出版禁止 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.37
  • (123)
  • (344)
  • (445)
  • (136)
  • (27)
本棚登録 : 4039
感想 : 373
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207414

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いわくつきの原稿、それは7年前に起こったある心中事件の真相に迫るルポルタージュだった。

    まず、大きな謎が2つ。
    「事件は本当に心中だったのか」
    「なぜこのルポルタージュは掲載を見送られたのか」
    最初の謎は「カミュの刺客」を読んだ直後に解け、後の方は筆者の後述を読んで初めて解けるようになっている。
    ただ、解けたと思ったそばから、これまで理解してきたことの根底が崩されていく感覚は不思議としか言いようがない。読んでいる最中に感じていた僅かな違和感に、あとから追いかけられているような気もする。「騙された!」とか「なるほど、そういうことか」というよりも、人間の狂気にうっかり触れてしまって薄ら寒いものを感じてしまった、そんな読後感。

  • またまたやられましたよ。長江さんに。

    これまた巧妙な書き方ですね。
    いやらしい。笑

    今回は伏線に気づかず通り過ぎてました。
    後半から含みのある表現が多かったですね。
    楽しめました。

    あと言葉遊びみたいなものもすごく上手ですね。
    そういうの大好きです。

  • 他の人の考察等に目を通す前に感想を書いてみようと思う。

    正直、大どんでん返し…とまではいかないかな、といった感想。
    最後の種明かしパートにたどり着く前から、そうだろうなぁという前提で読み進めることができる程度のトリックで、いくつかはおぉ…なるほど、と思う点はあるにしろ、総合的に裏切られた!!!!!という気持ちにまでは到達しなかったな。
    ただ、後味は悪いかも。
    その点のバランスが良い作品だな、という感想。
    叙述トリック自体は難易度が低いながらも、
    読み手に委ねる部分も混ぜ込んでるので。
    わたしは個人的に、結局はこの事件に関わった時点でアウト(生還できない)ってことかなという印象のまま読み終えた。

    ミステリとしてはちょっと物足りなく感じたけど、
    読み手を引き摺り込むといった意味では、あとがきの書き方にもこだわっていたりと、フィクションなのに一瞬、あれ?ノンフィクション?と思わせるリードは非常に好みの作品でした!

  • 騙されたー!

    昔の心中事件の詳細がどんどん明らかになって、
    色々と推察しながら、
    変わっていく心情とが同時進行していくのが面白い。

    次が気にって手が止まらなかった。

    あとがきまで読まないと。

    心中、カミュの刺客、ルポライター

  • ノンフィクションかと思った。後半にかけてどんどん面白く、気持ち悪くなっていく。
    前半と後半では、一語一句捉え方が全く変わる。面白かったけど所々理解しにくいっていうか、読み進めにくいかも
    最近ミステリに手を出したので、ラストの予想ができなかったので最後の一文で一気に鳥肌が立った

  • いい意味で、「心中」という言葉にミスリードされていた。仕掛けが多くてとても面白かった。

  • 読みやすかった。一気に読んでしまった。
    解説がないと、伏線がわからなかった。
    途中から結末が見えてしまったが、まさか、その前に亡くなっているとは、、読み返して、あー本当だ。とわかる。気がつかなかった。
    過去の心中の結末もそうだったのか、と。
    そして、彼も刺客だったとは。。
    でも、愛の方が強かったという事かな。。


  • 前半が単調で追い続けるだけで
    飽きがきてたが後半に差し掛かると
    面白くなってきてドンドン読み進めてしまった。

    ある2人の関係がわかってからが急展開!
    今までの謎が一気にわかる。

    基本にされてる、 「心中だったのか?」に関しては
    ミステリー好きなら簡単に解ける。

    ただ、それだけじゃない。
    最後の謎がエピローグに…
    謎は1つじゃない。 2回読むべき!

  • 7年前の心中事件のルポルタージュを書くという体裁で、現実と非現実の境目が分からなくなるような作品。解説をいくつか見て、そんなことがずっと展開していたのか、と驚いた。違和感を感じながらも、多くの仕掛けにあとから解説されて気づく。後味は悪いなー。

  • 面白かった。一気読み。どうしたら出版禁止になるのかと思ったら、そうきたか。こんなに死んだら無理だ。
    ラストも想像。刺客だったとは。考えさせられた。直ぐにもう一回最初から読みたくなった。

全373件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1966年大阪府生まれ。映像作家、小説家。深夜番組「放送禁止」を制作、熱狂的なファンを生む。監督として映画化し、上映。2014年、小説『出版禁止』がヒット。著作に『ゴーストシステム』『出版禁止』『掲載禁止』『東京二十三区女』『検索禁止』などがある。

「2023年 『恋愛禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長江俊和の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
佐藤 正午
又吉 直樹
米澤 穂信
三浦 しをん
米澤 穂信
宮下奈都
今村 昌弘
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×