萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)

  • 372人登録
  • 3.78評価
    • (46)
    • (26)
    • (75)
    • (0)
    • (1)
  • 26レビュー
著者 : 萩原朔太郎
制作 : 河上 徹太郎 
  • 新潮社 (1950年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101197012

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 「月に吠える」の「序」にやられた!
    『詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。』

    以下お気に入り。
    竹 二編
    さびしい人格
    群衆の中を求めて歩く
    青猫
    旅上
    など。

    しかしなんといっても最高なのは、

    死なない蛸

    である。

  • 私が初めて意識し、感銘を受けた詩は吉野弘の「I was born」だが、詩を読むという行為は朔太郎から始まった。
    「死なない蛸」 である。



    今でも忘れない。
    この詩を初めて読んだその時の衝撃を、
    恐ろしいほどの欠乏。
    『死なない』
    つまりその終わりのない欠乏を抱えてうごめいている姿を想像して
    孤独というよりかはそのものすごい痛みに、
    それも胸をえぐられるかのような鈍い痛みに満たされたものだった。


    始めてこの詩を読み解いたのは授業でのひとこまだった。
    教師はしきりにこの詩の意味と解説を行っていた。
    憶えていない。
    ただ、とてもつまらなかった。
    しかし今思えば詩の観念を選択することなく平等に子供に伝えようとしていた、あえてこの詩を授業で取り組もうとした彼女の心意気は賞賛に値する。
    その行為は私のように心傾く子供を生むことが出来るのだ。
    そうして先人達の偉大な言葉、芸術、美は松明の火のように次にと伝えられていくのだろう。
    なんてね、


    実際、彼の詩全般はあまり好きではない。
    でも、
    朔太郎はどうあろうと自分の中で別物の存在だ。


    『私どもは時々、不具な子供のやうないぢらしい心で、部屋の暗い片隅にすすり泣きをする。
    さういふ時、ぴつたりと肩により添ひながら、ふるへる自分の心臓の上に、やさしい手をおいてくれる乙女がある。
    その看護婦の乙女が詩である。
    私は詩を思ふと、烈しい人間のなやみとそのよろこびとをかんずる。
    詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。
    詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。
    詩を思ふとき、私は人情のいぢらしさに自然と涙ぐましくなる。 』
             (「月に吠える」序文より)



    詩を読むことは理解ではないと私は思う。
    詩は線と線が交わる一瞬の快楽だと私は思う。
    その一瞬の快楽を初めて私に教えてくれたのは朔太郎だ。


    初心忘れるべからずと読み返してみてよかった。
    自分は動いている。
    とまた自覚させてくれた一冊。
    しかし戻ったな、と

  • やけに収録されてる詩が少ないなと思ったら、裏表紙みて理解。これ、それぞれの詩集から代表的なのを抜いてきた、選り抜き集って事なのですね。これを入門編として気に入ったら、それぞれのちゃんとした作品集を読みましょう、と。

    初期の作品たちはどれも脳内でイメージが浮かぶ、視覚的な所が好きですね。しかもちょっと不思議な風景になりそうな、色味は蒼色~黒色 って感じの。

  • 死なない蛸、春の実体、山に登る。安曇野行きたい。

  • ●以下引用

    私の心の「かなしみ」「よろこび」「さびしみ」「おそれ」その他言葉や文章では言ひ現はしがたい複雑した特種の感情を、私は自分の詩のリズムによって表現する、併しリズムは説明ではない。

    「どういふわけで水が恐ろしい?」「どういう工合に水が恐ろしい?」これらの心理は、我々にとつては只々不可思議千万のものといふの外はない。けれどもあの患者にとつては、それが何よりも真実な事実なのである。そして此の場合に若しその患者自身が…何等かの必要に迫られて…この苦しい実感を傍人に向つて説明しようと試みるならば(それはずゐぶん有りさうに思はれることだ。(中略)けれども、若し彼に詩人としての才能があったら、もちろん彼は詩を作るにちがいない。詩は人間の言葉で説明することの出来ないものまでも説明する。詩は言葉以上の言葉である

    原始以来、神は幾億万人といふ人間を造つた。けれども、実際は一人一人みんな同一のところをもつて居るのである。この共通を人間同士の間に発見するとき、人類間の「道徳」と「愛」が生まれる

    ●地面の底の病気の顔

    地面の底に顔があらはれ、
    さみしい病人の顔があらはれ。

    地面の底のくらやみに、
    うらうら草の茎が萌えそめ、
    鼠の巣が萌えそめ、
    巣にこんがらかつてゐる、
    かずしれぬ髪の毛がふるえ出し、
    冬至のころの、
    さびしい病気の地面から、
    ほそい青竹の根が生えそめ、
    生えそめ、
    それがじつにあはれふかくみえ
    けぶるごときに視え、
    じつに、じつに、あはれふかげに視え。

