今日われ生きてあり (新潮文庫)

  • 220人登録
  • 4.13評価
    • (42)
    • (23)
    • (28)
    • (1)
    • (0)
  • 35レビュー
著者 : 神坂次郎
  • 新潮社 (1993年7月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101209159

今日われ生きてあり (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 特攻は美化できない。
    しかし、特攻を決意した若者たちの清らかさ、実直さには、心打たれます。

  • 「智恵子   会いたい・・・話したい・・・無性に」

    太平洋戦争末期、整備も不充分な機体で、片道分の燃料と250kgの爆弾を積み、敵艦を目指して飛び立つ若者たちの最後の手紙。

    国のため、家族のため、愛する人のため。

    初めて活字で泣いた。

  • 終戦前の特攻隊員や隊員を取り巻く家族、お世話をした人びとの、遺書や手紙、日記を物語に仕立てたノンフィクションです。
    各章が独立しているので、注目するところから読み進むことができます。
    しかし、せつないです。
    いまの平和な暮らしの礎には、国のために若くして潔くその身を捧げた人達がいることを、けして忘れてはいけないと感じます。

  • この本は、涙無しに読めません。また、自分の祖父の時代の出来事でもあり、インドネシアで亡くなったと聞いた。自分が祖父の時代に生きていたら、強く生き切ることが出来るのだろうか?と考える。

  • 沖縄という犠牲があり、特攻隊という犠牲があって、本土は守られた。やがて敗戦の精神的空白にマルクス主義が浸透する。その勢いはいよいよ盛んになり、1960年代から70年代に渡る安保闘争で頂点に至る。当時、自衛隊は日陰者として扱われた。戦力放棄を謳った戦後憲法の下(もと)で自衛隊員は公務員と位置づけられた。決起を呼びかけた三島由紀夫に対して、自衛隊員が野次と怒号で応じた時、特攻の精神は死に絶えたのだろう。
    http://sessendo.blogspot.jp/2016/02/blog-post_95.html

  • 太平洋戦争末期に天号作戦で散った特攻隊員について、彼らの日記、遺書、関係者の談話をまとめた19話が収められている。1983~85年に月刊仏教誌「東方界」に連載され、1985年に単行本で発刊、1993年に文庫化された。
    巻頭に載せられた数枚の写真~「特攻出撃直前 整備兵たちと別れの盃をかわす飛行兵たち」、「特攻天号作戦出撃の第二十振武隊穴沢少尉機を見送る知覧高女三年生たち」、「戦友の遺骨を胸に整備兵の心づくしの鯉のぼりと共に出撃」。。。これらの写真を見るだけでも胸に迫るものがあるが、この飛行兵たちが、どのような想いで知覧を飛び立っていったのか。。。
    「俺たちの苦しみと死が、俺たちの父や母や弟妹たち、愛する人たちの幸福のために、たとへわづかでも役立つものなら・・・」(長谷川信少尉の日記)
    「おわかれの時がきました。兄ちやんはいよいよ出げきします。この手紙がとどくころは、沖なはの海に散つてゐます。思ひがけない父、母の死で、幼い静ちやんを一人のこしていくのは、とてもかなしいのですが・・・時計と軍刀も送ります。・・・売つてお金にかへなさい。兄ちやんのかたみなどより、これからの静ちやんの人生のはうが大じなのです」(大石清伍長の妹への遺書)等
    あまりにも純粋で、ひたむきで、一途で、美しい若者たちの想いが、胸を締め付ける。
    永遠に読み継がれていくべき類の作品と言える。
    (2010年8月了)

  • 確かに感動するが、言い回しが古いのを説明して欲しかった。

  • 特攻隊少年飛行兵。
    美化したらダメだよね。繰り返してはならない。

  • 特攻にまつわる哀しい物語.

  • 4101209154 265p 2005・6・25 8刷

  • 本書は、特攻隊の生き残りである著者が、敗戦後三十七年を経て書いた、時代に対する悲痛な叫びである。

    若くして散った特攻の方々に対し、戦後の日本はあまりにも敬意が足りなかった。

    十代、二十代の若者たちは、国家に洗脳された狂信者でもなければ、国家に利用されるような純粋無垢であったわけでもない。
    ひとりひとりが悩み、何度も生と死を考え、堂々巡りを繰り返しながら、知覧から飛び立っていった。

    本書では、特攻のひとりひとりの手紙や日記、関係者の証言などで構成しながら、あの時代を精一杯生きたひとりのひとりの軌跡を綴っている。

    特攻出立の日に、トランプで母親の幸福が占えたことを喜び、最後の手紙に記した新田祐夫。

    ひとり薄暗い竹やぶで「お母さんお母さん」と叫びながら白刃を振り回して断ち切れぬ家族への想いと格闘した十九歳の少年特攻隊員。

    「日本を救うため、いま本気で戦っているのは大臣でも政治家でも将軍でも学者でもなか。体当たり精神を持ったひたむきな若者や一途な少年だけだ」
    と、当時特攻隊員を何人も見送ってきた知覧の人々誰もが心の中でそう思っていたということからも、どういう時代だったかということが想像できると思う。

