本にだって雄と雌があります (新潮文庫)

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著者 : 小田雅久仁
  • 新潮社 (2015年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101200217

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本にだって雄と雌があります (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読み始め…17.8.27
    読み終わり…17.8.28

    本にだって実は雄と雌とがあって
    互いに巡り合えば自ずと子孫(本)が増えていく...。

    「私」と称して語る土井博は子供の頃、本好きだった祖父・與次郎と
    奇妙な現象を見る魔訶不思議体験をするのですが
    この與次郎おじいさんというのが一風変わったお人柄の持ち主で
    個性的というかユニークというか.....
    関西人の気風のよさで、屁理屈をまことしやかに並べ立てては大法螺を吹く。
    どこまでが本当で、どこからが冗談かなんてお構いなしです。
    おまけに寄り添う妻・ミキは、亭主・與次郎の法螺話には目がないほど
    顔をぺしゃんこにして笑ってくれるというのですから
    なんとも微笑ましく仲睦まじいご夫婦です。

    ひろぼん(私と語る土井博)にとっては子供ながらにちょっと怖かったけれど
    大好きな與次郎おじいさんとの摩訶不思議体験は、子供の頃の心に残る
    いちばんの出来事だったに違いありません。
    その與次郎おじいさんが亡くなったときひろぼんは
    "これにはまだ続きがある。次から次へと生まれては死に
    誰もが誰かの続きを生きる。與次郎が誰かの続きを生きたように
    私の人生もその続きを生きるのだ..."と感じたのだそう。

    だからなのですね。博は生まれたばかりの我が息子・恵太郎に
    うちの家族はこんな家族なんだよ..と、恵太郎にとっては亡き曽祖父であり
    博の大好きな祖父・與次郎の事をいちばんに語って聞かせ
    一族の他の面々についても順に語ることで、次の世代にも続いていくように
    その途中の役割を果たそうとしていたのだと思います。
    待望の我が子誕生の喜びに、赤ん坊に添い寝して目じりを下げて
    頬を緩ませ、精一杯の愛情で面白おかしくあやそうとする
    でれでれの父親の図が思い浮かぶようでした。
    おかけで傍で聞かされて(読まされて)いる我々には、
    お話を面白おかしくせんばかりと語る父親の冗談とジョークが
    少々耳についてしまうのですが...。
    なのでお付き合いする(読み切る)には少しばかり辛抱がいります。(笑)

    時代背景やお話の筋には
    古めかしさが感じられたので、いつ頃のことになるのだろうかと
    探ってみましたら、ここに登場している博さんと著者さんの生まれ年が同じでした。
    ということは....と自分と重ねてみると、そんなに昔じゃないのね。(笑)
    著者さんはご自身と博さんを重ねて描かれたのでしょうか....
    カバーに描かれているイラストもファンタジックなお話と重なっていて楽しいです。

  • 本にだって雄と雌があって、人の目のないところでアレコレをするそうな。そうすると、空飛ぶ本が産まれるんだって!

    雄本と雌本がアレコレして産まれた幻書を蒐集する一族のお話。選ばれた人のみが死後もはるか南のボルネオにあるというラディナヘラ幻想図書館で、羽の生えた6本足の白象に乗り司書をするとな。

    軽快な調子の関西弁で語られており、文章が面白いです。ギャグというか漫才というか、下ネタというか…お腹いっぱいになりつつも、ラディナヘラ幻想図書館や幻書の設定を生み出す作者の想像力は凄い。本がまるで生き物みたいで、夜中に動いたり、飛んだりしてたら面白いだろうなぁ。登場人物も魅力的。

    サルトルの『嘔吐・壁』とエンデの『はてしない物語』からできた幻書が『はてしなく壁に嘔吐する物語』(←!!)うわー…。

    物語も終盤近く、航空機墜落事故の時、隣に乗り合わせた幼い姉弟を司書の力で助けた時に與次郎(つまり與次郎最期の時)が話したこと。
    「人間はな、死ぬとみんな一冊の本になって、遠くへ飛んでいくんやで」
    私自身が祖父に自伝を書いてほしいとせがみ、書いてもらった後で最期を看取ったことを思い出して、涙した。実家に帰ったとき、おじいちゃんの手記を読もう。

  • 面白かった!

