芥川症 (新潮文庫)

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著者 : 久坂部羊
  • 新潮社 (2016年12月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101203423

芥川症 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 芥川龍之介の作品題名を捻って、医療ミステリーに仕上げた現役医師ならではの、ブラックユーモア的な医療ミステリー。
    『藪の中』をもじった『病院の中』は、医療現場で如何にもありそうな・・・
    『芋粥』をもじった『バナナ粥』は、切実な介護問題を描きながら、最後は落語的なオチが。
    『地獄変』をもじった『極楽変』は、シュール気味で、ちょっと敬遠。
    その他4編も、それなりに楽しめた。

  • 芥川龍之介の書いたものを医療という形で色々と料理した一冊です。
    耳、他生門、クモの意図など、グロテスクなものから温かいものまでありますが、一気読みでした。
    芥川龍之介は実はパクリだらけという内容には芥川龍之介好きの私には成程と思いました。
    それ言ったら元も子ない。
    だって大概の文学は何かからパクッているぞと。
    面白い目線だと思いました。
    どの話も身近で飛躍も多少ありますが、病院って、医者ってこんな風なのかな?と思わせる一冊です。

  • 医学が進歩しているという幻影
    癌との向き合い方
    医者のストレスなど、あるであろうなぁと思わされる短編集!

    【病院の中】からは最後の最後のドンデン返しは作者の技術を感じる。

    【他生門】からは心臓移植を受けた主人公の周りの期待と自分の駄目さの中で悩んでしまう葛藤。人の力を借りて生き延びることの辛さを少しだけ感じました。

    【耳】と【極楽変】は芥川龍之介というよりは江戸川乱歩作品のような不気味さを感じさせられます。

    【蜘蛛の意図】は唯一コミカルな話で、落語のようなテンポの良さとキッチリ決めるオチが良い!

    【バナナ粥】は老人介護の現実を目の当たりにされ自分の将来の暗雲を具現化された気がします。

    【或利口の一生】からは崇高なる人間の希望と現実、医者も人間という事を思い知らされる。


    医療の話が中心に据えられ色んなテイストの話があり、読みやすい文体で送られる短編集!


    芥川龍之介の作品を読んでからの方が倍楽しめるのではないでしょうか?

  • 著者のデビュー作『廃用身』に度肝を抜かれ、その後のいずれの作品にも衝撃を受けました。いちばん最近読んだ『嗤う名医』で初めて短編を読み、その腕にも唸りました。本作はそんな著者による芥川龍之介作品のパロディ。登場順に(括弧内が芥川の元ネタ)、『病院の中』(『藪の中』)、『他生門』(『羅生門』)、『耳』(『鼻』)、『クモの意図』(『蜘蛛の糸』)、『極楽変』(『地獄変』)、『バナナ粥』(『芋粥』)、『或利口の一生』(『或阿呆の一生』)。最終話の『或利口の一生』に「パクリ」という項があり、そこに著者の本音がそのまま記されているようです。「小説というものは自分で筋を考えなければならないものだと思っていたのに、芥川の短編に『今昔物語集』に想を得たものが多いと知り、ならば芥川が『今昔物語集』からパクッた小説から、さらに自分がパクッて書いてやろうと思ったのだ」と。パクるといえば聞こえが悪いけれど、想を得たのだといえばいいんでしょと。その言葉からもわかるように、かなり人を喰ったような話で、かつグロテスク。この著者のことですから、相変わらず上手いし飽きずに最後まで読ませることは確かですが、どれもこれもバッドエンドで、パロディのわりに読後感が重い。しかも医者としての知識を存分に使っているからグロいのなんのって。同じ重さならばいつもの医療系の小説を読みたいなぁ。

  • 裏表紙に黒いユーモアって書いてあるけども、久坂部さんのユーモアって、たぶん怖すぎて笑えないやつ・・って思ってたら、やっばり痛いわ怖いわ気持ち悪いわでまったく笑えませんでした。最高。(←褒めてる)
    短編集なので長編よりよほど読みやすいけど、それでも元気な時に読まないと引き連られそう。

  • #fb この人、グロいの専門家と思ってたので、こういうコメディ?タッチは意外と面白く。芥川の何をモチーフにしたのかは各題名で明らかなんだけど、決して全てが芥川のスジをなぞっているわけではなし。個人的には、「地獄変」からの翻案が秀逸。あ、やっぱグロテスク...。

  • 父の死因とは一体何だったのか?食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全七篇。

  • 芥川作品をモチーフにした医療ブラック短編。あまり好みじゃなかった。巻末の新潮文庫ラインナップに芥川作品がずらり。元ネタ読みたくなる。

  • 医者兼作家の著者が、芥川龍之介の作品をモチーフとして書いた7つの短編。特に、芸術に纏わる医師の狂気を描いた「極楽変」、介護現場を舞台とした「バナナ粥」が印象的。

  • 芥川龍之介の作品をもじったタイトルの短編集。どれも皮肉っぽい内容で「病院の中」「或利口の一生」あたりを読むと、病院で医療を受けることが怖くなってきました。

    ただ、内容に分かりづらいところがあって、結末を読んでも「?」となった話がいくつかありました。まぁこれは自分の読解力に問題があるのでしょうが…

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芥川症 (新潮文庫)の作品紹介

父の死因とは一体何だったのか? 食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け癖の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全七編。

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