はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)

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著者 : 長沢工
  • 新潮社 (2005年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205212

はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 先日のアストロトークで国立天文台の羽村さんが持ってきてくれて、興味があったので読んでみた一冊。理系にはたまらないですね。知的好奇心を大いに刺激される一冊でした。星空について教えてくれる窓口がこんなに身近にあったなんて。アストロトークのときも思ったけど、不思議な現象や知りたいと思えることに最初に興味を持つきっかけをどれだけ作れるかなんでしょうね。子どもたちのそういう質問に答えてあげられる、一緒に調べたりできる人になっていけるといいなと思いました。まずは天文台に行ってみないとかな。

  • 著者がどういった人物か全く分からないまま読み進めていた。
    なんとなく、20代30代を想像していた。
    まさかそんなお年だったとは。

    文体が若々しい。

  • 観測施設はハワイや野辺山にある国立天文台も、中心施設は三鷹。本著はその三鷹の国立天文台広報普及室(電話相談室)の方が書いた本。電話質問は年間1万件にのぼるそう。暦や天体に関する質問はかなり幅広く、ウンチクの塊でなかなか楽しめます。ただどうしても苦労話を書きたくなるんでしょうが、天文台にストーカーのように何度も電話してくる人のエピソードなど読者にとっては、情報価値はほとんど無し。その比率が少し高いのが難点か。

  • 国立天文台にかかってくる質問電話を中心に書かれたエッセイ。
    心打たれるエピソードもあれば、いつの時代にも変な人はいるものだと思わせる電話も。
    理科の教科書や資料集で、天体のページを熱心に見ていたころを思い出した。あの想像すればするほど広がってどうしようもなくなる世界への興味は、そういえば日常に薄められていた。上質なプラネタリウムに行きたい。

  • 著者は国立天文台の広報普及室に勤務していた人。
    一般の人からの問い合わせに応える、言わば「電話番」
    もちろん、広報は電話応答だけが仕事ではないが、本書では、その電話応答での出来事が中心に語られている。

    普段、天文台に電話をかける事はしない(電話をかけた事がある人の方が少ないと思うが)ので、一体、どんな内容の質問があるのかが、まず興味があった。
    流星群、日食などの天文現象についてのものや、学校の先生、研究者の問い合わせは想像できるが、それ以外は何があるのだろう。

    一番、多いのは「日の出、日の入り」の時刻。(特に初日の出)

    「理科年表」に載っている内容なのだが、考えるより前に聞いてしまおう、という感じで聞いてくるらしい。
    本書の発行は2005年。ネットが今ほど身近ではなかった頃だが、こういう人は、今でも掃いて捨てるほどいるだろう。

    それから、学校の宿題対策なども。
    観測の方法やデータの問い合わせなら、まだいいが、「結果」だけを聞こうとする人もいるそうだ。
    (それも親が、というケースもあるとか)

    こちらの方は読書感想文や論文の「コピペ問題」など、今の方がもっと「悪質」になっている。

    少し意外な感じがしたのは、最も回答に困るのが、「マスコミからの天文現象に関する問い合わせ」だという点。
    何が困るか、というと「条件がハッキリせず、要領を得ない」から。

    例えば、日食ひとつにしても、必ず聞かれるのは
    「前回、起きたのはいつか?」
    「次に起きるのはいつか?」
    という点。

    要領を得ない、というのは「日食」が「皆既日食」だけか、「部分日食」も含めるのか、観測できるのが世界のどこでもいいのか、日本から見えるもののみか等、いろいろ条件があるのだが、それらを省略して、質問するケースが非常に多いそうだ。
    人に質問する機会の多いマスコミが科学に対して、訓練されていないのか、「同族」であるからアラが目立つのか。
    ふとノーベル賞に関連した誤報騒ぎを思い出した。

    そして、やはりいる「困った人々」
    天文現象は人間の都合で変更できるわけでもないのに、「こうあるべきだ」と演説する人。
    中には、天文とは全く関係ないことで電話をかけている人もいるらしい。

    こういう人達も相手にしなければならない、広報普及室。
    その苦労がしのばれる。

  • 天文台の小話裏話、天文マメ知識などを期待してしまうタイトルだが著者の愚痴がかなり多めのまとまりの無いエッセイ集。気持ちはわかるけど公務員なんだから…と微妙な気持ちにさせられてしまういろいろ残念な本。

  • プロの作家の作品ではないので、決して読みやすい本ではありません。
    逆にリアリティを強く感じるところもありますが。
    国立天文台に寄せられる電話から見える日本の科学教育への不安や希望が語られます。
    ネタは好きなのですが、ちょっととっちらかった印象です。

  • 疑問がひとつ解決すると、想像の世界は逆に広がる
    宇宙って、そんなとこ

    こんど、わからないことは電話してみよう

  • 武蔵境、三鷹の森にある国立天文台の「広報普及室」。そこにかかってくる一般の人からの様々な質問電話を受ける筆者が、それをまとめたエッセイです。

    個人的に天文ネタが好きなのと、例えばサポートセンターに掛かってくる面白電話ネタも好きなので、その両方の要素を兼ね備えた本書は、とても楽しく読むことが出来ました。

    遠隔地に住む少女との一種感動的な交流、日本の科学教育への不満と提言、マスコミの弊害、などなど、国立天文台の電話を通じて様々な社会の姿が見えます。

    けして「面白おかしく」書いているわけではなく、筆者の人となりか、非常に真面目で誠実な文章なんですが、やはり、そこで起こる良くも悪くも様々なハプニングが面白おかしいんでしょうね。