    地面の底のくらやみに、
    さみしい病人の顔があらはれ


    ●竹

    ますぐなるもの地面に生え、
    するどき青きもの地面に生え、
    凍える冬をつらぬきて、
    そのみどり葉光る朝の空路に、
    なみだたれ、
    なみだをたれ、
    いまはや懺悔をはれる肩の上より、
    けぶれる竹の根はひろごり、
    するどき青きもの地面に生え


    ●竹

    光る地面に竹が生え、
    青竹が生え、
    地下には竹の根が生え、
    根がしだいにほそらみ、
    根の先より繊毛が生え、
    かすかにけぶる繊毛が生え、
    かすかにふるえ

    かたき地面に竹が生え、
    地上にするどく竹が生え、
    まつしぐらに竹が生え、
    凍える節節りんりんと、
    青空のもとに竹が生え、
    竹、竹、竹が生え


    ●亀

    林あり、
    沼あり、
    蒼天あり、
    ひとの手にはおもみを感じ
    しづかに純金の亀ねむる、
    この光る、
    寂しき自然のいたみにたへ、
    ひとの心霊にまさぐりしづむ、
    亀は蒼天のふかみにしづむ

    ●冬

    つみとがのしるし天にあらはれ、
    ふりつむ雪のうへにあらはれ、
    木木の梢にかがやきいで、
    ま冬をこえて光るがに、
    おかせる罪のしるしよもに現はれぬ。

    みよや眠れる、
    くらき土壌にいきものは、
    懺悔の家をぞ建てそめし。


    ●卵

    いと高き梢にありて、
    ちいさなる卵ら光り、
    あふげば小鳥の巣は光り、
    いまはや罪びとの祈るときなる


    ●死

    みつめる土地の底から、
    奇妙きてれつの手がでる、
    足がでる、
    くびがでしやばる、
    諸君、
    こいつはいつたい
    なんといふ鵞鳥だい。
    みつめる土地の底から、
    馬鹿づらをして、
    手がでる、
    足がでる
    くびがでしやばる


    ●春夜

    浅蜊のやうなもの、
    蛤のやうなもの、
    みぢんこのやうなもの、
    それら生物の身体は砂にうもれ、
    どこからともなく、
    絹いとのやうな手が無数に生え、
    手のほそい毛が浪のまにまにうごいてゐる。
    あはれこの生あたたかい春の夜に、
    そよそよと潮みづながれ、
    生物の上にみづながれ、
    貝るゐの舌も、ちらちらとしてもえ哀しげなるに、
    とほく渚の方を見わたせば、
    ぬれた渚路には、
    腰から下のない病人の列があるいてゐる、
    ふらりふらりと歩いてゐる。
    ああ、それら人間の髪の毛にも、
    春の夜のかすみいちめんにふかくかけ、
    よせくる、よせくる、
    このしろき浪の列はさざなみです。


    ●ありあけ


    ながい疾患のいたみから、
    その顔はくもの巣だらけとなり、
    腰からしたは影のやうに消えてしまひ、
    腰からうへには薮が生え、
    手が腐れ
    身体いちめんがじつにめちやめちやなり、
    ああ、けふも月が出で、
    有明の月が空に出て、
    そのぼんぼりのやうなうすらあかりで、
    畸形の白犬が吠えてゐる。
    しののめちかく、
    さみしい道路の方で吠える犬だよ


    ●陽春

    ああ、春は遠くからけぶつて来る、
    ぽつくりふくらんだ柳の芽のしたに、
    やさしいくちびるをさしよせ、
    をとめのくちづけを吸ひこみたさに、
    春は遠くからごむ輪のくるまにのつて来る。
    ぼんやりした景色のなかで、
    白いくるまやさんの足はいそげども、
    ゆくゆく車輪がさかさにまわり、
    しだいに梶棒が地面をはなれ出し、
    おまけにお客さんの腰がへんにふらふらとして、
    これではとてもあぶなさうなと、
    とんでもない時に春がまつしろの欠伸をする。


    ●春の実体

    かずかぎりもしれぬ虫けらの卵にて、
    春がみつちりとふくれてしまつた、
    げにげに眺めみわたせば、
    どこもかしこもこの類の卵にてぎつちりだ。
    桜のはなをみてあれば、
    桜のはなにもこの卵いちめんに透いてみえ、
    やなぎの枝にも、もちろんなり、
    たとへば蛾蝶のごときものさへ、
    そのうすき羽は卵にてかたちづくられ、
    それがあのやうに、ぴかぴかぴかぴか光るのだ。
    ああ、瞳にもみえざる、
    このかすかな卵のかたちは楕円形にして、
    それがいたるところに押しあひへしあひ、
    空気中いつぱいにひろがり、
    ふくらみきつたごむまりのやうに固くなつてゐるのだ、
    よくよく指のさきでつついてみたまへ、
    春といふものの実体がおよそこのへんにある。


