高村光太郎詩集 (新潮文庫)

著者 :
制作 : 伊藤信吉 
  • 新潮社
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本棚登録 : 438
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101196015

感想・レビュー・書評

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  • 「最低にして最高の道」
    自分の中に置いておきたい詩です。
    まだ自分の感覚としてはすんなりと落ちていかない部分もあるけど、こうありたいと、読み返す度に清々しい気持ちになれます。

  • 高村光太郎 詩集

    詩の中に 造形美術を感じる。自然描写すら造形美術。永遠の美。詩に感情や音感は強く感じない

    自然との一体感が 自分に力と慈しみを与える
    「クリスマスの夜」キリストの天の火
    「落葉を浴びて立つ」日本の秋〜有りあまるものの美
    「冬の言葉」一生を棒にふって人生に関与せよ
    「非ヨオロッバ的なる」
    「地理の書」死はむしろ隣人である。
    「美しき落葉」落葉の匂ひは故国の匂ひ

    人生訓
    「生けるもの」公園に散る新聞紙の如く〜生かしめよ
    「道程」この遠い道程のため
    「或る墓碑銘」一生を棒に振りし男此処に眠る
    「怒」怒は人間を浄める〜腹が立つのを恐れない
    「最低にして最高の道」泣くも笑ふもみんなと一緒に

    造形感覚
    「根付けの国」言葉を選ぶというより、言葉を造る
    「父の香り」自分が造形物から 永遠の生を見出す
    「冬が来る」「秋の祈」自然描写の中の強い色
    「鉄を愛す」青い窓の雨の近くへ〜赤い火を置かう。


  • 高村光太郎の人生を眺めているような気分になる詩集。
    彼の人生の転機が訪れる事に少しずつ作風が変わり、その度に素晴らしい作品を作り出していく彼の才能がよくわかる。
    どの詩のどの言葉にも彼の魂が篭っていて、本来の意味以上の意味を持ち得る言葉になっている。

  • いいのだ!

  • この詩集では、高村光太郎氏の有名な詩が多く掲載されています。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“本屋総研で登場。

    暮らしの手帖編集長であり、COWBOOKSの経営者でもある、松浦弥太郎さんの『人生を変えた1冊』

    「自分の人生を変えた本というと、1冊だけありまして。詩というものを初めて読んだ本でもあるし、
    高村光太郎さんの価値観というか世界観だったりというものに触れて、僕はすごい衝撃を
    受けましてね。それが今でも自分のいろんな意味での内面的なものさしになっている本ですね。」


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • (2003.07.17読了)(2003.02.15購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    大正三年に刊行された処女詩集『道程』から、万人の胸に感動を伴って響く愛の詩編『智恵子抄』を経て、晩年の岩手山麓にうたう『典型』まで、光太郎の全生涯にわたる詩業から百余編を収録する。近代的人間形成という課題をになって出発した光太郎が、その昏迷と焦躁を打ち破り、厳しい自己凝視の中に築いた内的世界の充溢がほとばしる、壮麗な生と愛の讃歌である。

    ☆関連図書(既読)
    「智恵子抄」高村光太郎著、龍星閣、1941.08.20
    「智恵子抄その後」高村光太郎著、龍星閣、1950.11.20
    「智恵子抄」高村光太郎著、新潮文庫、1956.07.15
    「レモン哀歌」高村光太郎著、集英社文庫、1991.01.25
    「小説智恵子抄」佐藤春夫著、角川文庫、1962.02.20

  • 道程がやはり有名だけれども雷獣を読んだときに感じるガラガラとなる音のイメージがとても好きです。

  • 「僕の前に道はない
    僕の後ろに道は出来る
    ああ、自然よ
    父よ
    僕を一人立ちさせた広大な父よ
    僕から目を離さないで守る事をせよ
    常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
    この遠い道程のため
    この遠い道程のため」

    新成人、新入生、新社会人のみならず、すべての人にとって胸に響いてくる詩。
    決して押し付けがましくないのは、
    高村光太郎が自分自身に対して書いた詩であるからなのだろうか。

    人生に道は存在しない。
    レールのない未来を手探りで、時に悩み、時に挫折し、時にやけくそになりながらも前に進んでいく。
    具体的ではない壮大な夢や希望、少年時代からの想いを頼りに暗闇の中を進んでいく。

    街灯もない真っ暗闇の道程。
    押しつぶされそうになったその時、「父」が私を救ってくれる。
    それは文学であるかもしれないし、芸術であるかもしれないし、人生の師匠かもしれない。

    とにかく人は長い道程をひとりで進まなければならない。
    一歩一歩、淡々と。
    人は孤独だが、父なる自然、絶対的なるものを意識することにより、前に進めることがある。


    適切な時に、適切な場所で、この詩に出会えたことに感謝。

  • 自然と人間に対する狂暴で深い愛を感じた。日本語表現の滋味と美しさに溢れた一冊。

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著者プロフィール

詩:詩人・彫刻家。高村光雲の長男。東京美術学校卒業後、欧米に留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人。耽美的な詩風から理想主義的・人道主義的な詩風へと転じる。代表作:「道程」「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」等。


「2013年 『女声合唱とピアノのための 組曲 智恵子抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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