最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201238

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最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 8人の作家が紡ぐそれぞれの物語は異なる味わいで享受できますが、胸キュンのツボに入ったのは乃南アサさんの「キープ」。
    ローテンション人生だった主人公の奇跡。アラスカの氷が一気に南国アイランドにたどり着いて、ココナッツを結実しそうな勢いの恋心が手に取るように伝わります。そして、角田光代さんの「おかえりなさい」は夫婦の別れを描いていますが、日が西に傾く頃の一瞬の美しさを目に焼き付けようとしたくなる心情に。
    ラストラブって初恋と違った切なさ、ノスタルジーを感じさせてくれますが、1つ分かったのは恋心が終わったという定義だけではないということ。最後が永遠という意味に限りなく近いということも分かりました。

  • 手に取ったのはMEN'Sを読んだので女性編も、という安直な理由。
    個人的には女性作家の恋愛小説は苦手な部類に入るものが多いのだが
    このアンソロジーは期待以上に当たりが多かった。

    春太の毎日(三浦しをん)
    『きみはポラリス』にも収録されてるから読んでるはずなのに全く記憶にない(爆)。
    春太が何者なのか途中で気がついたという。
    読み終わってからSEX MACHINEGUNSの『犬の生活』が脳内リピ(笑)。
    改めて歌詞を読むとまるっきり内容がリンクしている。

    ヒトリシズカ(谷村志穂)
    よく考えてみたらこの方の小説は読んだことがなかった。
    文体の印象は『結婚しないかもしれない症候群』の頃と変わらないかな。
    この話のからくりも途中から薄々わかってきた感じ。
    女性作家の書く恋愛小説としては王道な気がする。

    海辺食堂の姉妹(阿川佐和子)
    当たりのうちのひとつ。
    昔ばなしか民話かっていう感じの語り口なのにも拘らず
    登場する姉妹のキャラと役割がイマドキだというギャップが面白かった。

    スケジュール(沢村凛)
    初めて読んだ作家さん。
    この中ではいちばんテーマに沿った話だと思う。
    淡々と話が進む中で、主人公が見せる『最後の』恋へのこだわりと
    人生のスケジュールを遵守することに対する執念がなんとなく怖かった。

    LAST LOVE(柴田よしき)
    終盤に差し掛かるところまでは、いちばん苦手なタイプの話だと思ってたのだが
    残り3ページほどの婚約者と猫のくだりで、印象が当たりへとひっくり返った。
    『このひとでいい。このひとが、いい。』という1文が印象的。

    わたしは鏡(松尾由美)
    この方も初めて読む作家さん。
    ミステリ寄りと見せかけて、謎解きがちゃんと恋愛小説に機能しているのがすごい。
    個人的な感想だが、この話の読後感がいちばん切なかった。

    キープ(乃南アサ)
    『スケジュール』や『LAST LOVE』と雰囲気が似ている。
    違うのはどんでん返し感が薄いところ。

    おかえりなさい(角田光代)
    離婚届を出す寸前というリアルさと、老婆との遣り取りの実感のなさ。
    ふたつが絡み合って醸し出される空気感がとても不思議な話だった。

  • 「春太の毎日」は春太がかわいかった!麻子に向けるまなざしの優しくてあたたかいことといったら・・・!最後の春太の独白(?)が切なかったけど、とても優しい気持ちになれるお話でした。

    「ヒトリシズカ」は悲しかったです。悲しい中に切なさと狂気とが混じっている感じがしました。こんな最後の恋は辛すぎる・・・。

    「海辺食堂の姉妹」、おもしろかったです。妹が倒れたことによって、明かされる妹の性質。面白い姉妹です。姉さんよかったね!

    「スケジュール」はナウシカの件とアイデンティティの件がおもしろいなと思いました。そして、まさかのラスト。自分の中のルールは都合よく臨機応変に変えるもんですよね(笑)

    「LAST LOVE」はタイトル通りこの作品集のテーマと一番直結してました。最後に高橋が猫を持ってやってきたところから、とてもきゅんきゅんしてました!