    ●見知らぬ犬

    この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
    みずぼらしい、後足でびつこをひいてゐる不具の犬のかげだ。

    ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
    わたしのゆく道路の方角では、
    長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、
    道ばたの陰気な空地では、
    ひからびた草の葉っぱがしなしなとほそくうごいて居る。
    ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
    おほきな、いきもののやうな月が、ぼんやりと行手に浮んでゐる、
    さうして背後のさびしい往来では、
    犬のほそながい尻尾の先が地べたの上をひきずつて居る。

    ああ、どこまでも、どこまでも、
    この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
    きたならしい地べたを這ひまはつて、
    わたしの背後で後足をひきずつてゐる病気の犬だ、
    とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
    さびしい空の月に向つて遠白く吠えるふしあはせの犬のかげだ


    ●蛙よ

    蛙よ、
    青いすすきやよしの生えてる中で、
    蛙は白くふくらんでゐるやうだ、
    雨のいつぱいにふる夕景に、
    ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ、と鳴く蛙。

    まつくらの地面をたたきつける、
    今夜は雨や風のはげしい晩だ、
    つめたい草の葉つぱの上でも、
    ほつと息をすひこむ蛙、
    ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ、と鳴く蛙


    ●山に登る

    山の頂上にきれいな草むらがある、
    その上でわたしたちは寝ころんでゐた。
    眼をあげてとほい麓の方を眺めると、
    いちばんにひろびろとした海の景色のやいにおもはれた。
    空には風がながれてゐる、
    おれは小石をひろつて口にあてながら、
    どこといふあてもなしに、
    ぼうぼうとした山の頂上をあるいてゐた。

    おれはいまでも、お前のことを思ってゐるのだ


    ●群衆の中を求めて歩く

    私はいつも都会をもとめる
    都会のにぎやかな群衆の中に居ることをもとめる
    群衆はおほきな感情をもった浪のやうなものだ
    どこへでも流れてゆくひとつのさかんな意志と愛欲とのぐるうぷだ
    ああ ものがなしき春のたそがれどき
    都会の入り込みたる建築と建築との日影を求め
    おほきな群衆の中にもまれてゆくのはどんなに楽しいことか
    みよこの群衆のながれてゆくありさまを
    ひとつの浪はひとつの浪の上にかさなり
    浪はかずかぎりなき日影をつくり 日影がゆるぎつつひろがりすすむ
    人のひとりひとりにもつ憂ひと悲しみと みなそこの日影に消えてあとかたもない
    ああ なんといふやすらかな心で 私はこの道をも歩いて行くことか
    ああ このおほいなる愛と無心のたのしき日影
    たのしき浪のあなたにつれられて行く心もちは涙ぐましくなるやうだ
    うらがなしい春の陽のたそがれどき
    このひとびとの群は 建築と建築との軒をおよいで
    どこへどうしてながれて行かうとするのか
    私のかなしい憂鬱をつつんでゐる ひとつのおほきな地上の日影
    ただよふ無心の浪のながれ
    浪の行方は地平にけむる
    ひとつの ただひとつの「方角」ばかりさしてながれ行かうよ。


    ●憂鬱の川辺

    川辺で鳴つてゐる
    蘆や葦のさやさやといふ音はさびしい
    しぜんに生えてる
    するどい ちひさな植物 草本の茎の類はさびしい
    私は眼を閉ぢて
    なにかの草の根を噛まうとする
    なにかの草の汁をすふために 憂愁の苦い汁をすふために
    げにそこにはなにごとの希望もない
    生活はただ無意味な憂鬱の連なりだ
    梅雨だ
    じめじめとした雨の点滴のやうなものだ
    しかし ああ また雨! 雨! 雨!
    そこには生える不思議の草本
    あまたの哀しい羽虫の類
    それは憂鬱に這ひまはる 岸辺にそうて這ひまはる
    じめじめとした川の岸辺を行くものは
    ああこの光るいのちの葬列か
    光る精神の病霊か
    物みなしぜんい腐れゆく岸辺の草むら
    雨に光る木材質のはげしきにほひ


    ●鶏

    しののめきたるまへ
    家々の戸の外で鳴いてゐるのは鶏です
    声をばながくふるはして
    さむしい田舎の自然からよびあげる母の声です
    とをてくう、とをるもう、とをるもう。

    朝のつめたい臥所の中で
    私のたましひは羽ばたきをする
    この雨戸の隙間からみれば
    よもの景色はあかるくかがやいてゐるやうです
    されどもしののめきたるまへ
    私の臥所にしのびこむひとつの憂愁
    けぶれる木木の梢をこえ
    遠い田舎の自然からよびあげる鶏のこゑです
    とをてくう、とをるもう、とをるもう。