    最初のほうは数ページごとに声を出して笑い、終盤のあるところではぐっと胸がつまり泣きそうになった。
    教訓とか何もない。読書とは、楽しいことがすべてではないか? この小説には、先を読み進める楽しさがぱんばんに詰まっていて、それ以外のものまで押し込むとはじけてしまいそう。

    文庫の帯を森見氏が書かれているが、氏の作品がお好きな方にもおすすめ。

  • 前半は読んでいてあまりにも退屈な、登場人物の家族の内輪ネタとでも言うべき話を中心として展開される。他人の家のことなんか知らんがな、と、読むのは途中でやめようかとおもったが、最後まで読み通して良かった。中盤、與次郎の死、兵隊時代の話あたりから、物語は大きく動き出し、壮大かつドラマティックかつファンタジックな色合いに満ちた人生譚に心を掴まれた。
    読書の良さのひとつとして、虚構の世界にどっぷりと肩まで浸かる面白さがあると思うが、この本の中後半以降はその面白さに溢れており、きっとファンタジー小説好きの期待に応えてくれるものであろうと思われる。
    前半戦さえ耐え抜けば面白い。

  • 壮大なファンタジー!
    最初は、読みにくくかつとっつきにくい、クドイ関西弁の語り口調もだんだん慣れてきて、読み終える頃には、
    もう終わってしまうのか、と名残惜しい気持ちにさせられる。

    圧倒的な描写力で、目の前に様々なシーンが流れていく、とても素敵なお話だった。

    ファンタジーなのに、戦争の残酷さ、けして繰り返されてはならない事故のこと、戦前戦後の日本に起こったこと、その深い悲しみと虚無感を感じずにはいられなかった。

    人は亡くなるとどこに行って何をしているんだろう、って誰もがきっと一度は考えて悩むことに、
    素敵な答えを返してくれる、心が温かくなる素敵な作品。

  • 本当~~~に読みにくかったです。

    とにかく色々回りくどくて読み難い。
    登場人物も多く、しかも時代があちこち前後するのでややこしい。
    でも手に取った方は、諦めずに読んで欲しいです。
    最後には感動が待ってますから!!(笑)

    大阪弁のノリツッコミに、シモネタ、オヤジギャグが満載で、
    どこの法螺話かと言いたくなる話なんですが、
    実はめちゃくちゃ壮大な物語なんですよ。
    単なるファンタジーではなく、
    戦争や事故を絡め人の生き死にや暗い内面なども描かれてきます。

    途中、こんな壮大すぎな話どうやって終るんだ!!って、思いましたが、
    エンディングもまぁ見事!!
    感動しました。

    もう1回言いますよ~。
    諦めずに読んで下さい。
    本当に素敵ないい本です(笑)

  • 仰天!
    なんですかこの素敵なお話は!
    本が増える謎とかいう不思議なわくわくする気持ちも、與次郎さんとミキさんのほんわり幸せな気持ちも、死後の世界とか、未来を知る知らないとか哲学的な問いも、ぜーんぶ。
    幻書を手に入れてしまってると気づいた時の衝撃!笑
    物語を読む幸せここに極まれり。
    2016年しょっぱなからヒットが出ました。

  • 2012年に刊行された本の文庫化。よく知らない著者なのだが、『増大派に告ぐ』に2009年の日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューしたとのこと。
    リズムの良い文章と語彙のセンスが非常に面白い。人情話のような盛り上がりもあり、純粋に『楽しい』本だった。
    うちにも幻書が出てこないものだろうかw ロクなもんが生まれないとは思うがw

