つながる: セックスが愛に変わるために (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204161

作品紹介・あらすじ

体はつながっても、心が満たされない――。テクニックでは解決できない性愛の悩み。大切なのは感情を解き放ち、相手の目を見つめる「目合(まぐわい)」。その先にパートナーと溶け合うようなオーガズムがある。5000人以上の女性たちと向き合ってきたAV界の巨匠が豊富なエピソードを交えて“恋愛する力”を高めるためのヒントを伝える。「性」について深く知りたいあなたに優しく寄り添う名著。

感想・レビュー・書評

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  • f.2022/8/3
    p.2016/1/29

  • 若いうちに読んでおくべき本

    男はまったくをもって女性をわかっていないのがよくわかる本

  • すごく深い内容で色々と考えさせられた。

    読んでいるとふいに涙がこぼれそうになる。

  • 著者が現在の職業につき、内面に興味を持ち続けたのは、幼少期の体験が大きく関わりを持っているように感じる。しかし、初対面の人とこころがつながるというのは、いかがなものだろう。2019.6.15

  • 代々木忠というAV監督を知って、「女性のための愛と性の相談室」http://loveandsex.jp/ のコラムを読みふけるようになってから代々木忠監督の著書が読みたくなり、本屋で探したらようやくこの1冊だけ見つかりました。

    第2章の「向き合えない男たち」がとにかくグサグサきました。
    「今まで自分は本当の意味で女性を女性として見たり、恋愛したり、ましてや愛したことなど一度もないかもしれない」とまで思い詰めたほどです。
    もっとも、思い詰めてよかったと思います。今まで何となく感じてた性に対するモヤモヤをズバズバと言い当てられたようで、非常に痛快でもありましたし。

    まずは、恋愛の感性を取り戻すところから、自分に素直に、正直になって自分と向き合うことから、始めようと決意させてくれた、そんな本です。

  • セックスレスとか草食男子とか、果ては植物男子までいるという今日この頃ながら、自分もわりかしやりたい感が薄いので、はて、どうなんかと。これはいかんと偉い人から誰からが分析をし始め、この人もいろいろと、もっと心から繋がるんだとか書いてはいるものの、それを読んでふーむと思っても、やっぱり実地が伴わない。いや、この人は実地を踏みまくってるんだけど、読んだ人がホイホイと試せるものでもなく、簡単に試せないというのが難しいところなのか。
    結局は魅力が薄れたものが単純に売れなくなるように、もっと楽しい事があるってのが問題かもしれんし、他人事じゃないしなんとかせんとなー、と思えば思うほどやっちゃいけないという考える方向に向かってしまう泥沼。

  • 2016年(底本2012年)刊。
    著者は数多のドキュメンタリータッチのAV監督を手掛ける業界著名人。

     衣服という外形的な装飾と、羞恥心という心の装飾とを取り払う性交渉は、確かに人生の一部でしかないが、人間関係に加え、自らの実存や性格を映し出す鏡の如きものだ。

     しかし、本書は、92年刊行書との比較から、性交渉の個人的な事情、固有の事情だけでなく、性交を巡る社会における時代変化も、確かに読み解ける。それは性交渉の軽量化傾向と、それに伴う男女間の心理的障壁の高層化・重厚化傾向だ。

     勿論、常に心通い合う深みあるSEXである要はない。その在り様も疲れを生むからだ。そして、深みが生まれなかった時に要らぬ罪悪感に囚われるだろうから。
     が、関係性を伴わない、技巧だけの、あるいはA10細胞だけを刺激するだけのSEX。これを数多くこなすだけの無意味さも、本書から感得できるものだ。

     心技体の何れもがバランス良くありたいとの模様は、恋愛をはじめとする人の関係性にも強く妥当するのだなと感じさせる著作。

     とはいえ、現実にそういう関係性を取り結ぼうとしても、しがらみと歴史が邪魔をする。我慢しなければという理性と、我慢するようでは心技体のバランスなど保ちえないという感情との相克。これはどう乗り越えればいいのだろうか?。

     私は男なので、女性の心理と膣濡や痙攣などの意味を感得し得ないだろうが、本書にある、所謂途上の中折れや、EDの意味、肌を合わせたい(≒抱きしめたい)との感情の素直な発露・行き着く先がSEXというのは、なんとはなく腑に落ちる感じがしている。

  • 一世を風靡した「監督」の著書。「AV」の始まりから、とことん過激になった現在までを語ることができる希有な存在だと思います。

    撮りたい映像、テーマを設定しながらも、一貫して女優さんひとりひとりの人格に目を向け続けた著者。思考と感情、異性が愛し合う意味など、性愛の面からしかわからない洞察にあふれています。

  • なんとなく手に取ってみて、本の題名が気になって購入した本。代々木忠という監督も知ってはいたが、映画を見たことはなく、本人の柔らかい思いというものが感じられ、あっという間に読み終えた。相手の気持ちを感じることは相手に寄り添うこと。それは何より自分の感情に嘘をつかないことなんだ。でも作者が言うように本で読んだからではなく、自分が心から感じることで次のステップにつながるのだろう。まだ解説してる自分がいるけど良しとしたいな。

  • ヨヨチュー哲学の集大成。様々な読み方ができる。多くの自己肯定本では無責任に「あなたは素晴らしい」などと断言していてうんざりするが、この本ではプラクティカルに自己肯定への道を説いている。ヨヨチューのスケールの大きい優しさには、本当に恐れ入る。

    AV畑の人には、そこいらの学者が太刀打ちできないほど人間洞察に長けている人が多い。ヨヨチューを筆頭に、二村ヒトシ、村西とおる、カンパニー松尾など。学者との大きな差異はフィールドワークの濃密さから来ているのだろう。自分は学者などより、こういう人達の身体性を宿した言葉を咀嚼したい。

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著者プロフィール

代々木忠(よよぎただし)
一九三八年、福岡県生まれ。若き華道家として将来を嘱望されるが、親友に請われて極道となり、三代目を継ぐ。カタギに戻ってからは、ピンク映画を経てビデオの世界へ。AV監督としての作品は約六〇〇タイトル。心の奥まで写し撮るドキュメンタリーの手法で性と向き合ってきた。二〇二一年、監督を引退。愛称はヨヨチュー。著書に『プラトニック・アニマル』(幻冬舎アウトロー文庫)、『生きる哲学としてのセックス』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『人生を変えるセックス 愛と性の相談室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

代々木忠の作品

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