    恋びとよ
    恋びとよ
    有明のつめたい障子のかげに
    私はかぐ ほのかなる菊のにほひを
    病みたる心霊のにほひのやうに
    かすかにくされてゆく白菊のはなのにほひを
    恋人よ
    恋人よ

    しののめきたるまへ
    私の心は墓場のかげをさまよひあるく
    ああ なにものか私をよぶ苦しきひとつの焦燥
    恋人よ
    母上よ
    早くきてともしびの光を消してよ
    私はきく 遠い地角のはてを吹く大風のひびきを
    とおてくう、とをるもう、とをるもう


    ●くづれる肉体

    蝙蝠のむらがつてゐる野原の中で
    わたしはくづれてゆく肉体の柱をながめた
    それは宵闇にさびしきふるえて
    影にそよぐ死びと草のやうになまぐさく
    ぞろぞろと蛆虫の這ふ腐肉のやうに醜くかつた
    ああこの影を曳く景色のなかで
    わたしの霊魂はむずがゆい恐怖をつかむ
    それは港からきた船のやうに 遠く亡霊のゐる島々を渡つてきた
    それは風でもない 雨でもない
    そのすべては愛欲のなやみにまつはるくらい怖れだ
    さうして蛇つかひの吹く鈍い音色に
    わたしのくづれてゆく影がさびしき泣いた


    ●緑色の笛

    この黄昏の野原のなかを
    耳のながい象たちがぞろりぞろりと歩いている。
    黄色い夕日が風にゆらいで
    あちこちに帽子のやうな草つぱがひらひらする
    さびしいですか お嬢さん!
    ここに小さな笛があつて その音色は澄んだ緑です
    やさしく歌口をお吹きなさい
    とうめいなる空にふるへて
    あなたの蜃気楼をよびよせなさい
    思慕のはるかな海の方から
    ひとつの幻像がしだいにちかづいてくるやうだ
    それはくびのない猫のやうで 墓場の草影にふらふらする
    いっそこんな悲しい暮景の中で 私は死んでしまひたいのです お嬢さん!


    ●かなしい囚人

    かれらは青ざめたしやつをかぶり
    うすぐらい尻尾の先を曳きずつて歩きまはる
    そしてみよ そいつの陰鬱なしやべるが泥土を掘るではないか。
    ああ草の根の根株は掘つくりかへされ
    どこもかしこも曇暗な日ざしがかげるてゐる
    なんといふ退屈な人生だらう
    ふしぎな葬式のやうにさびしい影だ
    硝子のぴかぴかするかなしい野外で
    どれも青ざめた髪のしやつぽをかぶり
    ぞれぞろと蛇の卵のやうにつながつてくる さびしい囚人の群れはないか


    ●野鼠

    どこに私らの幸福があるのだらう
    泥土の砂を掘れば掘るほど
    悲しみはいよいよふかく湧いてくるではないか。
    春は幔幕のかげにゆらゆらとして
    遠く俥にゆられながら行つてしまつた
    どこに私らの恋人があるのだろう
    ばうばうとした野原に立つて口笛を吹いてみても
    もう永遠の娘らは来やしない
    なみだによごれためるとんのづぼんをはいて
    私は日庸鶏のやうに歩いている
    ああもう希望もない 名誉もない 未来もない
    さうしてとりかえしんつかない悔恨ばかりが
    野鼠のやうに走って行った


    ●笛の音のする里へ行かうよ

    俥に乗つてはしつて行くとき
    野も 山も ばうばうとして霞んでみえる
    柳は風にふきながされ
    燕も 歌も ひよ鳥も かすみの中に消えさる
    ああ 俥のはしる轍を透して
    ふしぎな ばうばくたる景色の行手にみる
    その風光は遠くひらいて
    さびしく憂鬱な笛の音を吹き鳴らす
    ひとのしのびて耐へがたい情緒である

    このへんてこなる方角をさして行け
    春の朧げなる柳のかげで 歌も翼もふきながされ
    わたしの俥やさんはいつしんですよ


    ●蒼ざめた馬

    冬の曇天の 凍りついた天気の下で
    そんなに憂鬱な自然の中で
    だまつて道ばたの草を食ってる
    みじめな しょんぼりした 宿命の 因果の 蒼ざめた馬の影です
    わたしは影の方へ動いて行き
    馬の影はわたしを眺めてゐるやうです
    ああはやく動いてそこを去れ
    わたしの生涯の映画膜から
    すぐに すぐに外りさつてこんな幻像を消してしまへ
    私の「意志」を信じたいのだ。馬よ!
    因果の 宿命の 定法の みじめなる
    絶望の凍り付いた風景の乾板から
    蒼ざめた影を逃走しろ。