    何気に一番この作品集のなかで好きだったのは「わたしは鏡」でした。
    作中作の「わたしは鏡」とリンクしている「わたし」の最後の恋。最後のいずみの告白はどきどきしたし、とても潔くて切なかったです。「田村いずみではない別の誰か」が幸せな人生を歩めますように。
    謎解き風のお話の進み方もおもしろかったです。

    「おかえりなさい」は独白っぽい感じで少し不気味なお話を聞いている感じでした。ぎらぎらした夏、ゆらゆらした大学生の夏休みという気だるい感じと、暗く冷えた老婆の部屋がすごくリアルに想像できました。不思議な夏のエピソードのようで、宗教などが出てきてなんだか現実的なお話でした。

    さまざまな「最後の恋」のとらえ方があって、このシリーズおもしろいです。

  • 松尾由美さん「わたしは鏡」が良かった。

    ・春太の毎日/三浦しをん
    犬の春太が語り手。
    好きな相手を残して死んでしまうと悟っており、それでも飼い主の幸せを祈る春太の想いが切々と伝わってきて良かった。

    ・ヒトリシズカ/谷村志穂
    山が好きで、山で命を落とした恋人のことが忘れられない女性の切ない行動が描かれている。
    愛する人の死をわかっている半面、妄想の中で生きる恋人にすがらずにいられない。

    ・渡辺食堂の姉妹/阿川佐和子
    陽気で接客を担当する姉と、暗くて調理担当の妹。
    父母から引き継いで以降、姉妹二人で経営してきた海辺の食堂。
    姉は妹の身を案じ、親代わりに嫁がせよう、みたいな気持ちも入ってか、妹を受け入れてくれる男性を探していた。
    しかし両親の死に気を落とした妹が寝込んだ事で、妹の意外な一面が明らかになる。
    実は妹は自ら男性と関り、何人も恋人のような存在がいた。奥手だったのは姉の方だった。
    実はちょっぴり妹を見下していたことにも気づかされる。
    立場がくるんと逆転するところが鮮やか。

    ・スケジュール/沢村凜
    何子ごとも計画通りに進められることが唯一の取り柄である主人公・天音。
    25歳までに結婚しようと思い、相手も見つけ、交際してきたが、一瞬で落ちる恋だけはそうもいかなかった。

    ・LAST LOVE/柴田よしき
    「最後の恋をしたいから君と別れる」という言葉を残して主人公を振った男。
    主人公は「最後から二番目、ブービー賞の恋だったのか」という想いに支配される。
    吹っ切れないまま条件だけで見合いをし、結婚を決めるが、実はその相手こそが運命の人だったことに気づく。

    ・わたしは鏡/松尾由美
    文芸サークルで同人誌の編集長になってしまった主人公の女子大生・比呂。
    そこへ、署名のない謎の原稿が現れる。美容室のちっぽけなサブ鏡を主役にした小説が書かれていたが、比呂は恋の暗示であると予想する。
    そこで、誰から誰への思いなのかを探り始める。
    「女性」として最後の「女性への恋」。

    ・キープ/乃南アサ
    十五歳の頃の失恋を引きずったまま大人になり、一度は結婚したがすぐに破たんし、仕事に生きる女性が主人公。
    落ち着いたバーでキープしたボトルを楽しむのが息抜き。
    出世して上司や部下との板挟みになるキャリア女性の感情が良く描かれていました。

    ・おかえりなさい/角田光代
    主人公の男性は、貧乏していた学生時代、宗教のパンフレットを配るというバイトをしていた。
    そこである老女と出逢う。老女は主人公のことを亡くなった伴侶だと思い込み、ごちそうを出してくれる。パンフレットも貰ってくれるので最初はいいカモの扱いだったが、だんだん情が移っていく。

  • 三浦しをんさんの「春太の毎日」は既読でしたが、それ以外は全部初めて読みました。
    阿川さんの小説は初めて読んだけど、面白かった。
    こういう出会いがあるからアンソロジーはいいなと思える。
    あとは「ヒトリシズカ」と「LAST LOVE」が好き。
    LAST LOVEの「いとしのエリー」を聞きながらメールを打ったというくだりで笑え、最後のネコのオチでほろりときました。

  • 題名通り色々な恋のお話です。
    松尾由美
    乃南アサさんのお話が個人的に好きでした。
    最後に悲しいお話は読みたいときだけでいいかなと思うので
    好きな作家さんを探すために読むのがいいかなぁと思います。

  • 母親に「軽く読み流すのにええで」と手渡され、たまたま手元に読む本がなかったので、翌日の通勤から開いて見た。
    恋愛物は超苦手(BLは除く・・・)なので、全然期待してなかったのに、どの作品も、何故か少し泣きそうになった。