  • 多くのレビューにある様に、わたしもタイトルに惹かれて読みました。

    何となく井上ひさしさんを思わせる感じで好感が持てましたが、タイトルから想起される内容とだいぶズレがあったのでその点が残念。

    もっと徹底的に本の雄と雌を突き詰めて書いたら面白くなる気がするんだが・・・まぁ、深井家のクロニクルもそれなりに面白くはあるのですが。

    ファンタジーに分類される作品だと思うので、楽しく読めればいいのでしょうが、個人的にはリーダビリティは今ひとつでした。

  • 図書館で。前にブクログで見かけて面白そうなタイトルだな、と思い借りてみました。
    面白くない訳では無いんですがとにかく長い。そして話がポコポコと飛ぶので時系列を考えるのとコイツ誰だったけ?と考えるのが面倒くさい。自分の祖父の話を孫がさらにその子供に対して語るという様式なのでその辺りを意識しているんでしょうが… 途中でダレました。

    森見さんみたいな文章で結構最初は面白いかなぁと思ったんですがあまりに繰り返されるとくどくなるというか… 登場人物がほぼ全員関西弁をしゃべるのでなんとなくうるさく感じるというか。(これは差別?偏見?)個人的にはヨジロウ爺さんよりもクシャミさんの方がなんとなく好意的に見てしまうんですがそれは関東人のひいき目という所なのか?

    もっと簡潔に、ヨジロウ祖父さんのお話だけで完結してくれた方が読みやすかったかなぁって思いました。ヨジロウさんと幻書と彼の体験談、ぐらいならこの2/3ぐらいで収まったのではなかろうかと。クシャミのご先祖様とかヨジロウさんの祖父母・父も子供もガッツリカットで大丈夫だと思うんですけどね… おかげで一番面白いであろうヨジロウさんの体験談というか戦時中の話や航空機事故の辺りにたどり着くまでに飽きてしまいましたよ…

  • これは…なんと言ったらいいのだろう。
    たぶんタイトルを見てなんらかの物語を想像したとしても、多分違っています。
    本に雄と雌があって、増殖していく話ではあるけれど、それがメインじゃないんだな。

    語り手の祖父・與次郎が繰り広げる怒涛の大阪弁。
    嘘か真かやっぱりデタラメか!?

    最後まで読めば、本好きの人だったらうっとりするか涙をこぼすかはわからないけど、きっと心を動かされるはず。
    でもだけど、前半部分が冗漫なのが、もう辛い。

    必要なのはわかる。
    後半の感動の種は、ダジャレと駄法螺と繰り返しの中にしっかりと埋め込まれているのだから。
    でも、辛いんだなあ、読んでいて。
    次回はぜひ、テンポとリズムの良い文章をお願いします。
    ボケの連続でツッコミがないと、脳内で私がツッコんでいかないといけないので疲れるのよ。

    “「申し遅れました。プロペラさんこと亀山金吾の悪友、深井與次郎と申します」
     「深いよ、次郎?」
     「浅いよ、太郎。いや、そこで切るんやないんです」”
    ほら、合いの手があった方が読みやすい。

    “本いうんはな、読めば読むほど知らんことが増えていくんや。どいつもこいつもおのれの脳味噌を肥やそう思て知識を喰らうんやろうけど、ほんまは書物のほうが人間の脳味噌を喰らうんや。いや、脳味噌だけやないで、魂ごと喰らうんや。”

    本好き、読書好きなら「わからうわかる」とうなづくエピソード満載のこの本は、実は夫婦の愛の物語であり、一族の謎(もしかしたら本によって仕掛けられた呪い?)に充ちた歴史なのだ。
    散々文句も書いたけれど、私は面白く読みました。

    “たった一行の文章を書くのでも、たった一つの言葉を選ぶのでも、それを裏から支えるなんらかの精神がなければならない。いっさいの言葉はなんらかの形で書き記す者の精神に根を張っていなければならない。それを積み重ねて、ようやく一冊の本ができあがるのだ。”

    ところで我が家の本は雄も雌もなくて、無性生殖をしているらしい。
    だって同じ本がいつの間にか家のあっちとこっちにあったりするもの。
    たぶん細胞分裂で増えているんだね。
    そんなことがこの本によって科学的に証明されて、よかったよかった。