    ●遺伝

    人家は地面にへたばつて
    おほきな蜘蛛のやうに眠つてゐる。
    さびしいまつ暗な自然の中で
    動物は恐れにふるへ
    なにかの夢魔におびやかされ
    かなしく青ざめて吠えてゐます。
     のをあある とをあある やわあ
    もろこしの葉は風に吹かれて
    さわさわと闇に鳴つてる。
    お聴き!しづかにして
    道路の向うで吠えてゐる
    あれは犬の遠吠だよ
     のをあある とをあある やわあ

    「犬は病んでゐるの?お母あさん。」
    「いいえ子供
    犬は飢えてゐるのです。」
    遠くの空の微光の方から
    ふるへる物象のかげの方から
    犬はかれらの敵を眺めた
    遺伝の 本能の ふるいふるい記憶のはてに
    あはれな先祖のすがたをかんじた
    犬のこころは恐れに青ざめ
    夜影の道路にながく吠える。
     のをあある とをあある やわあ

    「犬は病んでゐるの?お母あさん。」
    「いいえ子供
    犬は飢えてゐるのです。」


    ●自然の背後に隠れて居る

    僕等が薮のかげを通つたとき
    まつくらの地面におよいでゐる
    およおよとする象像をみた
    僕等は月の影をみたのだ。

    僕等が草叢をすぎたとき
    さびしい葉ずれの隙間から鳴る
    そわそわといふ小笛をきいた。
    僕等は風の声をみたのだ

    僕等はたよりない子供だから
    僕等のあはれな感触では
    わづかな現はれた物しか見えはしない。
    僕等は遥かの丘の向うで
    ひろびろとした自然の住んでる
    かくれた万象の密語をきき
    見えない生き物の動作を感じた

    僕等は電光の森かげから
    夕闇のくる地平の方から
    煙の淡じろい影のやうで
    しだいにちかづく巨像をおぼえた
    なにかの妖しい相貌に見える
    魔物の迫れる恐れをかんじた。

    おとなの知らない稀有の言葉で
    自然は僕等をおびやかした
    僕等は葦のやうにふりえながら
    さびしい曠野に泣きさけんだ
    「お母ああさん!お母ああさん!」


    ●花やかなる情緒

    深夜のしづかな野道のほとりで
    さびしい電燈が光つてゐる
    さびしい風が吹きながれる
    このあたりの山には樹木が多く
    楢、檜、山毛欅、樫、欅の類
    枝葉もしげく鬱蒼とこもつてゐる。

    そこやかしこの暗い森から
    また遥かなる山山の麓の方から
    さびしい弧燈をめあてとして
    むらがりつどへる蛾をみる
    蝗のおそろしい群のやうに
    光にうづまき くるめき 押しあひ死にあふ子虫の群団

    人里はなれた山の奥にも
    夜ふけてかがやく弧燈をゆめむ
    さびしい花やかな情緒をゆめむ
    さびしい花やかな燈火の奥に
    ふしぎな性の悶えをかんじて
    重たい翼をばたばたさせる
    かすてらのやうな蛾をみる
    あはれな 孤独の あこがれきつたいのちをみる

    いのちは光をさして飛びかひ
    光の周囲にむらがり死ぬ
    ああこの賑はしく 艶めかしげなる春夜の動静
    露つぽい空気の中で
    花やかな弧燈は眠り 燈火はあたりの自然にながれてゐる
    ながれてゐる哀傷の夢の影のふかいところで
    私はときがたい神秘をおもふ
    万有の 生命の 本能の 孤独なる
    永遠に永遠に孤独なる 情緒のあまりに花やかなる。 


    ●内部への月影

    憂鬱のかげのしげる
    この暗い家屋の内部に
    ひそかにしのび入り
    ひそかに壁をさぐり行き
    手もて風琴の鍵盤に触れるはたれですか。
    そこに宗教のきこえて
    しづかな感情は室内にあふれるやうだ

    洋燈を消せよ
    洋燈を消せよ
    暗く憂鬱な部屋の内部を
    しづかな冥想のながれにみたさう
    書物をとりて棚におけ
    あふれる情調の出水にうかばう
    洋燈を消せよ
    洋燈を消せよ

    いま憂鬱の重たくたれた
    黒いびらうどの戸張のかげを
    さみしく音なく彷徨する
    ひとつの幽しい幻像はなにですか。
    きぬずれの音もやさしく
    こよひのここにしのべる影はたれですか。
    ああ内部へのさし入る月影
    階段の上にもながれ ながれ。


    ●海鳥

    ある夜ふけの遠い空に
    洋燈のあかり白白ともれてくるやうにしる
    かなしくなりて家家の乾場をめぐり
    あるひは海岸にうろつき行き
    くらい夜浪のよびあげる響をきいてる。
    しとしととふる雨にぬれて
    さびしい心臓は口をひらいた
    ああ かの海鳥はどこへ行つたか。
    運命の暗い月夜は翔けさり
    夜浪によごれた腐肉をついばみ泣きゐたりしが
    ああ遠く飛翔し去つてかへらず