    私にも、そんな感性があったのかと驚愕。

    阿川氏、角田氏、松尾氏、谷村氏は、初読み。
    他の作品読んでも面白いんかな?
    このテーマが良かっただけなのだろうか・・・

    それにしても、春太は何度読んでも可愛い。

  • どれかひとつでも、思いっきり感情移入できる話があるんじゃないだろうか。

    最後の恋というと、それが叶わなかったら、もう次はいらないというように自分に呪いをかけてしまう可能性だってある。
    だから、最後という言葉は軽々しく使えないと思う。

    しかし、この短編集では、初恋が最後の恋になるとかそういった単純な話ではなくて、それぞれが何らかの傷やつらさを抱えていて、でも現状を受け入れていく様子が描かれている。
    人の幸せを祝いたいけどそんなにいい人になれないとか、いろんな気持ちがつまっている。

    「ラストじゃなくてベスト」がすごく心に響いた。
    そのときそのときで、まっすぐ好きになれることが、素敵なんだと思う。

  • アンソロジーは、自分が読んだことの無い作家に出会えるきっかけになるからいいね。
    本作を読んで、柴田よしきさんという作家が、気になりました。

    「最後の恋―つまり、自分史上最高の恋」
    なんて大層なタイトルがついているけど、ドラマチックな話ばかりが収録されているわけじゃない。
    そこが共感出来ました。
    女性ならではの視点と感性を生かした作品が多くて、興味深かったなぁ。

    久々に読書でホッコリした(^^)

  • えーん(T_T)
    三浦しをんさんの作品は『きみはポラリス』とかぶってるよー。
    次からもくじ見なきゃ

  • 軽い感じでサラサラと読める。

    一つ一つのお話には、山と谷があって面白い。

    電車の中で、今日あった嫌なことを忘れて、何か重くない本を読んで頭をリフレッシュしたい時に読む一冊。

    恋愛小説が好きなことが前提条件ですが。

  • タイトルからして、相当ハッピーな短編集だと思ってました。

    半分くらい違いましたね、なんか。まぁ、「最後の」ってところではいいのかもしれませんが。

    「わたしは鏡」がいちばんよかったかなぁ。

  • これはなかなか良質な短編集だ。「八日目の蝉」、「対岸の彼女」の角田光代「おかえりなさい」は傑作。個人的には乃南アサの「キープ」、谷村志穂の「ヒトリシズカ」は少し震えた。女という生き物は、男よりも言葉にならないものを大切に生きていて、それらを時々綺麗事にしたり、ロマンチックにしたり、センチメンタルにしたり、嘘にしたり。言ってしまえば、女はみんな作家なのだなあと。少し思った。

  • ある人が、この中の「LAST LOVE」が良いっと言っていたので。 
    まずは、「LAST LOVE」の感想。 
    恋愛と結婚は別物?「大好きな彼氏」と「旦那様」は違うもの? 
    このひとが、いい。今まででいちばん好き。そう思えるひとが旦那様になれば、最後の恋がベストの恋になるんだよね。 

    他も味わってみよう。
    2010年12月17日 22:59

  • 【最後の恋】
    絶対読んじゃいけない本のような気がしたけど、読んでみた。
    中には、やっぱり読んじゃいけない本だったか、と思う話もあったけど、この中では阿川佐和子さんの「海辺食堂の姉妹」が一番好き。
    たぶん僕は“姉”のほうかな。ラストも“姉”になれたらいいけどね…。

    周りにはもう結婚して子供も居る友達が増えてきて、でも独身の友達も多くって、さ。
    でも、なんだかんだ、みんな「何か」があるもんなんだなぁって思った今日。
    高校のテスト週間を思い出したよ。
    「全然勉強してな-い」って言って、実際はめちゃやってた子。
    で、「全然勉強やれてない」って言って、ほんとにやってなかった自分。
    それと一緒だな-って。

    早生まれの戌年。つまりジャスサー世代なわけ。
    「早生まれ」って、学年でいうと遅いから、「遅生まれ」のような気がいつもしてる。
    “みんな”は30歳の誕生日の直前ってどうだったんだろう。
    なんか、いろんなことを夜空見ながらぼんやり考えてた。
    仕事とか、人との事とか、あれこれさ。ぼんやりと。
    人って変わるもんだな-って自分を思ったり、何してんだろって思ったり。