  • タイトルに惹かれた。後半からおもしろくなった。

  • さすが増大派。

  • 本と本との間に生まれた幻書という奇想。
    そして、ボルネオにあるという、世界中で生まれる幻書を収蔵するラディナヘラ幻想図書館のスケールの大きさ。
    ぬらりくらりとした文体に、繰り出される軽口。
    なのに、圧倒されてしまった。
    圧倒的なパワーを感じた。

    本には雄と雌がある。
    迂闊に本の並びを変えると、本の間に子どもが生まれてしまうー。
    この本のページを繰りながら、いやいや、実はページにも雄と雌があって、知らないうちに増殖してるんじゃないか、とさえ思った。
    約四百五十ページ。
    読んでも読んでも、減らない残りページ。
    決して読みやすいとは言えない。

    生涯を幻書を収集した深井與次郎は、戦時中、瀕死の状態でボルネオのジャングルを彷徨ううち、死後永遠に幻想図書館の司書として働く契約をする。
    孫である主人公にして、この作品という手記の筆者でもある土井博は、祖父の日記を読む中で、與次郎を中心とした深井一族と書物との因縁の歴史を追いかけていく。
    そして、與次郎の終生のライバル、鶴山釈苦利に差し出された幻書は、この世にはまだ存在しない、未来の息子の書いた自伝だったー。

    この奇想天外な本のあらすじなんて書いても意味はないと思うけど、そんなところだろうか。

    「生と死が尾を喰らいあう豊饒かつ過酷極まりないボルネオ島の鬱蒼とした密林」の奥に聳える高山の頂から、真白い塔を天空に突き出すラツィナヘラ幻想図書館。
    そこへ、昔は失読症で、夫に先立たれた後、突然夫の残した書物をむさぼり読むようになった妻、幹を伴い、六本足で翼のある白象に跨って飛び去っていく與次郎に、怪しげだけど、神々しいものを感じずにはいられない。

    本は人間であり、世界である。
    究極の本への愛を描いた、本当に奇妙な奇妙な作品。

  • 突飛なタイトルと翼の生えた象が描かれたジャケット、さらには「森見登美彦氏も驚いた!」という帯の文句に惹かれて購入。

    語り手は土井博なる人物。彼が息子の恵太郎に聞かせるのは、博の祖父(恵太郎の曾祖父)である與次郎の話。博は小学生のときに與次郎が暮らす深井家に預けられる。本の蒐集が趣味である與次郎の屋敷はどこもかしこも本だらけ。そして與次郎が定めた掟は、「書物の位置を変えるべからず」。博がついその掟を破って本を適当な場所に返したところ、翌朝信じられない光景を目にする。

    人間と同じく、本にだって♂と♀がいる。相性の良い本がたまたま隣り合った場合は子どもまで生まれて飛び回るという、なんとも楽しい物語です。高村光太郎と宮沢賢治の本から子どもが生まれたら、どんなタイトルの本になると思います?(笑)

    とにかく楽しい設定ではあるのですが、相当回りくどくて読みづらい。森見登美彦が作家のなかでいちばん好きかもしれないぐらい好きな私ですが、森見登美彦だって決して読みやすい文体とは言えません。それ以上に読みにくいので、評価は真っ二つに分かれるかと思われます。森見登美彦が苦手だ嫌いだという人には絶対に向きませんのでくれぐれもご注意を。

    回りくどくも時折ふきだしてしまった表現がいくつか。「やればできる子やと言われて育ったら、オエッと言わずに“のどちんこ”を触れるようになる」とか、「NHKのアナウンサーみたい」だとか「乃木大将の廉価版みたい」だとかいう言い回しにクスッ。

    私は森見登美彦のほうが圧倒的に好きですが、本と旅をした気分になったことは確か。本は心の薬です。

  • 前半を読んでいる間なんだかつらくて、最後まで読めるかな?と思いながら読んだ。後半は、家族愛や少しファンタジーも入っていて感動した。

  • 本にだって雄と雌があって、幻書が生まれてくる。
    隣り合った本同士の子?なのでなんだか混ざり合ったものが生まれる。大抵はどうしようもない本だったりするけど、たまに意味深な本も生まれる。
    生まれ方は偶然で、かけあわせようと思ってできるものじゃない。