    ●蟾蜍

    雨景の中で
    ぽうとふくらむ蟾蜍
    へんに膨大なる夢の中で
    お前の思想は白くけぶる

    雨景の中で
    ぽうと呼吸をすひこむ霊魂
    妙に幽明な宇宙の中で
    一つの時間は抹消され
    一つの空間は拡大する


    ●狼

    見よ
    来る
    遠くよりして疾行するものは銀の狼
    その毛には電光を植ゑ
    いちねん牙を研ぎ
    遠くよりしも疾行す。
    ああ狼のきたるにより
    われはいたく怖れかなしむ
    われはわれの肉身の裂かれ鋼鉄となる薄暮をおそる
    きけ浅草寺の鐘いんいんと鳴りやまず
    そぞろにわれは畜生の肢体をおそる
    怖れつねにかくるるにより
    なんぴとも素足をみず
    されば都にわれの過ぎ来し方を知らず
    かくしもおとろへしけふの姿にも
    狼は飢え牙をとぎて来れるなり
    ああわれはおそれかなしむ
    まことに混沌の都にありて
    すさまじき金属の
    疾行する狼の音をおそる


    ●松葉に光る

    燃えあがる
    燃えあがる
    あるみにうむのもえあがる
    雪ふるなべにもえあがる
    松葉に光る
    いしの屍体のもえあがる
    いみじき炎もえあがる


    ●白夜

    夜露まぢかくしのびきて
    疋音をぬすむ寒空に
    微光のうすものすぎさる感じ
    ひそめるものら
    遠見の柳をめぐり出でしが
    ひたひたと出でしが
    見よ 手に銀の兜器は冴え
    闇に冴え
    あきらなにしもかざされぬ
    そのものの額の上にかざされぬ


    ●夜の酒場

    夜の酒場の
    暗緑の壁に
    穴がある
    かなしい
    聖母の額
    額の裏に
    穴がある
    ちつぽけな
    黄金虫のやうな
    秘密の
    魔術のぼたんだ
    眼をあてて
    そこから覗く
    遠くの異様な世界は
    妙なわけだが
    だれも知らない
    よしんば
    酔つぱらつても
    青白い妖怪の酒盆は
    「未知」を語らない
    夜の酒場の壁に
    穴がある


    ●空に光る

    わが哀傷のはげしき日
    するどく虫歯を抜きたるに
    この虫歯は昇天し
    たちまち高原の上にうかびいで
    ひねもす怒りに輝けり。
    みよくもり日の空にあり
    わが瞳にいたき
    とき金色のちさき虫
    中空に光りくるめけり


    ●序より

    詩は学問でも技芸でもない。詩は時々に燃焼して行く生命の記録、主観の思ひ逼った「訴へ」に外ならない。
    処で学問や技芸ならば、修養によつて日々に進歩を重ねることが有り得るだらう。然るに詩は学問や技芸でないから、詩人の経歴に成長といふことは有り得ない。詩人は幾年詩を作っても同じことで、今日の詩が昨日の詩にまさるといふやうなことは全くない。もしそんなことを考える詩人があれば、一の悲しき人間的な錯覚である。なぜといつて生命は不断に流動し変化して行く。いかなる生命も、決して同じ一の港に長く留まってゐない。生命は錨をもたない船であって、一瞬時も同じ処に滞てゐないのである。生命は流れている。

    されば死には進歩がない。詩人の生涯には成長がない。詩人はただ時々に変化する。青虫が蛹となり、蛹が転じて蝶類となつた時我々はもはや再度青虫の貪婪を繰返さず、彼等の悲しき歌を唄はうとしないだらう

    詩人の生涯は変化である。私には成長もなく進歩もない。長い過去の生涯は、私の芸術にとつて一の増すものもなく減るものも残さなかった。私は昔あつたやうに、今日も尚ほ幼く未熟の初学詩人にすぎないのだ。私は何等の「藝術」もを持つてゐない。ただ生命の浪の移り行く過去のLIFEの「記録」を持つてゐるにすぎないのだ。私は一切の過去の詩を集めて、これらの貧しき記録を編纂した。もとより過行く利根川の水の中に、一切を破って棄つべきものであるかもしれない。ただ切に感ずるものは非力である。無才にして詩を思ひ、力なくして人生に闘はうとする悲哀である。

