乱鴉の島 (新潮文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • 新潮社 (2010年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204369

乱鴉の島 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 外部との連絡手段を断たれた孤島
    島内の人間が結託して守っている秘密
    そんな中で起こる連続殺人事件
    部外者が故に敵対して孤立する探偵

    ハラハラドキドキしながら刻一刻と忍び寄る恐怖と、火村先生の超然たる推理に読み耽りました。

    人は誰も、
    たった一度の命しか生きられない

    命は有限だからこそ苦しくて
    苦しみがあるからこそ幸せを感じられる

    毎日を漫然と生きていると
    いつか大切な人とも死が分かつことを
    忘れてしまいがちだなと。

    この物語は読み終わった後に
    何か心に残してくれる感じがしました。

    だからこそ謎解きでスッキリというよりは
    重々しく靄っとした気持ちにもなるけれど
    この美しくて哀しい人間の物語が好き

    余談ですが
    子供たちとの「秘密の捜査会議」は
    可愛くてほっこりしました。

  • 火村&有栖コンビが、とある勘違いから目的地とは違う島にたどり着いてしまい、そこで連続殺人事件に遭遇すると言う話。
    秘密にしておきたいこと。というのが、引っ張る割には大したことがなかった。あーそんなのかーって感じ。
    周りの登場人物がやけに攻撃的なのが、ちょっとおかしいと思った。
    お見合いの話とか、周りが怒ること自体がおかしい。

  • 単行本を読んでから10年あまり、文庫版を理由なく買いそびれていたので大変ひさしぶりの再読となった。採用されたテーマとその顛末、お疲れの様子の火村先生が婆ちゃんに旅行をすすめられるという常にない導入。印象的だったせいかそれらはよく記憶に残っていた。さいきん読んだシリーズ長編と比べても、やはり有栖川さんの作品は素晴らしいフーダニットであると再認識するくらいで、ケチをつけたくなどならないからうれしい。動機を脇に置いて追及するのは、あくまで論理的な手段で指摘できる真犯人。本書にもこのシリーズの滋味が詰まっている。

  • これも久々の再読。すっかり話を忘れてた。。。
    改めて読むと、すごい設定だなと思った。間違えて違う島に連れていかれるとかあるのかなぁ‥‥。
    一連の作家アリスシリーズの本を再読していてつくづく思うんだけど、作家アリスって何気に毒舌で面白い。火村先生よりよっぽど気が強い(笑)。

  • 火村さんシリーズ。「絶叫城殺人事件」での火村、有栖コンビの掛け合いが面白かったので長編を読むことにしました。

    烏の描写が島の薄暗い雰囲気を演出しています。怪しげな登場人物たちがどんなつながりを持つのか気になってするする読めました。

    犯人の動機が唐突過ぎてちょっとあっけなかったです。でもこのシリーズは面白そうなのでまた読んでみたいと思います。

  • 映画「緑の部屋」が効果的に使われるシーンがあります。別の話で「アデル」への言及もあった。フランソワ・トリュフォーがお好きのようで。

    「孤島モノ」です。死体はゴロゴロしませんが(←偏見?)。
    最初の事件が起きるのが半ば過ぎ。そこまで「この人達は何故この島に集まったのか」でひっぱっているのは、純粋に作者の力量なのか単にファン心理をくすぐられているだけなのか。

    本格としては◎。
    華やかさはないけど(まあ有栖川節かな?鳥葬紛いの死体をえんえん描写したりもしない)終始論理的で「名探偵」しています。(論理は破綻しなきゃエレガントってもんじゃないとは思うけど)「何故死体を動かしたか」は実にうまい処理だし、「動機は不明でもロジック上はこの人しか犯人たり得ない」で本格はイイと思ってます。

    ただ、そこから(ホワイダニット)が「物語」になるわけで。お話としては△。
    せっかくの「愛妻をなくした孤高の幻想詩人」、こんなおいしい御仁に、この使い方はないでしょう~雰囲気作りだけに使ったんじゃ勿体無いよ~栗本薫だったら、絶対この御仁が黒幕で、延々と語らせるラストにしていると思う。

    キャッチボールのシーンが印象的だった。変化球投げられるかと子どもに聞かれ、「曲がったことは嫌いだ」って。・・・名探偵だねえ。

  • 『絶叫城殺人事件』と併せて購入。『乱鴉の島』というタイトルに、その通り乱れ飛ぶ鴉を描いたカバーイラスト、その中央に浮き出る「Nevermore」ときたら、買わないわけにはいかない。

    アリス&火村が携帯電話も通じない孤島に迷い込んで出られなくなる導入部分に、説得力がある。以降の展開も丁寧に書かれていくが、タイトルやカバーイラストからイメージするようなおどろおどろしさはなく、淡々と進む印象。解明される謎も含め、全体に抑制的な作品だが、そこに好感が持てる。

    とりあえず、有栖川作品は短編より長編の方が好みだということがわかった。

  • 文庫本が出てすぐに買ったのに長らく放置してました。
    で、昨日やっと読み始めたらあっと言う間に読み終わった。
    やっぱ有栖川有栖は読みやすい。
    舞台設定は昔ながらだけど出てくる話題はけっこう最先端で、そういう話もおもしろかったな。

  • ラストが哀しかった。孤高の詩人は「ケシテモウナイ」と言いますけれど。
    孤島での惨劇に、招かれざる客の火村とアリスが臨みます。
    物語はテンポよく進んで、おもしろく読めます。ただ、ラストが哀しい。失った者をみつめる孤高の詩人に救いがあるのかなぁと。甘い救いを求めてはいないのだろうけれど。
    「鍵の掛かった男」の方が、好きです。

  • 連続して起きたふたつの殺人。隔絶された島で、死体の状況や島に集った人たちの証言だけをもとに推理を進める火村と有栖川。
    二人の子供たちを中心に周りの大人たちが動いているような不思議な印象。
    そして、まったく見えてこない動機。
    火村たちは手持ちの少ない情報だけを頼りに、論理的に犯行までのありようを再構築していく。
    先の見えない展開はそれなりに面白かった。
    ミステリーとしての出来もいいし、何より「火村」シリーズということで安定感もあった。
    読者の勝手な思いだろうが、より完成度の高いものを期待していた分、可もなく不可もなく・・・といった思いが残る。
    印象に残ったのは成功するビジネスは三つのタイプに分類できる。顧客を脅すか、癒すか、魅せるか。
    エンターテインメントのどの分野にも共通する気がして、なるほどと納得してしまった。

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犯罪心理学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。島を覆う死の気配。不可思議な連続殺人。孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。

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