暗く行き場のない情念を女性を中心に描くことが多く、それはそれで良いのでしょうが私の好みからは外れてきて残念に思っていました。
    この作品はそんな乙川さん初の現代小説です(と言っても終戦直後が舞台ですが)

    読み始めは良い雰囲気でした。
    主人公が木地師を訪ねる物語ですが、木地師の世界やその娘達の姿は清々しく、以前の乙川さんが戻ってきた感じでした。しかし後半はやはりドロドロとした強い情念の世界に入り込んでしまいました。
    また、木地師の世界から古代(大化の改新あたり)を推測する話がやたらと長く。木地師と天皇家のつながりは北方さんの南北朝三部作にも出てきて、それはそれで興味深いのですが、古事記や日本書紀あたりの知識がないと読み解けないような記述がずっと続きます。せめて図表でもあれば理解しようという気にもなるのですが。。。

    一言で言えば、悪くはないのだが、私の好みではないという感想です。

    ちなみにAmazonの書評を見ると五つ星評価も多く、そうした人たちがやたらと長い評論を書いているのも、ある意味乙川さん好きらしいのかもしれません。

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脊梁山脈 (新潮文庫)の作品紹介

上海留学中に応召し、日本へ復員する列車の中で、矢田部は偶然出会った小椋に窮地を救われる。復員後、その恩人を探す途次、男が木地師であることを知った矢田部は、信州や東北の深山に分け入る。彼らは俗世間から離れ、独自の文化を築いていた。山間を旅するうち、矢田部は二人の女性に心を惹かれ、戦争で失われた生の実感を取り戻していく……。絶賛を浴びた著者初の現代長編。

脊梁山脈 (新潮文庫)はこんな本です

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