あとかた (新潮文庫)

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著者 : 千早茜
  • 新潮社 (2016年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101203812

あとかた (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ほむら・てがた・ゆびわ・やけど・うろこ・ねいろ
    少しずつ絡まるそれぞれの物語が心地よい。

    とてもよかった。

  • 現代の恋愛模様を描いた連作短編集。
    6つの短編が静かにしっとりと絡み繋がり、各々の登場人物の秘かな想いが徐々に明るみになっていく様が見事に描かれている。

    千早さんと言えば、摩訶不思議な妖しい世界観の物語しか読んだことがなかったのでとても新鮮で、男女間の微妙な気持ちのズレ等の描写に説得力があり共感が持てた。
    また各章のタイトルが全てひらがな3文字で統一され、その付け方が絶妙で的を得ているものだった。

    人は「かたち」あるものをつい求めてしまい、それ故孤独感や虚しさが一層深まっていく。
    それでも誰かを好きになるってやっぱり凄いことなんだよね。
    ラストの彼の何気ない一言は彼女の頑なな心を溶かしてくれた気がする。

  • 千早茜さんはたまに読むと、がっつり引きずりこまれる作家さん。

    今回は初めての短編連作集。
    正直、なんだかこなれてしまった感が。
    鶴の恩返し、よろしく、自ら血を流しながら描いている印象を勝手に抱いていたので。うん。

    一番響いたのは「ねいろ」。
    「ゆびわ」も終わりに近づくにつれハマった。

    でもなんかもやもやと輪郭のない不穏な感じが、千早茜さんぽかったかも。

  • 危うく痛みを伴う男女それぞれの関係を描いた連作短編。

  • 読んでいくとすべての登場人物がどこかでつながっていて、読みながらそれに気づいていく
    『よるのふくらみ』のような、語り部が変わっていくスタイルの話
    私は最後の「ねいろ」で泣きました

  • 「からまる」を読んでから気になっている作家さん。
    短編の中で登場人物が重なり合っている構成が、わたし好み。
    「からまる」もそうだけど、なんとなく登場人物が影というか闇というか…なんとも言い難いものを抱えていて、作品の中でそこが現れてくるたびに引き寄せられてしまう。…でも。こういう闇ってたぶん誰でも少しは抱えているもので、だからこそ引き寄せられてしまうのかもしれない。短編1ではいい顔してるサブ、でも2でその人に焦点当たると複雑な思考。人間臭さ、あるよね。

    ・かたちを、とどめる?壊す?作る?、いずれも変化すること。拒みつつ、どうにもできないことも理解する。
    ・しあわせのかたちにこだわって、結局何がしあわせなのか
    ・やけどとうろこは対。若いからこそ先が楽しみ。

    【かたちなんて何回壊してもいい。膿んで腐って、それすらも乾いてしまって、諦めきった頃にあんがい欲しかったものなんてぽろりと転がっているのかもしれませんよ】

  • 「ほむら」から連なる6つの短編。登場人物が緩やかに繋がり、それぞれの視点から物語が紡がれていく。
    誰もが孤独で、愛を渇望し、それでいてそんな自分の気持ちにすら気づいていない。物わかり良く、相手のためと自分の気持ちに無意識に蓋をして・・・このザラリとしたほの昏い雰囲気が心地よい。
    「ゆびわ」のラスト、遊びの関係のはずが、やはりどこまでも愛を求めていることに気づいた明美の涙がいい。

  • 6編の短編それぞれの登場人物たちの内の一人が語り手となって繋がる連作短編集。
    ドライなようでいてねっとりとした読み心地。
    ちょくちょくハッとする描写やセリフがあって6編全て楽しめた。
    その中でも「うろこ」が一番良かった。
    唯一、恋愛というカタチを外側から確認しているようなお話が新鮮だった。こじらせているのかと思ったら一番ストレートな主人公がよかった。
    あとは完全に、私の好みの問題だけれど、全タイトルがひらがな3文字で統一されているのはちょっとどうかなーと思った。

  • 誰かを愛していること、又は誰かに愛されていることで、自分の存在を確認できる。そんな男女の愛の影を切なく描く恋愛連作短編集。
    松本と藤森の不器用な若者二人の物語が秀逸。ゴールデンタイムのドラマでは演出できない、一瞬の心の変化の描き方が素晴らしい。「今日、藤森が帰ってきたら笑おう、と思った。藤森の笑う顔が見たいから」…涙が出た。

  • 千早茜3冊目。アンソロジーとかでも見かけるからもっと読んでるつもりだったけど3冊目。千早さんの連作はわりと好きな感じ。ずっとざわざわしてて最後の話でなんとなくまとまる。でも大団円ではない。今回も盛大にからまってた。みんなもふだんからからまってんのかな。わたしはいつも積極的にからまりに行くけど、気がついたらつるんって追い出されているので、うらやましいです。

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あとかた (新潮文庫)の作品紹介

実体がないような男との、演技めいた快楽。結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。僕は他の男とは違う。彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。死んだ男を近くに感じる。彼はどれほどの孤独に蝕まれていたのだろう。そして、わたしは(「ねいろ」)。昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。

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