死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)

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著者 : 夢野久作
  • 新潮社 (2016年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206417

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死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • あとがきに書かれているように、私も以前「ドグラ・マグラ」から夢野久作に入ろうとして門前で弾き飛ばされた一人なのですが、この本は短編集で読みやすく、夢野久作入門には最適でした。幻想怪奇趣味が詰まっていて、好み。近藤聡乃さんの表紙絵はイメージぴったりだと思いました。「いなか、の、じけん」だけは青空文庫で既読。「瓶詰地獄」が特に面白かった。いまだに本棚の奥で眠っているドグラ・マグラに再挑戦してみようかな。

  • 久作の短編集は何冊か読んでいるので(角川の少女地獄、教養文庫の死後の恋、ちくま文庫の日本文学シリーズなど)収録作品の被り程度を前もって確認、どうやら半分くらいが既読だけど、残り半分は未読の作品のようなので読むことに。

    さて表題作は安定の狂いっぷり。怖さ不気味さおぞましさどれをとっても最高の完成度。それでいて一抹の憐憫。初読のものでは、脱獄した凶悪犯が人形だらけの家に迷い込む「白菊」は道具立てが好み。「怪夢」は夢日記のような印象。「悪魔祈祷書」はむしろ実在してほしい。「木魂」はなぜかずっと脳内で、つげ義春の絵で浮かんでました。

    夢野久作名義でのデビュー作にあたる「あやかしの鼓」も読み応えがあって面白かったです。呪われた鼓の言い伝え、その製作者の末裔と呪われた側の末裔のドロドロした伝奇的な設定に加えて、美しい未亡人が鞭を持って迫ってきたり、狂人を装ったある人物が「実は私は○○なのだ!」と正体を明かすどんでんがえしがなんと二段構えだったりと盛り沢山。ただ主人公の行動原理が不明でいささか幼稚なのでイラっとしていたところ、巻末に収録されている当時の書評で乱歩が色々鋭く指摘していて目から鱗でした。

    ※収録作品
    「死後の恋」「瓶詰地獄」「悪魔祈祷書」「人の顔」「支那米の袋」「白菊」「いなか、の、じけん」「怪夢」「木魂」「あやかしの鼓」

  • ドグラ・マグラでチャカポコしている時にはどうしてその後夢野久作作品続けて読むようになるなどと予想できただろうか。不気味でグロテスクで背筋が冷たくなったりもするんですが、狂言じみた言い回しがどこか美しくて。表題作のほか『支那米の袋』が好きでした。ほかにもロシア絡みのネタがちょいちょい挟まれてたのですがそれがまたいい味でした。『いなか、の、じけん』はちょっと柳田国男っぽい感じで面白かったー。

  • 夢野久作傑作選。ちくま文庫の全集から来た短編集。
    死後の恋、瓶詰地獄(「瓶詰の地獄」改題)、人の顔、支那米の袋、あやかしの鼓、は以前、角川文庫で読んだが、強烈な印象のあった瓶詰地獄以外はすっかり忘れていた。読んでいくうちに思い出したのが、支那米の袋とあやかしの鼓。女性の語り口調が特有だが、昭和初期のこの時代だからだろうか。
    どれも独特の不気味さ、後味の良くないもの、それでも癖になるようなじわじわくる話ばかりだが、少し違った印象を受けたのが「いなか、の、じけん」。はじめは、如何にも田舎で起きるような、しょうもない事件を集めたものか、というのが多かった。だが次第に、笑えない事件も出てくる。不気味な話、隠微な話、不吉な話…。

    全体で言うとやっぱり怖い。怖いけど読みたい。夢野久作、中毒性があるのかもしれない。

  • とても面白かったです。既読の作品もいくつかありましたが、何度読んでも、目眩く狂気の世界に惹きつけられます。「瓶詰地獄」「いなか、の、じけん」「怪夢」が特に好きです。カタカナの挟まれる文章も癖になります。「いなか、の、じけん」は、こんなに狂った事件がいくつも起こる地域なんて嫌だと思ってしまいました。初めて読んだ「あやかしの鼓」については、作者の言葉と、江戸川乱歩とかの評論も収められていて贅沢です。狂気と正気は紙一重で、狂気の側に陥った人の描写に怖いと思うと同時に、すごく惹かれている自分もいます。夢野久作の作品も、もっと読みたいです。

  • 久しぶりの夢野久作作品でしたが、相変わらずの世界観に圧倒されてしまいました。一度読み始めるとまさに夢の中に迷い込んでしまったかのような感覚に囚われてしまう、それがたまらなく好きです。
    収録作品の幾つかは過去に読んだことがありましたが、改めて読み直すと内容をあまり覚えていなかったので、新鮮に読めました。お気に入りは『白菊』です。
    第2弾の刊行を楽しみにしています。

  • 夢野久作は『ドグラ・マグラ』を挫折し、ちくま文庫を読んだきりでした。今回、短篇集なので読めるかな、と思い読み出してみたら面白く、ぐいぐい世界に引き込まれました。
    怖ろしいけれどそこに独特の美学があるように思えます。
    ちくま文庫にも収録されていたけれど『瓶詰地獄』が二人だけの楽園の救いの無さ、禁忌を犯す兄の血の滲むような苦悩が見事で印象に残ります。『いなか、の、じけん』はユーモラスなものからぞっとするようなものまであり、当時の田舎ではほんとうにこれと似たような事が起こっていても不思議ではないのかも…と思わせられる物語で様々な読後感を得られて楽しめました。
    いつか『ドグラ・マグラ』に再挑戦してみようか…。

  • 独特の文体と怖さ。

    目に浮かぶような描写。

    『ドグラ・マグラ』は未読だが、まずは短篇で、夢野勇作の世界をしっかり味わいたい。

    しかし、すごい。

  • 描かれた一つひとつのシーンが鮮やかに目に浮かんでくる、とても映像的な短篇集だと感じた。切ないけど面白い。

  • 夢野久作、何度読んでも良いなぁ……。
    ぼちぼち短編集が出ているが、余り知られていないものも発掘されて欲しい。

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死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)の作品紹介

ロシア革命直後のウラジオストックで、怪しい男がロマノフ王家の宝石にまつわる奇妙な体験を語る(「死後の恋」)。海難事故で無人島に漂着した兄妹が体験した悪夢(「瓶詰地獄」)。鼓作りの男が想いを寄せる女性に贈った鼓が、尋常ならざる音色で不吉な事件を引き起こす(「あやかしの鼓」)。──夢と現の狭間へと誘う奇才夢野ワールドから、究極の甘美と狂気を厳選した全10編。

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