日傘のお兄さん (新潮文庫)

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著者 : 豊島ミホ
  • 新潮社 (2007年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101199429

日傘のお兄さん (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 表題作とあわになるが好きだった。
    触れればこわれてしまいそうなものが、絶妙のバランスでそこにあるような、そんな繊細で危うい印象を受ける作品が多かった。

    将来再会できたとしたら、そして一緒になることができたとしたら、日傘のお兄さんよりなっちゃんのほうが、絶対強くてたくましいだろうな(笑)

  • お兄さんとなっちゃんが逃避行するという、設定に惚れ込んだお話。
    設定、そして話の流れはたまらなく大好き。
    お兄さんが憎めなくて、とてもいいキャラクター。
    幸せになってほしいな、と思ってしまうふたりでした。
    東京都の青梅市から電車で島根県へ行くという部分も、あえていろいろな場所で途中下車させて、地名がたくさん出てくるのも、気分が盛り上がる。

  • 『あわになる』
    すごくタイムリーだった。
    死んでから新しく生まれるまで、十五か月。

    『日傘のお兄さん』
    ニートでロリコンでも、豊島ミホが描いたお兄さんには惹かれるものがある。

    単行本からだいぶ手を加えたそうなので、単行本の方も読みたくなる。

  • 分かりやすい、本当に今の若い女子が使うような言葉で書かれていて読みやすかった。苦手な人もいそう。

    あわになる
    中学生の時の小っ恥ずかしさとか、新鮮なときめきみたいなのが蘇ってきて、まだこういう気持ちになれるんだ、自分!と思いながら読んだ。最後泣きそうになった。

    日傘のお兄さん
    未来のある終わり方が予想外で,嬉しかった。お兄さんの性癖が変わらなければ、この先…と思ったあたりで考えるのはやめることに。
    中身は全然違うけれど「長い散歩」という映画を思い出した。

  • 【本の内容】
    それは突然だった。

    保育園の頃、毎日遊んでくれた大好きなお兄さんが、中学生になった夏実の前に現れた。

    「追われているんだ。

    かくまってくれないか」なんとお兄さんはロリコン男としてネット上でマークされていて!?

    こうして、夏実とお兄さんのちょっとキケンな逃避行が始まった―。

    可愛いだけじゃない。

    女の子のむきだしの想いが胸をしめつける、まぶしく切ない四つの物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    じんわりじんわりと心が温かくなってくる。

    いわゆる少女と男の組み合わせ。

    日傘のお兄さんこと中尾宗助24歳と、なっちゃんこと中学生の夏実が手に手をとって、東京から島根へと逃避行なのだ。

    この二人、まだなっちゃんが幼児だった頃の知り合いだったが、ここ何年も音信不通状態だった。

    ところが、ある事情を抱えてお兄さんがいきなりなっちゃんの前に現れて…。

    なぜ日傘のお兄さんなのか?

    お兄さんの悲しい生い立ちが分かり、今の状況を目の当たりしたなっちゃんの行動、心の動きがなんとも純粋で胸に響く。

    そうして、なっちゃんは大きく強く成長したのだ。

    それがとても頼もしく感じる。

    いいぞ!

    なっちゃん!

    それしても、「日傘おとこ発見」なんて、二人の逃避行の様子が携帯サイトで見られることができる!

    いろんな情報を本人に聞く前に情報サイトで知ることができる!

    そんなところはイマドキだなぁと感心しながら読みました。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • せつなくて、ほろ苦くて、心に沁みます。この著者の作品はどちらかというと地味で目立たないタイプの人物が主人公で、派手な展開と言うのでもないのですが、読みたくなっちゃうんですよね。もっともっと、書いて欲しかったです。

  • 短編集。
    表題作は内容的に少し警戒していた。「ロリコンもの」と言われると、嫌悪感を覚えずに済むかなという心配もあった。
    しかし読んでみると思ったよりもからっと明るく、変に陰鬱な気分にならずに読み終えた。ここまではっきりきっぱりした態度だと却って潔い気分になるもんだ。
    ただ、このお兄さんは「真性」だと思うので、今後については難しい部分もあるんじゃないかな。
    まあそんな心配は明るく前向きなラストの前では野暮というものかもしれないけど。

  • 日傘のお兄さんがとてもよかった。なんとなくお兄さんの気持ちもわかる気がするが、中学生が非日常に惹きこまれていく様子も良かった。

  • 豊島ミホさんらしい瑞々しい4篇の短篇集。
    表現の巧さというよりも、ストレートな感情が独特で、主人公のせつない想いや心の揺れ加減がしんみりと伝わってくる。
    お気に入りは、「あわになる」。玲奈さんが最高にいい女性すぎる。

