パルモア病院日記―三宅廉と二万人の赤ん坊たち (新潮文庫)

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著者 : 中平邦彦
  • 新潮社 (1990年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204116

パルモア病院日記―三宅廉と二万人の赤ん坊たち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 先週の木曜日の2限目が休講になったので
    図書館に行った。文庫本のところを眺めてたら
    「パルモア病院日記」というタイトルが目に入った。
    今ではすっかり有名なパルモア病院は私が生まれた病院だ。

    登下校中の電車の中で読もうと思と、軽い気持ちで借りた。
    その本に書かれていたのは、1人の小児科医三宅廉が
    どんな思いで医学部教授の地位を捨て、
    産婦人科と小児科が一体となっている周産期教育病院を
    作ったのか、ということだった。

    パルモア病院で生まれた子が15歳になる年に招かれる
    同藍記念会というものについても書かれていた。
    すごく悲しいことだが、私のところには招待状は来なかった。
    私の家は転勤族で、もう6回は引越ししているからだ。
    もしこの会に呼ばれて出席していたら、
    三宅先生の話を聴いて何か大切なことが、
    わかったのかもしれない。
    あまり引越しに対して嫌な思いはなかったが、
    この章を読んだ時は何でうちは転勤族なのかと
    悔やみに悔やんだ。

    退院時のお祝いは、一般的にはへその緒だが
    パルモア病院ではへその緒ではない。
    だから私も自分のへその緒を持っていない。
    代わりに、初めての沐浴の時の写真と手形だ。
    すっかり存在を忘れていて、母にどこにあるか聞いた。
    私の部屋のたんすの一番下の段だった。
    写真が貼られてある紙の下の方には、
    パルモア病院院長 三宅廉
    と直筆で書かれていた。
    その隣には本にも少し出てきた主治医の黄田先生のサインと
    助産師の名前。
    この本は平成2年に発行されていた。 
    私が生まれたのは平成1年。
    副タイトル「三宅廉と二万人の赤ん坊たち」の
    二万人の中に私も含まれてるのか、
    こんなに偉大な人に出生したことを祝われたのだと思うと
    涙が出そうになった。
    生まれた時はもちろんそんなこと何もわからなかったが、
    今では誇りにさえ思えてくる。


    どんな思いで新生児とその母親と接しているのか、
    医師や看護師はどうあるべきなのか、
    電車の中で目頭が熱くなりながら読んだ今だから
    見えてきたことがたくさんある。
    看護師になりたい思いはますます強くなった。
    もう一つ、助産師課程を取るという選択肢ができた。
    少子化が進んでいるため、定員は8人程度らしい。
    看護師国家試験の勉強だけでも大変なことは分かっているが、
    三宅先生と同じように安心できる人になって、
    たくさんの可能性が誕生する瞬間や
    母親の幸せそうな表情を見られたら、
    その表情を作る手伝いを少しでもできたら、と思った。
    私が看護師または助産師になる頃には
    どうなっているかわからないが、
    今は三宅先生の息子の三宅潤(めぐみ)が院長をしている
    パルモア病院で働くことができたら・・・と思うと
    頑張る力が湧いてくる気がしている。

    今手元にあるのは図書館の本である。
    これは常にかばんに入れておくべきだと思い、
    大きな本屋に行き、探した。
    店員に聞いたら、絶版だと言われた。
    この本は多くの医療従事者が読むべきだと思う。
    出版業界のことはよくわからないからなんとも言えないが、
    もう世には出ないのかと思うととても悲しい。
    今度の休みに古本屋に行こうと思っている。

    もっとたくさん書きたいことがあった気がするのに、
    実際はこんな下手な文章にしかできなかった。
    今日は、こう思った。
    明日読むと、また新たな感想が出てくるかもしれない。
    5年後、10年後にはもっと。

  • パルモア病院は、産婦人科と新生児中心の医療と、小児科を併設した、「お母さんと赤ちゃん」のための病院です。
    せっかく授かった命を、大切にしたい・・そんな、院長「三宅さん」の高い信念のもと、朝昼夜中を問わず、お医者さんが、かけつけてくれる病院です。
     ここで、私は、二人の娘を、出産しました。まだ、三宅先生ご健在で、エレベーターには、院長用のいすがありました。
    入院中、一度エレベーターで、院長先生と一緒になりました。その頃は旧館で、狭いエレベーター内で、院長先生はイスに座らず立ってられるので、「座られないんですか?」と尋ねると、「周りが心配しておいてくれてるんでねえ。あなた、座りなさい。」と、逆に出産後の私が勧められました。エレベーターでの短い時間のなかでも、楽しく立ち話をしました。なんとも、暖かい人柄でした。そして、院長先生への周りの方の「愛」を感じました。
     
     この本を読むと、「ああ、高い理想と、院長をはじめ、医者や看護婦、すべての職員の、報酬を度外視した献身のもとに、この病院は成り立っていたんだなあ」と、頭が下がります。

     生まれてすぐに、母乳。母親の体温を感じるところに新生児を寝かせる。「赤ちゃん」中心の病院です。
     真夜中、廊下には、産後間もない新米お母さんたちが、赤ちゃんを抱いて、うろうろしています。「大丈夫、一人じゃないんだ」・・・という安心感が、いつも、ありました。
     お母さん用の食事はとっても家庭的でおいしく、出来立てほかほかで、母乳によいものばかりを、丁寧に手作りしてありました。
     退院までに、そのころは院長先生との個人面接がありました。母乳の状態など、お母さんの不安を、明るく励まし、「産後鬱なんか」を吹き飛ばしてくださいました。
     娘の名前を言うと「いい名前だねえ」と、褒めてくださったのを、今でも覚えています。
     この本を読むと、まざまざと、あの日がよみがえってきます。

  • Amazon、¥251.

  • 命について考えさせられた素晴らしい本。命を授かる前に読めてよかったです。

  • 410120411x 338p 1990・4・25 ?

  •  兵庫県にあるパルモア病院を設立された小児科医三宅廉先生の生涯について書かれた本です。この先生は、それまでの医療が、出産までは産婦人科、生まれたら小児科と分かれていたのを、妊娠、出産から小児科医が関わる「周産期医療」という考え方を取り入れ実践されました。子どもへの愛情があふれていて、親になることのすばらしさを改めて感じさせてくれる本です。

     この本は、私が結婚したとき、同僚の看護師さんからいただき、すっごく感動しました。それ以来私も、結婚した人や出産を控えた友人によく贈る本です。これから親になろうとしている人にはぜひぜひ読んでいただきたい本です!

  • 日本初の産婦人科と小児科が一緒になった病院のお話。産婦人科に興味のある自分にとっては、非常に興味深かった一冊。先人の取り組みに学んだ一冊。

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