- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101205335
感想・レビュー・書評
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中山可穂さんの本をおすすめされたので読んでみました。
文章がすんなり入ってきて、自然と物語の中の空気感を感じられました。
作品に漂うエロスとセンチメンタルは、「鬱くしい」という表現がぴったりだと思います。
登場人物たちの狂おしいほどの恋慕が胸に迫りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「燦雨」を読んで欲しい。短編集で、全て多かれ少なかれ女性同士の恋愛を描いた物で、勿論感情描写もそれに沿っているのですが、「燦雨」はそれを含みつつそれを超えて、老老介護の有り様、一つの到達点を書いていると思う。どうしようもなく心が震えた。他の短編も凄く凝縮されていて良いです。
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「花伽藍」を始めとする5編からなる短編集。
作者の短編を読むのはこれが初めてだった。(そして作者にとっても初めての短編集らしい。)
正直言って、失礼ながら、こんな多彩な短編を書ける人だとは思っていなかった。
今までの長編では、レズビアンの恋愛というモチーフを、言ってみれば正面からまともに書いていたが、この短編集ではそれを横から後ろから下から、時にはちょっと遠くから描いている、そんな感じだ。
もし、中山可穂を読んでみたい、という人がいたら、これを一冊目にすすめてみたい。 -
私の憧れる強さ、生き方が、此処にはある気がした。淡々として優しく、それでいて張り詰めた哀しさと、空気。
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家の本棚にあったので、何となく手に取り読み始めましたが、5編全て女どうしの恋愛小説だなんて。本当は苦手なジャンルなんだけど、この作品は、人と人の繋がりや相手を思いやる気持ちなど、異性とか同性とか超越したような関係性が上手く描かれていて、私の対象は男性だけど、こういう感情あるわと思ったりしながら、気がつけば読了していました。
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2021/11/04-11/05
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女たちの恋の話。燃え上がるようなロマンスも、その先に続く日常も、そして別れも余すことなく描いている。どの作品も言葉運びが美しく、だからこそラストの余韻がどこまでも続いた。