  • 『日傘のお兄さん』を含む四編の短編集。
    インパクト的には ロリコンと中学生の逃走劇の話。

    『日傘のお兄さん』が一番強いけど、
    わたしには女の子が幽霊になる話の『あわになる』が一番印象的だった。

    豊島ミホ初期の作品で
    単行本と文庫でかなり内容が違うみたいなので単行本もみてみたい。
    豊島ミホの本のなかではかなり好きな作品です。

    共感出来ちゃうのがいいのかわるいのか…ですが

    『私には悔いなんてなかったのです。私はいつもからっぽで、それを悟られまいとして、ぐるぐる働きまわっていたのです。』
    『泣かないでよ、私に同情して泣かないでよ。もともと生きていたくなんかなかったの。』

  • 「あわになる」「日傘のお兄さん」「すこやかだから」「ハローラジオスター」の4つの短編。個人的には「あわになる」と「日傘のお兄さん」が好き。「あわになる」は泣いたし、「日傘のお兄さん」は長い物語にもかかわらず、あっという間に読み終えてしまった。前回の『青空チェリー』同様、設定自体に幼い感じがあったけれど、中学生高校生には読みやすくていいかもしれない。

  • ☆「すこやかだから」

  • 短編集。

    表題作については変態チックな病弱お兄さん萌えの人にはたまらないと思います。
    個人的には最後のお話が好きでした。

  • 短編集。みずみずしい作風なので、読んでいて楽しかった。
    ハローラジオスターが、就活している身として、少し影響を受けた。サークルとかに入って楽しそうにしてるまわりの大学生も、みんなこういう風に思うものなのかな?と思うと、少し救われる。

  • 何を以て異常とか変態と定義するのかわからないけど、一般的に「ロリコン」とされるお兄さんに、それでも惹かれる主人公…

    お兄さんが透明感のある華奢な男(イメージ BUMPの藤くん)じゃなくて、メタボなヲタクなら主人公が慕うこともないかもな…

    個人的には「ハローラジオスター」が一番好き。

  • 表題作の「日傘のお兄さん」がとてもよいお話だった。
    子どものころ自分と遊んでくれたお兄さんと再会。彼は実はお兄さんと呼べるような立派な人じゃないと主人公が気づく話。
    それと同時に自分はもっと人にぶつかっていかなきゃって気づく話。
    清々しいラストなんだけど、お兄さんはニートのままだろうなあ。

    他の作品では「あわになる」が好き。
    幽霊になった若い女性が中学のときに好きだった子の家庭を覗くという話。
    女性のことを知っている奥さんの気持ちってどうなんだろうね。

  • 表題作がストライクゾーンど真ん中だった。
    自分がどうしようもないときに、掬い上げてくれるひとが世間ではよろしくないような趣味を抱えているひとだった。それでもわたしは構わないと思うなあ。他人に理解されないけれど、わたしにはこのひとが必要だった、ただそれだけの事実があればよい。それはたぶん青臭い考え方で、こんな歳でこんなこというのもアレだけど、でも素直にそう思えるんだよなあ。ほんとにお兄さん、いろんな意味で素敵だった。「焼き尽きたかった」なんていわれると、どうしようもなくなる。ひりひりとした痛みが、自分の奥にあるせつなさとかいとおしさとかをごっちゃ混ぜにして晒しあげるみたいな。いや、ほんとに、よかったこれ。
    他の3編も青臭い感じがしてよかった。けどやっぱり表題作がたまらなくすきだなあ。これは何度も読みつづけると思う。

    (294P)

  • やっぱり表題の「日傘のお兄さん」が一番良かった。危ういのに爽やかな終わり方で、不思議な読後感。

  • ハローラジオスターがお気に入り。大学生のいい加減さとその思考回路、でてくるアイコン、本当にそのままだ。自分のしたいこと、とかいうテーマがストレートなのに静かに描かれてるとこが豊島さんの好きな理由のひとつです。

  • 陽の子雨の子と同じ印象。
    豊島ミホが書くと
    犯罪紛いの事でも
    凄く美しく感じます。

  • 表題作の日傘のお兄さんがとても好き。内容的には非現実かもしれないけど、自分だけのヒーローっているものだよねって共感できた。

  • あとがきで作者自身も書いている通り、ファンタジーだったり、ちょっと笑えたり、思いっきりチャラかったりで、いろいろ振れ幅が大きすぎる「ヘンな」短編集。特に表題作は、現代でファンタジーでもないのになーんか変w 登場人物もみんな変。設定だけだとよくありそうなのに、読んでいくとあんまり聞いたことない話というか。でもそれが良くもあり悪くもあり…かな。楽しく読めたけど、そういう「変さ」を活かしきれてない印象を受けてしまった。

  • 限りなくアブノーマルだけど水際で食い止めるお兄さんのせつなさ。中学女子ゆえのまっすぐすぎる感情のせつなさ。二人の気持ちにぐっときました。

  • そう、普通に取れば変なお話。

    でもなんでだろうな~
    読んでたら羨ましく思ってしまう。

    出てくる人たちは皆

    青いけど情熱的。
    不器用できれい。

  • 短編集。

    なんか、どれも独特の雰囲気の本だった。

    でも、どれも嫌いじゃない。


    特に、日傘のお兄さんはよかった。
    すっきりした読み味。

    豊島さん自身、高校生の時に家出?逃避?したことあるから、それももとになってるのかなー思った。

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