    我の叛きて行かざる道に
    新しき樹木皆刈られたり


    ●風船乗りの夢

    夏草のしげる草叢から
    ふはりふはりと天上さして昇りゆく風船よ
    籠には旧暦の暦をのせ
    はるか地球の子午線を超えて吹かれ行かうよ。
    ばうばうとした虚無の中を
    雲はさびしげにながれて行き
    草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまつた
    どこをめあてに翔けるのだらう
    さうして酒瓶の底は空しくなり
    酔ひどれの見る美麗な幻覚も消えてしまつた
    しだいに下界の陸地をはなれ
    愁ひや雲やに吹きながされて
    近くもおよばぬ真空圏内へまぎれて行かうよ。
    この瓦斯体もてふくらんだ気球のやうに
    ふしぎにさびしい宇宙のはてを
    友達もなく ふはりふはりと昇つて行かうよ。


    ●仏陀

    赤土の多い丘陵地帯の
    さびしい洞窟の中に眠つてゐるひとよ
    君は貝でもない 骨でもない 物でもない
    さうして磯草の枯れた砂地に
    ふるく錆びついた時計のやうでもないではないか。
    ああ 君は「真理」の影か 幽霊か
    いくとせもいくとせもそこに坐ってゐる
    ふしぎの魚のやうに生きてゐるみいらよ
    このたへがたくさびしい荒野の涯で
    海はかうかうと空に鳴り
    大津波の遠く押し寄せてくるひびきがきこえる
    君の耳はそれを聴くか?
    久遠のひと 仏陀よ!


    ●桜

    桜のしたに人あまたつどひ居ぬ
    なにをして遊ぶならむ
    われも桜の木の下に立ちてみたれども
    わがこころはつめたくして
    花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ
    いとほしや
    いま春の日のまひるどき
    あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを



    ●利根川のほとり

    きのふまた身を投げんと思ひて
    利根川のほとりをさまよひしが
    水の流れはやくして
    わがなげきせきとむるすべもなければ
    おめおめと生きながらへて
    今日もまた河原に来り石投げてあそびくらしつ
    きのふけふ
    ある甲斐もなきわが身をばかくばかりいとしと思ふうれしさ
    たれかは殺すとするものぞ
    抱きしめて抱きしめてこそ泣くばかりけれ


    ●月光と海月

    月光の中を泳ぎいで
    むらがるくらげを捉へんとす
    手はからだをはなれてのびゆき
    しきりに遠きにさしのべらる
    もぐさにまつはり
    月光の水にひたりて
    わが身は玻璃のたぐひとなりはてしか
    つめたくして透きとほるもの流れてやまざるに
    たましひは凍えんとし
    ふかみにしづみ
    溺るるごとくなりて祈りあぐ
    かしこにここにむらがり
    さ青にふるへつつ
    くらげは月光のなかを泳ぎいづ


    ●小出新道

    ここに道路の新開せるは
    直として市街に通ずるならん
    われこの新道の交路に立てど
    さびしき四方の地平をきはめず
    暗鬱なる日かな
    天日家並の軒に低くして
    林の雑木まばらに刈られたり
    いかんぞ いかんぞ思惟をかへさん
    われの叛きて行かざる道に
    新しき樹木みな刈られたり


    ●大渡橋

    ここに長き橋の架したるは
    かのさびしき惣社の村より
    直として前橋の街に通ずるならん。
    われここを渡りて荒寞たる情緒の過ぐるを知れり
    往くものは荷物を積み車に馬を曳きたり
    あわただしき自転車かな
    われこの長き橋を渡るときに
    薄暮の飢えたる感情は苦しくせり
    ああ故郷にありてゆかず
    塩のごとくにしみる憂患の痛みをつくせり
    すでに孤独の中に老いんとす
    いかなれば今日の烈しき痛恨の怒りを語らん
    いまわがまづしき書物を破り
    過行く利根川の水にいつさいのものを捨てんとす。
    われは狼のごとく飢えたり
    しきりに欄干にすがりて歯を噛めども
    せんかたなしや、涙のごときもの溢れ出で
    頬につたひ流れてやまず
    ああ我れはもと卑陋なり
    往くものは荷物を積みて馬を曳き
    このすべて寒き日の 平野の空は暮れんとす


    ●漂泊者の歌

    日は断崖の上に登り
    憂ひは陸橋の下を低く歩めり
    無限に遠き空の彼方
    続ける鉄路の柵の背後に
    一つの寂しき影は漂ふ

    ああ汝 漂泊者!
    過去より来りて未来を過ぎ
    久遠の郷愁を追ひ行くもの。
    いかなれば矜持として
    時計の如くに憂ひ歩むぞ。
    石もて蛇を殺すごとく
    一つの輪廻を断絶して
    意志なき寂寞を踏み切れかし

    ああ 悪魔よりも孤独にして
    汝は氷霜の冬に耐えたるかな!
    かつて何物をも信ずることなく
    汝の信ずるところに憤怒を知れり。
    かつて欲情の否定を知らず
    汝の欲情するものは弾劾せり
    いかなればまた愁ひ疲れて
    やさしく抱かれ接吻する者の家に帰らん。
    かつて何物をも汝は愛せず
    何物もまたかつて愛せざるべし


