- Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101196336
作品紹介・あらすじ
なつかしい故郷を離れて、東京の大学へ進学した英雄を、過酷な運命が待ち受けていた。変わり果てた旧友との再会、父と「高木の家」への訣別、初めての狂おしい恋、そして荒海に消えた弟・正雄。別れの痛みを背負ってひとり旅立ち、最果ての岬にたどりついた英雄を、海潮音が包みこむ…。人の絆の重みと生きることの意味を熾裂に問いかけた自伝的長編「海峡」三部作、ついに完結。
感想・レビュー・書評
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主人公が挫折や悲しみに直面しながらも、自分らしく前を向いて歩く姿に感銘を受けました。もっと早くこの本に出会いたかった…
中学生や高校生に是非読んでほしい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絹さんあっての高木家でした。
母ちゃんに親孝行できてねえなぁ。 -
2024.3.30読了。
海峡三部作 完結編。
大学生の英雄は東京で工事現場のアルバイトをしているが、そこで過酷な運命が待ち受けている。
親友筧の自死と最後の手紙、
新聞で知った親友宋の死、
荒海での最愛の弟の死…
別れの痛みを背負う英雄に助言と導きを与える大人達との巡り合い。
人生を生き抜くことの意味や人と人との固い絆に何度も涙する場面があり、たくさんのことを教えてくれる小説でした。
タイトル「岬へ」の「岬」は能登の岬で、小説内で七尾・羽咋・穴水・志賀町など、能登半島地震の被災地である地名が出てきて、改めて叙情的な場所なのだといつか訪れたく思いました。
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自伝小説とわかって読み始めたので英雄は最初から伊集院静として認識していた。いい男だと思う、真似はできないけれど。生まれながらにしての余裕と自信の器が違う。そしてあの無頼な性格だ。ただでは倒れないだろう。
大学生になった英雄のまわりには、いつもよき人生の先輩である大人がいる。立派な人ばかりではないが、大人だとは思う。カナエ、雪野老人、角永、森田、鬼アサはそれぞれに英雄に何かを伝えている。そして英雄はそれをしっかりキャッチしている。波長が合うと言えばそれまでだが、英雄のオーラが集めた人たちかもしれない。
伊集院静はきっと今でも英雄のままなんだろうな。 -
「海峡」青春篇。英雄は大学生になった。弟の正雄が亡くなったシーンは伊集院さんの弟さんと重ねてしまう。最後に長友啓典さんが書かれているように、伊集院さんの文章には品があり、絵画を見ているようだ。
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父との葛藤を乗り越えて、旅立ちの前までで全3巻終了。大人の入り口までの時代が良く描けており、とても良かった
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久しぶりに、買って手元に置いておこうかな!
これに出てくる先生、大好き。「何でも、聞きなさい。わからなければ全力でわからないと答えてあげます。」 -
ラストがいいね。これでグッと引き締まった。
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普段はあまりこういうジャンルの本を選ばないのだけど、実家の母に「とても良かった」と勧められ読んだ。強く心を揺さぶられました。読んで良かった。伊集院氏のことももっともっと知りたくなった。
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良い!