デカルトの密室 (新潮文庫)

  • 340人登録
  • 3.47評価
    • (24)
    • (35)
    • (60)
    • (10)
    • (5)
  • 45レビュー
著者 : 瀬名秀明
  • 新潮社 (2008年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (617ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101214368

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部 みゆき
ジェイムズ・P・...
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

デカルトの密室 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小難しい話が続き、分からんなぁと思いながら遠ざかると、ふいになんとなく共感できる部分が出てくるのでまた引き寄せられるの繰返し。
    ロボットの知能(あるいは心)を考えるとき、機械からは遠いように思われる哲学の問題が出てくるのは面白い。しかし、人間は自分の枠を広げることは出来ても越えていくことはできないが、ロボットには枠を越える可能性があるとのだろうか。しかし、ネットもロボットも所詮人間が作ったものである以上その枠を越えることは出来ず、個を越えるだけだから、それほど魅力も感じないが。
    ところどころ前に解決した事件、という話が出てくるが前作があったのか。そういう「設定」なのかと思っていた。

  • ヒューマノイドと人間の話で、よく練りこまれてる

  • ヒューマノイドが商品化される近未来を舞台に、人間の意識・知能とは何かを探求する研究者を巡るサスペンス。脳科学、哲学、心理学、コンピュータ・情報理論などが展開されるアカデミックな内容の中で、自意識を持ったロボントのケンイチがボクとして一人称で語るところは中々深い。考えさせられました。

  • さすが科学者作家瀬名秀明という感じです。凄い作品だというのは判るんですが、私にはちょっと難しすぎました。ある程度理系の素養が無いと厳しいかなあ。

  • SFミステリー。
    久々に、分量も内容も濃い小説でした。
    人間と機械の境界は何か。そんなのは考えてもわからなかった。
    森博嗣『すべてがFになる』を思い出す内容も少々。

  • ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。


    ・レビュー

     面白かった。久しぶりにテンション上がりっぱなしだった。哲学は人を狂わすほどに面白くて、やめようと思ってもやめられない究極的な快楽だと思う。瀬名秀明のSFの面白さは『パラサイト・イヴ』で判ったのだけれど、『BRAIN VALLEY』ではSFだけでなく哲学の分野でも面白い小説を書くと気付いた。この作品『デカルトの密室』はSFであり哲学であり、そしてミステリでもある。個人的に最も好きなジャンル三つが含まれているのだから当然面白いわけだ。
     こんな文章から、この小説は始まる。
    “これは「知性(インテリジェンス)」についての物語だ。なぜこの宇宙に知的な存在が誕生したのか、なぜそのような存在はこの世界を、この宇宙を、そして自分自身のことをもっと知りたいと願うのか、なぜ人々は知能に魅了され、知能に幻惑され、知能の謎に搦め取られて、ときに殺人まで起こしてしまうのか、そういったすべての謎についての物語だ”
     『デカルトの密室』というタイトルを見た時、『我思う故に我あり』という概念の密室性に挑んだんだろうと思った。ずっとこのテーマで物語を書きたいと思っていたのだけれど、実際は難しいというレベルではない。それを見事にこれだけ読みやすい物語に落としこんでいるのは見事。
     しかし、内容はデカルト劇場の密室だけではない。人間は三つの密室に閉じ込められている。一つは身体。物理的な制約の密室。次に自我。思考する〈私〉を知覚することはできない。そして最後に宇宙。宇宙を認識することは何故可能なのか、認識するから宇宙があるのだとすればそれは観測者を含めて宇宙なのではないか。この三つの密室を巡って起こる事件と思考。そのための舞台として提示されたテーマはロボットと人間。ロボットと人間の違いは何か、考えるロボットが在ったとしてそれはいかにして判別できるのか、人間の自由意志とは何か、ロボットの自由意志とは何か。
     まさに知性へ挑んだ物語だった。答えのない哲学に限界まで挑んだ物語として読み応えのある小説だと思う。

  • SFミステリーと書いてあったが、SFホラー⁈


    理系、文系の垣根を超えた、頭の体操になる本。

    しかし、怖過ぎて夜に1人で読んでいたら1人で寝れなくなりました…笑。

    これは全然この本の本質ではありませんが…

    倫理学を改めて見つめるべきときなんだろうな。

    Apr, 2013

  • テーマについては非常に興味があるが、ただ混乱させられたように感じ、単なる"物語"として展開していた感がある。

  •  ロボットを作るときに製作者は「人間らしさ」を求めるが、では「ロボットらしさ」とはなんだろうか?
     なんというか観念的であるという前評判を聞いていたけれど、個人的には面白かった。好き。

