春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101199214

感想・レビュー・書評

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  • 2000年12月刊。2003年10月文庫化。小説新潮 1999年02月号、06月号、11月号、2000年03月号、06月号掲載の5編の連作短編。無益の武士五郎太の人情話。再読ですが、とても楽しめました。大団円というのが良いです。読んでは、思い出すという感じになりました。続編「無事、これ名馬」も読みたくなりました。

  • 【本の内容】
    村椿五郎太、25歳。

    先祖の不始末といまいち野心に欠ける遺伝子が災いして、うだつのあがらぬ小普請の身。

    目下の目標は、学問吟味に合格して御番入りを果たすこと、なのだが、文茶屋での代書屋の内職も忙しい。

    そんなのんびり男を焦らせたのは、幼なじみの紀乃。

    学ならずんば、恋もままならず―。

    どうする、五郎太!

    代書屋に持ち込まれる騒動、そして一進一退の恋と学業の行方や如何に。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 面白かった。
    人と人との繋がりがどんどん五郎太を育てていく。
    応援したくなる内容だった。

  • 代書(手紙の代筆)で小遣いを稼ぎながら学問所に通い、学問吟味に合格して御番入りを夢見る五郎太。マイペースだった彼も幼馴染と結婚の約束をして奮起するものの、やっぱり合格の自信はない。

    そんな彼が、学問所の教授や昔の手習いの師匠、幼馴染、つきあいで行った吉原の花魁などにふれあううちに、成長していく物語。
    子供の頃はとても大人に見えた師匠が、本当は年相応に悩み苦しんでいたこと。真面目な教授が、かつて吉原で一世一代の恋をしていたこと。

    学問所の外でも学ぶことはたくさんあることに気づいた五郎太は、最後は夢を果たします。
    特別大事件があるわけではなく、さらりと読める一冊です。

  • さすが宇江佐さん。安定してとても楽しく読めた。
    五郎太がとても人が良く、周りの人も人がいい。伝助、彦六さんがよかった。
    五郎太のような真っ直ぐで素直な思いやりのある武士は素敵だ。

  • 「無事、これ名馬」の太郎左衛門の両親の祝言までの話

    村椿五郎太は、無役の小普請組から出世する為に難関の学問吟味合格を目指す。

    学問吟味を突破して御番入りすることは、幼馴染みの紀乃との祝言の条件でもあり励まぬわけにはいかない。

    内職の代書屋のに持ち込まれる数々の騒動が五郎太の人生を変えていく。

  • L おなじ作家の話で「ぷりぷり」が出てくるのテンションがあがる。こちらにも出てきてかわいいぞ。
    「五郎太は うほッ と歓声を上げて、その場で飛び上がった」
    かわいいぞ。
    学生時代にこれを読んでいたら、ちったぁマトモになっただろうか。


    それにしても宇佐江さんの話、最後にその人の人生を一気に語ること多くありませんか。出世したのはわかったけど、その間の五郎太の気持ちをしりたかったわ。

  • 何代か前の先祖の「しくじり」によって閑職に甘んじており、代書屋を副業としている貧乏御家人が主人公。

    代書屋を利用する人々とのやりとりも面白いし(ココに伏線がてんこ盛り)、なにより幼馴染の女性との恋愛模様が読んでいて心地よいです。

    宇江佐センセの作品は、いつ読んでも安定して面白いなぁ。

  • 小普請組(役のない侍)の五郎太は、幼なじみの水茶屋で代書の内職をしているが、好きな娘と沿う為に、難関な学問吟味突破を目指す!

    よいではないか、こういう単純で爽快なお話は!

    意外な所で偉大な人が出てきたり、「真面目に生きてりゃ、日の目を見れる」みたいな、話。 自分も誰かの為に頑張っていた頃を思い出す。(苦笑い)

  • 村椿五郎太が妻を娶るまでの作品集。いつも通りさらりと読んでいたが、これがどれもこれも泣かされる。オイオイと号泣するのではなく、シミジミとまぶたを熱くしてしまうのだ。あとがきを読むと、才能有る著者はふと目に留まった小さな言葉から素晴らしい作品を作り出していた。凡人の私は輝く星の言霊ですら気付かずに通り過ぎてしまうのだろう。でも、この作品に気付かずに通り過ぎていたら死んでも死にきれないと思う。気がついてよかった!!

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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