    もっと本の生態的なものかと思いましたが、違うかった。本が好きすぎる家庭のお話し。
    足が6本あって羽が生えてる真っ白な像が良いね。名前忘れたけど。
    漫画なら家にいっぱいあるから、何か生まれんかなあと思うけど、ジャンル分けして巻数順に並べてるうちは何もないか‥

  • 森見登美彦氏も驚いた!
    「一体なんだこれは」とお思いか。
    これが傑作というものです。

  • 最高に面白かった!
    感想はもう少し練り直したい。

  • 本は人で、人は本。

    物語を読むことの楽しさを存分に楽しめた。本が増殖するという、本好きあるあるから始まり、生きているような本に、人間が本になるという驚きもあり、そして夢のような図書館まで出てきて、本好きのためのお話。

    語り手の土井博が、祖父・與次郎の人生を息子・恵太郎に語るように記す。これが『本にだって雄と雌があります』という本(この本?)である。與次郎は、本と本の間に生まれる幻書を集めていた。與次郎のライバル・鶴山釈苦利との因縁は、博にも続く。與次郎の妻であり画家の幹の話、幻書を集めだした與次郎の祖父・仙吉の話、『黒川宏右衛門伝』等を記した作家崩れの與次郎の父・正太郎の話などが、時代も順番もばらばらに語られる。中盤の盛り上がりは與次郎の残した『No.19.5』これは戦時中の日記であり、與次郎がボルネオで体験した不思議かつ重大な出来事の記録である。ここがクライマックスかと思いきや、最後に衝撃の展開が残っていた、恵太郎の話。脈々と続く、深井家の話。

    死後もずっとずっと世界中の本を読み続けられたら、なんて夢の世界。しかし、それは同時に永遠の苦行。幻想図書館の司書になれる機会があったとして、わたしはそれを選ぶだろうか。いいや、呼ばれたなら行ってしまう。おそらく。では、幻書を手に入れたとして、それに自分や世界の未来が記されていると知って、それを読むだろうか。ダメと言われれば読みたくなるけれど、とても怖い。しかしパラっと読んでしまいそう。そして、びくびくしている間に幻書が飛んでいってしまいそうだ。

    物語の主人公は自分の人生を生きている。わたしも自分の人生を生きている。わたしの人生がもしかしたらそのうえの世界の誰かが読んでいる本だったら。わくわくするような、怖いような、世界を見てしまった。

  • なかなかの快作。ユーモアたっぷり冗長成分たっぷりで、おおまわりにうねっていくのはアフリカの大きくうねる川のようで、三日月湖もそこにはあるのだろう。
    ティムの「本当の戦争の話をしよう」を裏返して作った語られるはずのなかった物語についてのお話なのだ。あれも息苦しい密林と隣り合わせだった。どちらも銃弾の印象は薄い。そういうところに作家の興味はないのだ。それはありふれているから。
    これは愛の話でもないのだ。雄と雌がいるというのはただそういうことなのだ。それはありふれているから大事に大事にしまいこまれているのだ。

  • インテリジェンスなユーモアたっぷり。
    他の方もおっしゃっているように、戦争のところと、與太郎と幹の話が好き。
    「おじりさん」のところが一番吹きました。

  • タイトルからして気になっていた本。
    帯に森見さんの言葉があり、読んでみると少し言葉のチョイスが似ている。

    テンポの良い会話文は読みやすく、地の文や手紙(または書籍)の引用部分はちょっと引っかかったりしながらも、読み終えるのが少しさみしくなるようであった。

    とくに、しゃっくりとミキ、與次郎の会話は楽しかった。
    思わずふきだしてしまう、漫才のような掛け合いが素晴らしい。

    だが、戦争に関する部分は生々しく、胸が苦しかった。
    それが良いスパイスになっているのだろう。

    すごく生々しい所と、バカバカしく思うほどのファンタジーさ。
    本の並べ方にはとくにこだわりのない私だが、四畳半神話大系など、森見さんの本の隣に置いておきたくなった。

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