本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

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著者 : 柚木麻子
  • 新潮社 (2016年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 柚木さん、ちょっと不器用な女の子、女性を描くのがうまいなぁ、と思います。

    ダイアナ、ティアラ、彩子を中心に、彼女たちを取り巻く人たちの、点の動きが線になっていく過程がとてもおもしろい。それがきれいな話ばかりではなく、ちょっとがっかりしたり驚いたりして人間味をすごく感じるんですよねー。

  • 女の子の成長と、女性の間の友情がテーマ。
    同じ作者では『あまからカルテット』でも同様のテーマを扱っている。
    あれも見事な構想の作品ではあったし、本作でもその手法の確かさは健在だ。
    けれど、テーマがより深まっているのは本作だ。
    できるなら、十代の女の子たちに、この本を手に取ってほしいと願う。
    新しい環境に入っていく若い人たちが大勢いるこの時期だから強く思うのかもしれない。

    小学校でであった、ダイアナ(何と「大穴」!と書く)と、彩子。
    未婚のキャバクラ嬢を母に持ち、金髪に染められているダイアナと、裕福で趣味のよい両親の元、何不自由なく育てられた優等生の彩子。
    対照的な二人は、お互いの世界に憧れ、惹かれあう。

    ほんの些細な感情のもつれと、別々の中学に進学したことから、二人はあっけないほど疎遠になる。

    ダイアナの物語は父親捜しの物語。そして、「父の娘たれ」、という呪縛から解き放たれて、一時はその生き方を否定してきた母親の愛情や聡明さを発見する物語でもある。

    一方、あらゆる面で恵まれていた彩子には、大学に入ってから試練が待ち受けている。
    おぞましいものから大切に守られてきた娘は、自らの身を守る術をしらない。
    ただ娘に門限を与え、危険から遠ざけることしか知らない両親を、お門違いと分かっていても恨まざるを得ない彼女の心情は痛切だ。
    強姦サークルはしばらく前に週刊誌でも報道されていたようだけど、一部の権力を持つ男が、女をランク付けし、その上位の女を共犯関係に引きずり込みながら支配する構造に慄然とする。
    この辺りは、描写で納得させるというより、やや説明的ではあったが、それでも取り上げた意味はあると思う。
    彩子にものしかかる従順であれという呪縛。
    それを解き放つ力の根源は、二人のダイアナだった。

    やっぱり、少し出来すぎてるとは思うけど、この作品を読み終わったとき、大人になって出会い直した二人の友情が続くことを願わないではいられなかった。

  • 大穴と書いて、ダイアナちゃん。その友達の彩子ちゃん。
    小学三年生の二人、可愛かったー!
    可愛すぎー!癒されるー!って何度心の中で叫んだことか!

    そんな可愛い二人が、卒業前に絶交しちゃって、中学、高校、大学、就職とそれぞれ悩みながらも成長していく。

    自分にかけられた呪いを解くのは自分しかいない。二人ともちゃんと呪いを解いたんだね。

    読書好きな女の子にお薦めしたい本でした。

    ずーと昔に読んだ赤毛のアンをまた読んでみたくなりました。

  • 「ダイアナ」ときけば、私はやはり一番に、『赤毛のアン』に登場する、アンの親友を思い出します。
    人によっては違うかもしれません。
    某国の元皇太子妃だったり、歌手のダイアナ・ロス…とか?
    いずれも、カナダ、英国、アメリカ人。
    まさか、「大きな穴」と書いて「大穴(ダイアナ)」と読む日本人とは!
    キラキラネームにはすでに皆、心の中で苦笑いしながらも、仕方のない時の流れとして受け入れている傾向にありますが…
    いや、ダイアナだっていいんだ、ダイアナだって!
    漢字が「大穴」でなければ。

    そんな「ドキュンネーム」をつけられたシングルマザーの子(しかもキンパ)がどんな目にあうかは予想通り。
    しかし、本人は本が大好きな内向的な女の子なのだが。

    一方、「彩子」は、編集者の父と、ナチュラル系料理上手主婦の母を持ち、教養高き家で大切に育てられた女の子。
    他の本で読んだけど、今どき、娘に「子」のつく名前をつける母親は相当なモノらしい。