    ●乃木坂倶楽部

    十二月また来れり
    なんぞこの冬の寒さや
    去年はアパートの五階に住み
    荒漠たる洋室の中
    壁に寝台を寄せてさびしく眠れり
    わが思惟するものは何ぞや
    すでに人生の虚妄に疲れて
    今も尚家畜の如くに飢えたるかな
    我れは何物をも喪失せず
    また一切を失ひ尽くせり。
    いかなれば追はるる如く
    歳暮の忙しき街を憂ひ迷ひて
    昼もなほ酒場の椅子に酔はむtぽするぞ。
    虚空を翔け行く鳥の如く
    情緒もまた久しき過去に消えるべし

    十二月また来れり
    なんぞこの冬の寒きや。
    訪ふものは扉を叩つくし
    われの懶惰を見て憐れみ去れども
    石炭もなく暖炉もなく
    白堊の荒漠たる洋室の中
    我れひとり寝台に醒めて
    白昼もなほ熊の如くに眠れるなり


    ●帰郷

    わが故郷に帰れる日
    汽車は烈風の中を突き行けり
    ひとり車窓の目醒むれば
    汽笛は闇に吼え叫び
    火焔は平野を明るくせり
    まだ上州の山は見えずや
    夜汽車のほの暗い車燈の影に
    母なき子供等は眠り泣き
    ひそかに皆わが憂愁を探れるなり。
    嗚呼また都を逃れ来て
    何処の家郷に行かむとするぞ
    過去は寂寞の谷に連なり
    未来は絶望の岸に向へり
    砂れきのごとき人生かな!
    われ既に勇気おとろへ
    暗澹として長なへに生きるに倦みたり
    いかんぞ故郷に独り帰り
    さびしくまた利根川の岸に立たんや
    汽車は荒野を走り行き
    自然の荒漠たる意志の彼岸に
    人の憤りを激しくせり



    ●珈琲店 酔月

    坂を登らんとして渇きに耐えず
    騒乱として酔月の扉を開けば
    狼藉たる店の中より
    破れレコードは鳴り響き
    場末の煤ぼけたる電気の影に
    貧しき酒瓶の列を立てたり
    ああ この暗愁も久しいかな!
    我れまさに年老いて家郷なく
    妻子離散して孤独なり
    いかんぞまた漂泊の悔を知らむ。
    女等群がりて卓を囲み
    我れの酔態を見て憐みしが
    たちまち罵りて財布を奪ひ
    残りなく銭を数えて盗み去れり


    ●地下鉄道にて

    ひとり来りて地下鉄道の
    青き歩廊をさまよふつ
    君待ちかねて悲しめど
    君が夢には無きものを
    なに幻影の後尾燈
    空洞に暗きトンネルの
    壁に映りて消え行けり。
    壁に映りて過ぎ行けり。


    ●ああ堅い氷を破って

    ああ堅い氷を破って突進する
    一つの寂しい帆舟よ
    あの高い空にひるがえる
    浪々の固体した印象から
    その隔離した地方の物わびしい冬の光線から
    あはれに煤ぼけて見える小さな黒い捕鯨舟よ
    孤独な環境の海に漂白する舟の羅津が
    一つの鋭い意志の尖閣が
    ああ如何に堅い冬の氷を突き破ってばく進することよ


    ●霊智

    ふるへる、
    微光のよるに、
    いつぱつ、
    ぴすとるを撃つ、
    遠方に、
    金の山脈、
    かすかな
    黒輝石の発光

  • 言葉にするのは難しいけれど、響くものがあります。救われるような気がします。泣きたいような気もします。複雑です。でもどうしても読みたくなってしまいます。
    この人の詩を読むととても落ち着くので、大学受験の会場に持って行ったほどでした。

  • 私が所持しているのはこの本の改訂前の本です。
    (表紙も微妙に違います)

    何という美しく、ガラスの様に壊れてしまいそうな
    言葉たち。
    ところどころにちりばめられたレトロチックな言葉が
    よりいっそう、詩の世界へと引き込んでくれます。
    なんて罪作りな詩集なのでしょう。

    退廃的な前半部、そしてのびのびとした後半の詩。
    その違いも面白いです。
    ある種の嫌悪はきっと変化を著者が好んだからなのでしょうか。

  • 「月に吠える」目当て

  • 綺麗。月に吠えるの「序」で、もうすごいと思った。月に吠える犬の心。何度も同じ文を読んで、震える。

  • のおわある とおわある やわわー
    かなしいさびしい
    きれいな言葉である

全26件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
フランツ・カフカ
梶井 基次郎
安部 公房
有効な右矢印 無効な右矢印

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)の単行本

萩原朔太郎詩集 (新潮文庫)の文庫

ツイートする