     理系であるんだけれども、森博嗣ほど無機質な感じはせず、有機的というか感情が熱い。
     あとがきで石黒浩教授の名前があって噴いた。彼はロボットといえばどこでも出てくるんだろうか……。

  • おおむね面白く読めましたが、
    難しい用語がたくさん出てきて、
    飲み込みづらい概念も多くて、
    ちょっとわかりにくかったかもしれない。

  • こんなに凝った構成、人称トリックを仕掛けるには作者の筆力が足りていないように思えるが。随所に挟むのは科学薀蓄ではなくミステリとして面白くなる描写を。何回も読むよりは素直にマンガで読んだ方が多分面白い。5.0

  • 科学ミステリー小説。

    人型ロボットが実用化された社会。

    ロボットと人が共存。

    ロボットは知能を持つことはできるのか、

    ロボットは人を殺せるのか、

    ロボットは心を持つことができるのか、

    心を持ってしまったら人とロボットとの境界は・・・?

    ただのミステリー小説ではなく、

    サイエンスや哲学の話がめちゃくちゃいっぱい出てくるので

    難解ですが、何度も読むとおもしろいと思うので

    何度も読んでしまう。

    簡単に言うと「攻殻機動隊」っぽい。

  • もう何回読んだだろう。
    ハードカバーで出た時、痺れた記憶が今でもある。
    場所を取るからと手放したことを後悔していた一冊。
    その後、図書館利用で読んだけど、
    やはり手元に置いておきたいと思い、文庫で購入。

    私はあまり何度も同じ本を読まないが
    本作は何度目でも痺れる。

  • 久しぶりに、読んでいて頭がしびれるくらい、頭フル回転させられた作品。脳みそで汗をかいた、という感じ。

    チューリングテストを裏っ返して、人間がより機械らしく振舞うという発想とか、すごく面白かった。

    フランシーヌ オハラは、森博嗣氏の作中に登場する真賀田四季博士のイメージと重なります。

  • 哲学的な見解が大半締めてて理解に苦しんだ。物語やけど難しい哲学書みたいなかんじで物語に入り込みにくかったかな。

  • 作家ではないので推測でしかない。

    でも、この作家さんはもしかしたら、
    まるで恩返しをした鶴のように、身を削って作品を仕上げているのではないか、
    そしてその作品はあたかも、彼の作品世界への試金石なのではないかと思う。

    正直、読みやすくはない。

    科学の知識がてんこもり、さらにその文章が精緻で、
    いわゆる抜けの部分が少ない。
    しかも意図的に(のはずだ、多分)一人称の主語が誰を指すのかが曖昧で、
    時にその時制までもが緩やか、章と章に起承転結が分かれて配置されている。

    デカルトの密室というタイトルの趣旨は理解しつつも思わず、
    デカルトの迷宮‥ と、間違って記憶してしまいそうだ。

    いやいや、お菓子で言ったら月餅?クリスマスのフルーツケーキのように、
    みっちりと重力を感じる、重たい作品。

    文章に重力があるとしたら、きっとそれは作家さんの思いに違いない。

    真っ向勝負で、受け止められるか?

  • とても期待していたのだが、非常に時間がかかった。

    とにかく読みづらい。人物に厚みがない。

    筋そのものはとても面白いのだが、懲りすぎかもしれない。AIテーマを模索中だろうが、登場人物を一新してどしどし新作を作っていけば、きっと傑作が生まれるような気がする。

  • ロボットと人間の境目を模索するSF小説。
    東北大学の博士号を持つ元講師が書いているだけあって、内容が濃い。
    自ら考える知能を持ったロボットは人間とどう違うのか、人間らしさやロボットらしさってなんだろうか等々、近年現実味を帯びてきた問題について葛藤する研究者が描かれている。
    ips細胞の研究も進んできて、人間が造れるようになったら世界は随分変わってしまうだろうな。。という漠然とした恐怖を感じた。

  • 読んだー!!!