    (Dec 18th, 2011)

  • 三浦しをん『春太の毎日』★★
    谷村志穂『ヒトリシズカ』★
    阿川佐和子『海辺食堂の姉妹』★
    沢村凜『スケジュール』★★★★
    柴田よしき『LAST LOVE』★★
    松尾由美『わたしは鏡』★★★★
    乃南アサ『キープ』★★
    角田光代『おかえりなさい』★★

  • 【お風呂用はアンソロジー本】
    お風呂で読むのは短く完結型。
    お気に入りの作家をなかなか見つけられていない。
    そうなると「作家開拓」という目的のもとお風呂の時間を過ごすことができるのは新しい発見。
    内容の善し悪しよりも、作家との出会いを提供してくれたこの本に感謝。

  • 「春太の毎日」三浦しをん
    「LAST LOVE」柴田よしき
    「私は鏡」松尾由美
    「おかえりなさい」角田光代
    が、お気に入り。

  • 切ない恋、ほっこりした恋、悲しい恋、さわやかな恋、いろんな恋が詰まってた。

  • 最後の二作がよかった

  • オムニバス形式の本を読むのは、
    なんか新しい作家を開拓したくなった時です。

    これは、ちゃらちゃらした感じの恋じゃなくて、だいたいずっしりした大人のやつだったので、とても助かった。

    大どんでん返しの「ヒトリシズカ」by 谷村志穂がよかったな。なんかもう後戻りできない系の、切なくて悲しい感じが好き。

    「海辺食堂の姉妹」by 阿川佐和子 もぶっ飛んでて、異国情緒があって良かった。

    逆に、「わたしは鏡」by 松尾由美 と、「キープ」 by 乃南アサ はまどろっこしくて。。

    2016.6

  • 色々な「最後の恋」をつづったアンソロジー。全体的には読んでいて感情が激しく揺り動かされるとかそういう類いの話はあまり無く、淡々として誰でも経験をしていそうな共感を持つ恋愛話が続く。その中でも印象に残ったのは、女性は見かけによらないなという感想を持った「海辺食堂の姉妹」、結末が予想の斜め上を行き唯一「???」となった「わたしは鏡」。「ヒトリシズカ」は切ない。感想はこんなところです。

  • 阿川佐和子作の海辺食堂の姉妹が面白かった。

  • 春太の毎日は、以前他の本で読んだことがあるが、やっぱり可愛かった。犬の恋。
    ヒトリシズカは、最初そんなに惹かれなかったのに後半でジンと来た。え?ってなって、泣きそうになった。そうか…彼女は…彼を思い出にできないんだなって。
    海辺食堂の姉妹は、妹のファンキーさに驚きながらも、1人の男性への想いを温め、それが幸せだと心を温める姉の感情が沁みた。
    スケジュールは、ジューラーって私もかも!って思った(笑)そして突拍子のない恋に見舞われた主人公にほっこりした。
    LAST LOVEは、失恋した主人公に素敵な恋が現れて良かった。最後の数ページが本当に好き。
    わたしは鏡は、鏡が人間に恋をする小説?の文章がどストライク過ぎた。とっても素敵。
    キープは、気持ちは分かるが、まーまー。
    おかえりなさいは、最初いい感じかと思ったら途中から話がぶっ飛んで(笑)でも最初と最後の現在の所は切なくて好き。
    全体的にはまーまー面白かった。素敵なジンとする文章がかなりあった。

  • 8人の作家による短編集。表題通り最後の恋にまつわる色々なエピソードが描かれている。個人的には柴田よしきさんのlastloveが一番好き。
    いろんな恋や愛の形があるけど、もう恋はしないって自分で決めても人はいつかまた愛情や恋を求めてしまうものなのだと全編から感じとれた。

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最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)の作品紹介

もはや、少年少女が出会うような、初々しい恋じゃない。変わらない恋心なんてない、そんなのとっくに知っている。だけど…。大人になっても「こんなの初めて」ってあったんだ。すれ違いや別れをくり返してきた彼らだけが知る、「最初で最後」のかけがえのない瞬間たち。8人の作家が描き出す、経験してきたすべての恋を肯定したくなる珠玉のアンソロジー。最後の恋、それはつまり、自分史上最高の恋。

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