    (2006年読了)

  •  ピロピロピロピロ……
     今日も国立天文台広報普及室の電話がなる。電話の主の目的は様々だ。「月を見るにはどうすればいいですか?」「○○年の○月○日は何曜日ですか?」「初日の出は何時に見れますか?」等など。
     今回はどんな内容の電話だろう。ひと呼吸置いて受話器を取る。

     著者は理学博士で、東京大学地震研究所を退官後、東京・三鷹に所在する国立天文台広報普及室に勤務。本人曰く「国立天文台の電話番」を担当し、1993年から2002年まで務めたそうだ。この本はそんな筆者の経験をもとに、国立天文台広報普及室の仕事の内容や、天文に関する面白エピソードを紹介。それらを通して著者が科学や天文学にかける想いを語りかけてくる。
     2001年に地人書館から刊行された『天文台の電話番』の改題・文庫版である。

     天文台にかかってくる電話は相手も様々だ。宿題で星について調べている小学生、天体ショーについて情報が欲しいマスコミ、研究中の学生、ちょっとおかしな理屈をまくしたててくる人…。
     僕自身、会社で問い合わせやクレームの電話を受けることが多い。そういう部署に勤務している訳ではないのだが、間違ってかけてくるお客さんが多いのだ。もちろんかかってきた以上かけ直せという訳にもいかないから、自分でとりあえず受ける。そんな中には理不尽なものも多かったりする。
     そんなんだから、いわゆる「お客様相談室」的な部署で働く人たちは相当ストレスが溜まるだろうなあと思うのだ。

     しかしこの本の著者、元々理学博士というだけあり、また年の功もあって、対応が実に堂々としているというか、動揺しないというか、すごく落ち着いている。
     知識も豊富にあり、年齢も重ねているので、そこらの若者など恐るるに足りないのだろうか。最近の「お客様」を腫れもののように扱う企業の風潮とは一線を画しているようにも見える。
     例えば電話で「絶対間違いないですか」と聞かれた時、著者は「そんなの、要求する方が無理ですよ。天文学では昨日まで正しいと思っていたことが今日になって覆ることもありますから。同じ内容でも、解釈しだいで正しいとも正しくないともいえる場合もあります。こちらでは正しいつもりでご返事申し上げてはいますが、絶対正しいと保証することはできません」と突っぱねる。
     宇宙は不変ではない。刻一刻と変化している。その通りではあるのだが、僕のような若造にはとてもできない対応だ。
     また何かあるたびに同じ質問ばかりしてくるマスコミに対しては「バカのひとつ覚えのように『前回は』『次回は』と質問を繰り返すよりも、内容をもう少し考えて、整理してから質問してもらいたい」と語る。国立天文台は公的な施設だから、ある限りの情報を提供するのが当然でしょう、という相手の態度には内心で腹をたてる(絶対態度にも出ていると思う)。
     痛快ではあるのだが、果たして公務員でなく民間企業の広報窓口がこんな態度をとっていたらその会社はどうなってしまうかな?とも思ってしまう。

     ともあれそれくらいの図太さがなくてはやっていけない職場でもあるのだろう。公的機関であるからこそ福利厚生に潤沢な予算をとれる訳でもないだろうし、ストレスやプレッシャーに押し潰されないというのはそれはそれで適性なのだろう。

     そんな仕事を続けながら宇宙や天文の魅力について語っていく。天文学者というとロマンチックな人たちだと思われがちだが、その現場には普通の人たちが働いていて、普通に暮らしているのだ、と説く。そしてそんな人たちが築いてきた天文学という科学の楽しさや面白さ、そして科学的な立場でものを見る事の大切さを語る。
     話の内容は星座にまつわる伝説から、海外の教育事情に至るまで幅広く興味深いものだ。「午前12時/午後12時」についての考察は僕らの生活に深く関わることであるからずいぶん引き込まれてしまった。あと暦に関する話などはとても面白いが、旧暦なんか無くしてしまえばいいのにという少々乱暴な持論にはちょっと辟易した。僕が住んでいる沖縄など、日常生活に旧暦が深く関わっている地域はまだあるのである。
     沖縄といえば、石垣島の女の子から彗星の写真がどうしても欲しいという内容の電話がかかってきた時のエピソードが微笑ましい。著者はこの子に特別に写真を送ってあげるのだが、そのお礼にとサーターアンダギーが送られてきたという。東京から遠く離れた島との小さな交流だが、この女の子がこれをきっかけにますます宇宙に興味を持ってくれていたらいいな、と思う。

     一本の電話から始まる小さな物語。J-WAVEのラジオ番組「docomo東京REMIX族」では、2010年1月の放送でしょこたんこと中川翔子がこの本を紹介していた(公式blogにその時の画像が掲載されている)。さすがしょこたんだなあと思った。

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