    また、特攻隊の方々以外にも、戦争で亡くなった方々のことも戦争で生き残った方の証言に基づいて綴られている。
    特に胸打たれたのは、大阪一のうどん職人を夢見ていた十四歳の少年の話。
    あらゆる人々の可能性や努力、そしてかけがえのない人間の交流をも、一瞬にして奪うのが戦争であるということを、あらためて我々に教えてくれる話であった。

  • 戦争や特攻を美化するわけではないが、これほど美しい言葉を言える人はいないように思う。ただ、戦争を知らない自分には遠い話のようにも感じる。その距離を少しでも埋めるためにも、僕らの世代の人にこそ読んで欲しい

  • たまたま読書のお供として聴いていた平井堅の「いとしき日々よ」とのシンクロ率が半端なくて、次から次へ涙がこぼれました。
    家族や恋人のことを想いながら桜のように美しく儚く散っていった命。
    特攻隊員たちが命をかけて守ろうとしていたのは国ではなく、自分の愛する人たちだったのだということが痛いほど伝わってきました。
    もう誰にもこんな悲しみを味わってほしくありません。

  • 実際の特攻隊員の手紙、日記、遺書や手引きをもとにまとめられた素晴らしい一冊。お国のために戦った勇敢な日本の神風特攻隊に感謝の意を評すべく、現代の一人でも多くの人に読んでもらいたい。

  • 知覧の特攻隊はかくの如き精神の持ち主である。
    押さえた文面から滲み出る生への終着(誤字に非ず)
    同じ年の頃のんきにぼへーと生きてきた事が申し訳なくも有、有難くも有。
    戦争は否定しないけれど回避できるならこれあらゆる手段をもって回避すべきと感じた。
    生き方を問う本だと思う。

  • 私が初めて“戦争”という言葉にふれたのは、小学2年生の時に家族で旅行した広島の平和記念公園だ。ただ、私が記憶する初めての家族旅行だったので、楽しかった思い出の方が強く、8月6日の式典の様子をテレビで見ると、申し訳ない気持ちになる。大人になった今、もう1度訪れたいとは思っているのだが、なかなか実行に移せない自分の意識の低さに幻滅する。
    そもそも私が8月6日の式典をテレビで見るようになったのは、大学生の頃付き合っていた広島出身の彼氏の影響だ。8月6日の朝、9時過ぎに目が覚めた。すると彼は「寝坊して、黙祷するの忘れた。」と、とても悲しそうにしていた。恥ずかしい話だが、私は何の事を言っているのか分からなかった。聞くと、広島出身の彼はちっちゃい頃からずっと、8月6日には黙祷をしてきたそうだ。黙祷が出来なかった彼は、その日1日悲しそうに見えた。はっきり言って普段はちゃらんぽらんな男である。毎年黙祷してきた彼と比べると、私は今まで何をしてきたのだ、とまで思ってしまった。同じ日本人として、意識の低すぎる自分が本当に情けなかった。ちなみに、その次の年は大学の試験の関係で8月6日を共に過ごすことは出来なかったが、彼は黙祷をしたようだったし、私は生まれて初めて式典の様子をテレビで見た。その後3ヶ月ほどして彼とは別れてしまったが、彼はきっと毎年8月6日に、黙祷をしているに違いない。

    戦争に関して言えば、もう1つ思うことがある。
    中学生になったばかりの頃のお墓参りだったと思う。母方の実家は田舎で、1人に1つお墓がある。30近くの墓石が並び、正直ほとんどどれが誰のお墓か分からない。お菓子を供え、線香に火をつけていると母が言った。“これはおじいちゃん(母の父)の弟のお墓。おじいちゃんはみんなに言ってないけど、おじいちゃんの弟は体が弱くて、兵隊として戦争に行けず、それが恥ずかしくて家で自殺したんだよ。”
    祖父が内緒にしていることがどこからもれたのかは知らないが、その時私は、祖父の弟さんに申し訳ないが“そんなことで…”と思ってしまった。“私なら、戦争に行かなくてすんで良かったと思うけど。”そんなことを母に言ったら、“そんな時代じゃなかったんじゃないかな。”と言った。
    その意味を深く考えないまま私は歳をとってしまった。

    この本を読んで思う。
    あの頃は、国の為に戦うことこそが素晴らしく、誇りであったんだなぁと。
    そして彼らは自分の愛する家族、恋人を守るために戦っていた、飛んでいったのだと。死を数時間前に控えた彼らが書いた遺書には、彼らの優しく暖かい気持ちが詰まっている。(そして言葉遣いや文章がとても美しい。)死を前にしても、愛する人の幸せを願う彼ら。胸が何度も熱くなった。
    ただ思わずにはいられない。
    戦争さえなければ、彼らや彼らの家族には一緒に過ごす未来があったのに。

    言いたい。自分の為に戦わなくてもいい。愛する人には生きていて欲しい。

  • ネット書店の立ち読みコーナーにあったのをちょっと読んでみたのだが、その部分だけでも泣いてしまったので・・・本購入。

  • 特攻隊の記録本。
    こういうのを読むたびに、
    私はちゃんと生きてるだろうか?と不安になる。
    私は、彼らの守ろうとした未来に居るんだろうか?

