- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101199412
感想・レビュー・書評
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3つのストーリーが収録された短編集。
主人公の年齢は18歳から22歳。思春期を通り越していても、大人にはなりきれてなくて。
酸いも甘いもまだまだこれから、今がそのど真ん中。理想と現実の間で揺れたり、心より体が先だったり、他人の心がどうなっても自分の心だけを守りたかったり…。
「きゅん」とはしないけど「ぎゅっ」とさせられる。
私はもう通り過ぎてしまったけれど、その頃のことを思い出して「ぎゅっ」となりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「女の子の気持ち、ギュッとつかんで離さない。」って帯に書いてあるこの小説を男のオレが読んでみたわけですが、なんだか、そんなに女の子女の子してないっていうか、むしろジメっとしているというか、、、。
表題を含む3編入ってました。
■ハニィ、空が灼けているよ。
これが一番良かったですかね。
カタストロフィ+片思い風味、みたいな。
しかもどちらの要素も不安定で不条理な感じでモヤモヤしてて良かったです。
戦争、教授、幼馴染み、いろんな要素が盛り込まれてました。
■青空チェリー
急にエロい!
予備校の屋上、隣りのラブホの窓から見える情事をのぞき見するのが趣味の女の子。
今日も今日とて、のぞきを満喫していると、、、、みたいな。
■誓いじゃないけど僕は思った
何年経ってもあの子のことが忘れられない。
普通だったら、ちょっとノスタルジックな感じの良い話になりそうだけれど、この話はなんだろう? なんかジメジメしてる。 -
どの話も良かったけど、「ハニィ、空が灼けているよ」は泣きそうになった…
やっぱ豊島さんの文章が好きだなぁ。
単行本の方も読もう! -
自分でも怖いくらい、記憶のピースは僕の心を奪い続けるのだ。いつまでも、どんなときにも。
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「稚拙で下品でいやらしく、引き込まれる要素が何もない作品でした。せめて同人誌でやっとけという感想です。この内容で戦争を語ろうなんて笑えます。うっかりこんな本を人に勧めようものなら、自らで『自分は頭の足りない、下品でいやらしい人間です』と紹介しているようなものだ。」
読んだのは1年半~2年くらい前だったかと思いますが、全く内容を覚えていません。
ただ、その時つけていたアナログの読書ノートに↑こんな感想が書いてあって、あまりに酷で可笑しかったので掲載します。
一体何をそんなに糾弾しているのか! 当時の自分に何があったのか! 図書館で借りた事だけはおぼえている! -
3話収録されていて、賞をとったタイトル作よりも
他のほうがよかったかも
「ハニィ、空が灼けているよ」は
”戦争”と”都会人が田舎で暮らすこと”の共通点である
『非日常』の描き方がうまいと思った
本当の世界でも遠い国で起こる紛争はどこか現実味を欠く
あと、どこかに出てきた、過去のいい思い出だけをマッチに例えて、
「1本マッチをすると、その瞬間だけ温かい気持ちになる」
と表現していたところにすごく納得した -
表題作がだんとつでいい。十分濡れているのに初体験に失敗したところがとても新鮮でいい結末となっている。オナニーの描写もいきいきと瑞々しさがあって好感がもてる。
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他の方も書いているように「ハニー~」がイイ!
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ハニィ、空が灼けているよ。…評価はこの作品。シュールなリアリティが怖い。徴兵制という刃を目の前にした時、今の日本が平和なんだということが実感できる。
青空チェリー…いくら何でもこれはない。妄想激し過ぎ。
誓いじゃないけど僕は思った…思い出のストーカー行為だな。トラウマ化して前に進めなくなってしまった化石のような男の話。 -
豊島ミホさんのデビュー作品です。初期作品だからか、やはり他の小説と違って文章が拙いのが目立ちましたが、着眼点というか比喩が面白いところは変わらなかったです。
「ハニィ、空が灼けているよ」は偶然なのか、中東が関わってくるタイムリーな話でした。主人公が日本が危ないというのに、呑気な気持ちでいる周りにやきもきするところがあるのですが、いつか本当になりそうですごく怖かった。ありえない話なのになんだか妙にリアルでした。今だからこそ読んでほしいお話だと思いました。