    立ち上がりの部分がすごく面白くて、引き込まれるように読み始め、
    途中あまりに難解な哲学とか情報とかの理論に次第に食傷し、
    でも、解らないながらにそれを何とか理解しようと考えて、
    示唆を与えられたり、構成や文章の緻密さに感動したり、
    読み応えのある作品でした。

    ロボットと人間との差異を考えていく中で、
    自分・人間とは何者なのかとか、
    自分たちが見ている世界ってほんとは何なのかとか、
    改めてちゃんと考えてみなさい、
    という示唆を感じました。

    とくに私がいいな、と思ったのは、
    ロボットの不気味さとかがたくさん書かれるけど、
    最終的にはロボットを好意的に受け止めて、
    肯定して、ロボットはロボットとして、
    一緒に生きていこう、的な流れになったところ。
    ジャズのシーンあたりからのくだりがとても素敵でした。
    ケンイチくんがなんかとても愛しくなってくる。
    作者のロボットへの愛情みたいなものを感じられて、
    それで読後感が非常によかったです。

    いろいろちゃんと勉強して、
    もういちどじっくり読み返したいなと思いました。

  • 裏打ちの厚さって重要なんだな。
    それにしても哲学者とか科学者は地や空を考えすぎて失うのかなぁ。着脱自由な四肢切断とかあり?
    ぼく幻惑はちょっと読みのリズムがもたついたけど、まぁ意図してやってるんだからしょうがないか。

  • 切り口がいつもの脳なんたらじゃなかったから新鮮
    まあ人工知能の話なんだけどw
    誰視点か考えながら読むのも面白かった

  • ロボットと人間の知性と自我についての論理と哲学

  • ロボットと人間、倫理と哲学、自我の話。

     自分の知識や読解力の弱さを棚にあげるのも心苦しいところではありますが、対象となっている、科学技術、倫理、精神学上の知見が乱立されている印象が強く、全体的に何が示されてたのかよく理解できませんでした。

    チューリングテストのコンテスト、中国語の部屋などは物語の舞台としては大変魅力的であり、文章も巧みであるため威風独特な雰囲気は十分に感じられるのですが、その舞台の特殊性がどのように生かされたのか、とどのつまり何のためのエピソードだったのかが最後まで理解できず、もやもやとした消化不良に苦しみました。

    作中では舞台の転換や主格(ぼく)の転換が激しく、確かにそれは筆者の恣意的なものではあるのでしょうが、読者にとって有意義であるか否かは別の話であり、残念ながら全体的に理解に至らなかった自分としては、無駄に読者を混乱させるだけの要素としか感じられませんでした。
    背景にある科学技術の難解さ、人間の全てを知覚するという壮大なテーマに内在する抽象性 神秘性と相まって、いつまでたっても問題の複雑度があがっていき最後まで収束していないという解釈にとどまりました。

    訳知の優秀なキャラクターたちが、お互いに観念をこねくりまわして、思考のループの再確認して満足している、そんな印象です。
    結局は、読み手の能力の問題なのでしょうか・・・?

    神経伝達の束を意識と同義であると捕らえること、自己を書き換えながら増殖と連携を繰り返すソフトウエアに自我の発現を見るという考え方、量的な制約から解放されていることを上位層への遷移と考えることなど(そもそもこれらは誤解なのでしょうか・・)全く理解というか納得できませんでした。
    メタな視点から観測できない差を、差がないと捕らえる考え方など、これらは哲学のものなのでしょうか?
    下積みがないと太刀打ちできないということなのかもしれません。

    他の方のレビューで、再読によって大きく印象や解釈が変わったと書かれている方が多かったように見受けられます。
    今は食傷気味ではありますが、哲学が少しでも身に宿る機会があれば改めてチャレンジしてみたいと思います。

    「不気味の谷」というものの存在は非常に興味深く、感覚的にも非常に納得できます。
    本編とは全く関係ありませんが、時々メディアで見かける女性型ロボット・・・、たぶん高度な技術の結晶なのでしょうが、外見を人間へと近づけていく方向への技術革新とその成果には違和感を通り越して嫌悪感を覚えてしまいます。

    歳なのかもしれないですね・・・。

  • フランシーヌ・オハラから真賀田四季と、ケンイチがロイディと重なってしまう。

全45件中 1 - 25件を表示

デカルトの密室 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

デカルトの密室 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

デカルトの密室 (新潮文庫)のKindle版

デカルトの密室 (新潮文庫)の単行本

ツイートする