    しかし3時間…。
    その時間を想像すると身がすくむ。
    残された者の絶望も…。

  • (2008.12.05読了)
    特別攻撃隊の関係者に取材してまとめた本です。月刊仏教誌「東方界」に「散華抄」と題して1983年1月号から1985年4月号まで連載したものということです。
    題名に、特攻隊という文字がないので、特攻隊に関する本とは知りませんでした。
    特攻隊員の手紙、手記、関係者の手紙、手記、談話、など読みだすと、涙が出てきて困ります。通勤電車で読むので、なおさらです。

    特攻隊について、知っているようで知らないことが結構あります。
    特攻は、海戦で、零戦を使って、爆弾を抱えて、アメリカ戦艦に突っ込む、というイメージだったのですが、・・・。
    (調べてみると、1944年10月の神風特攻隊は、上記の通りでした。)
    この本で取り上げられている特攻は主に、アメリカの沖縄上陸作戦の時に、鹿児島の知覧基地から飛び立っている。
    使用された飛行機は、九七戦、九九襲撃機、三式戦飛燕、一式戦隼、二式高等練習機、四式戦疾風、といった名前が出てきます。どのような戦闘機なのかわかりません。
    隊長となる人は、30歳ぐらいの人がいたりしますが、ほとんどは、20歳前後の青年達です。時期としては、1945年3月末から6月21日までとなります。

    ●千田孝正の遺書(84頁)
    孝正は此歳20年、じつに幸福すぎる程幸福に育ちました。神機到来、必沈を期す。明日の出撃のため今晩は早く失礼いたします。兄上たちによろしく。見よ孝正の腕を。
    ●日本史(89頁)
    戦後の日本人ほど、国の運命に殉じた人たちをないがしろにした国民もありません。今の高校教育では日本史は選択科目なのです。自分の国の歴史など知らなくても、ちゃんと大学を卒業できるのです。私が、都城出撃の隊員たちの故郷を訪ねて記録しようと思い立ったのは、あの理不尽な戦いのなかで一生懸命生きていた、彼らのいのちを証言するためでした。
    ●上原良司の辞世の歌(168頁)
     人の世は別れるものと知りながら別れはなどてかくも悲しき
    ●大石伍長の遺書(186頁)
    もうプロペラが回っています。さあ、出撃です。では兄ちゃんは征きます。泣くなよ静ちゃん。がんばれ!

    文筆家 神坂次郎
    1927年、和歌山市生れ
    1982年『黒潮の岸辺』で日本文芸大賞受賞
    1987年『縛られた巨人―南方熊楠の生涯―』で大衆文学研究賞受賞
    (2008年12月11日・記)

  • 教育が違うんだなー、この頃の人の日記とか手紙の文章は本当に美しいと思う。遺書ならなおさら。

  • テーマは「特攻」

  • 今日われ生きてあり

    その当たり前の事実に
    感激せずにはいられません。

  • 戦時中に日本のために命を懸けられた特攻隊の方々の遺書やエピソードが綴られています。
    何度も目頭が熱くなりました。
    特攻隊が命を懸けて敵艦に立ち向かったことが戦争の行方にどう影響したのかはわかりません。
    日本は戦争に負けましたし。
    でも、日本の将来、大切な人の未来を確かなものにするために、今の自分と同世代もしくは若い方々が、純粋な心で自ら犠牲になったという事実は、これからもずっと語り継がれるべきものです。
    「鳴くようぐいす平安京」「いい国作ろう鎌倉幕府」も大事かもしれないけど、こういう歴史をもっと学校で教えるべきではないでしょうか。
    僕が中学高校時代に受けた日本史の授業は、現代史はほとんどカットされてましたが。
    今、平和に過ごせていることは本当に有り難いです。1日1日を大切に過ごしていきたいです。

    ある特攻隊の方が弟に向けた遺書
    「弟よ、偉い人間というのは立身出世した者ではない。小才の利く人間に負けるな。肚で勝つんだよ。それが真の勝利だ。」
    とても印象に残った言葉です。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    僕の生命の残りをあげるから、おばさんはその分、長生きしてください―。特攻隊少年飛行兵たちはこの上なく美しく、限りなく哀しい言葉を遺して空に散っていった。その散華は国や天皇のためでなく、愛する妹、愛慕する父母、愛しい恋人のための勇敢な飛翔であった。そのあまりにも純粋で無垢な魂の呻吟を遺された手紙、日記、遺書、関係者の談話により現代に刻印した不滅の記録。

全35件中 1 - 25件を表示

今日われ生きてあり (新潮文庫)に関連する談話室の質問

今日われ生きてあり (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

今日われ生きてあり (新潮文庫)の単行本

ツイートする