    この物語は、2人の女の子の、小学校3年生から22歳までの、友情と成長の物語…
    と書くとありきたりではありますが、エピソードがありきたりなようでいてありきたりではない、ありきたりな場面もあるのだけれど描写がありきたりではない…
    という、本当にすてきな、「女の子のバイブル」的な本でした。

    正反対の2人は、正反対な方向に成長し、悩み、立場を変え、大人になっていきます。
    しかし、どこかで同じ部分も持ち、共感しながら反発し、ぐるぐるねじれながら高く昇っていく。

    そう、まるで二重らせん構造のように。
    これは、『女子のDNA』の物語かもしれない。
    ダイアナと彩子、そしてその母たちの、ティアラと貴子、全ての女子なら内に持っているDNAの物語だ。


    「私にふさわしいホテル」の東十条宗典先生の名前が出てきて、ニヤリとしてしまいました。

  • 予想外な展開の一冊!

    ダイアナと彩子の、それぞれが交換したくなるような生活。
    けれど、敷かれたレールからはなかなか逸れることが出来ず、お互いに羨望の思いを抱きながら、離れてゆくことになる。

    ダイアナの進み方も、彩子の進み方も、それぞれに愛おしい所があって。
    途中に出て来るみかげちゃんまでも、なかなか素敵だなと思ったりする。

    そこに挿入される、幸田文や森茉莉、向田邦子の話も、本好き乙女な読者にとっては素敵なエッセンスになったのではないだろうか。

    今どきの女の子としては、清純!というか正に正統派な感じがしなくもないけれど、こういう友情小説はいつ読んでも、じーんとする。

  • すごく良かった。☆4.5くらい。
    冒頭から、大穴と書いてダイアナなんて名前、また変な本読んじゃったかな。。とか思ってましたが、ダイアナと彩子の10余年に渡る友情の物語でした。赤毛のアンが未読だったことが悔やまれる(子どものころ読んだかもしれないけど、それすらも覚えてない)。

    決してキラキラした思い出ばかりじゃない、音信不通の数年、そして再会。それでも本の話を始めたら、あの頃の自分たちに戻れる。思い出すのは楽しかったことばかり。ないものねだりだった自分を懐かしくすら思う。人生経験を積んで少し大人になった自分。相手も少し変わったかな。でも言葉を交わすだけでいい。あとは本さえあれば。

    学生時代の友達って、すごく特別。同窓会したくなった。みんな元気にしてるかな。あたしは(いい意味で)変われたかな。

  • 無い物ねだり、黒歴史、妬みにそねみに憧れ。全部ひっくるめて青春と呼びましょう。
    幼い頃父に、「毎日遊ぶから友達じゃない。10年ぶりでも変わらずに遊べるのが友達だよ。」と教わったことを思い出しました。

  • 境遇の違う2人の少女、大穴(ダイアナ)と彩子を主人公に物語が展開する。
    お互いがお互いを羨ましく思う描写がリアルだと思った。
    表面的な部分だけで見れば満たされているように見えても、本人の中では様々な問題に葛藤しもがき苦しんでいる。

    『赤毛のアン』のアンとダイアナの立場を逆にして描かれているのも斬新。

    読後感はとてもよかった。

  • なんていい本なんだろう。登場人物全員が愛おしい。柚木さんの作品は、キャラクター全員に共感できる部分があって、みんなを応援したくなる。そして主人公のダイアナが、本当に魅力的だなぁ。
    いままで柚木さんの「ナイルパーチ〜」など読んだ時には、後半の雑さ?というかあまりにも荒々しい感じを受け取っていて(そこが好きでもあるけど)、今作は最初から最後まで、抱きしめていたい文章だと思った。たくさんの女子たちに読んで欲しい。

  • 生まれ育った環境が正反対な女の子2人が、互いに羨望の眼差しで相手を見つめる姿が微笑ましい。

    自分の呪いを解けるのは、自分だけ。
    環境に恵まれていてもいなくても、結局自分がどう行動するか。
    自分に命令できるのは、自分だけ。
    呪いを解く呪文、辛い時には唱えてみよう。

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本屋さんのダイアナ (新潮文庫)の作品紹介

私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。

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