悟浄出立 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206615

感想・レビュー・書評

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  • いつもの万城目学作品というものではないけれど、それでも登場人物の複雑な心情がひしひしと感じ取れて、短編だからこそ面白かったように思います。中国古典を少し知ってた方が面白く感じたので、巻末の説明書きを読んでから読み進めました。

  • とて面白い。

  • 「西遊記」「三国志」「史記」などの中国の歴史的古典作品を万城目さんが脇役に焦点を当てて膨らませた短編集。

    三国志と史記は横山光輝さんの漫画を読んだことがあり、なんとなく覚えていたので、こんなキャラだったっけ?と思ったりしたけど、「あ、万城目さんの創作だった」と思い出すくらいうっかり信じそうになる。
    横山光輝さんのが「正しい」という訳でもないけど、すごく引き込まれて読んでしまいます。

    西遊記を読んでみたいな、と思いました。

    司馬遷の話と虞美人の話が本当に辛かった。
    虞は何も知らない方が良かったんじゃと思うけど、何も知らないままでは立ち去ることも出来なかっただろうとも思うし、難しい話ですね。
    結局死んでしまう訳で、中国でも死を美談とする傾向があるんだなぁ、と思いました。
    司馬遷は死刑を免れたけど、去勢されてもまだ生きる意義を持っていたのかと思いきや、放免されたら何も書く気がないって、なんで宮刑を受け入れたんだろう?とちょっと腑に落ちなかった。

  • 2018/01/19 23:03:30

  • ◆◇◆「名脇役たちの物語」◇◆◇

    『悟浄出立』 万城目学

    今までの万城目学とは一味違った短編集。有名作品に出ていくる『主役ではない』登場人物たちにスポットを当てている。西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、項羽と劉邦の虞美人、はたまた史記の司馬遷の娘など、なかなか渋い人選です。

    どの登場人物たちも見せ場をもった存在感のある名脇役だが内面が描かれることは少ない。特に三国志の趙雲は人気キャラとして名高いが仕事をそつなくこなしていくイメージが強い。今作では、主人公の劉備たち3義兄弟や天才軍師の孔明たちの影で故郷に思い悩む人間らしい様子がえがかれている。とても新鮮です。

    僕は主人公ではなく、脇役たちが好きなのでとても楽しめました。改めて、たくさんの人間によって大きな物語があると思えます。最近はスピンオフで脇役を主人公にしたものが多いです。他の古典でもできると面白いかもしれませんね。

  • 初めて万城目学さんの作品を読んだ。
    どの話もおもしろかった。
    私の好きな「人生訓話」的なものが入っているのと、言葉が重くてよかった。
    特に表題作の『悟浄出立』は悟浄が前に出るのもよかったが、八戒の人生が興味深かった。

  • 2018.09.30
    台風から逃げるように帰る電車の中で

  • 中島敦の悟浄出世からインスパイアされた表題作の他に、中国の歴史上の人物や出来事を元にした4作が収録されている短編集。
    悟浄出立は爽やかで面白かったけど、中国史ってのはどうも全体的に血なまぐさくてグロテスクなイメージが伴って、読後感がいまいち。。司馬遷が宮刑というグロい刑を受けていたなんて知らなかった。
    普段はすっかり忘れていたけど「李斯って焚書坑儒の人よね!」と、世界史で習ったことや漢文で習ったことをふと思い出すのも面白かったけど、たぶん再読はしない。

  • 本屋の夏の文庫フェアコーナーで、わたしは西遊記ファンなもんでタイトルぱっと見で「おっ中島敦のやつか。買お」と衝動買いしたやつです。有名な作家さんやけど初めて読みました。中島敦リスペクトで、中国古典の脇役に焦点を当てた短編集でした。
    西遊記以外は全く知らなかった(高校古典の漢文までの知識しかありませんこーゆーの)わたしでもものすごーく読みやすかったし面白かったです。
    しかし胸糞悪い展開ばかりを招く八戒をあんなに美化せんでもいいと思うな。八戒はひどいやつなので(…)どんだけ綺麗な話にしようとぜんぜん繋がってる感じもしなければ納得もできなかったよ。あーいうキャラが八戒の魅力なんやし、何より悟空の出番が少なかった。でもニヤニヤしている悟空を見れたから割と満足です。

    中島敦のやつもっかい読もう。「李陵」は読んでないし。
    ほかの話もどれも面白かったです。


  • 万城目さんのホルモーとかしゅららぼんも好きだけど
    風太郎やこういった歴史モノの方が私は好きです。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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