まぶた (新潮文庫)

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著者 : 小川洋子
  • 新潮社 (2004年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215228

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まぶた (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「バックストローク」が好き。静かな世界たちの話

  • こういうお話しも書くのね。どの短編もちょっと不思議な雰囲気が漂っているのだが、現実的な部分もあって、そのアンバランスさが魅力的。どれもそれぞれに良かったけど、「バックストローク」が特に好きかな。

  • 8編の短編集。まぶたを閉じて現実と夢とが混ざりあっている時のような感覚になる。読後は「?」が並ぶ話ばかりであったし紐解きたいとも思わないけれど悪い心地もしなかったのは文章が読みやすいからだろう。特に「リンデンバウム通りの双子」は雨の憂鬱さと温もりとが感じられ、心も湿った気がした。

  • 純文学の世界?世界観が出来上がりすぎてておもしろいかどうかわからなかった...

  • 【私がタイピストになった理由】

    私が通う専門学校はもともとタイピスト養成学校だった。今でこそ、IT専門学校などと名乗っているが、昔この場所には女学生が溢れ、溢れ返っているのに皆無口でひらすらに細かい活字の海を飛び回っていたのだ。

    小川洋子にタイプライターはとてもお似合いだった。それもとても古くそして、管理の行き届いた美しいタイプライターだ。適度に使い込まれ、それでも汚れてはいないタイプライター。小川洋子がタイプライターという七文字を打ち込む姿を想像しただけで、私は幸せな気持ちになるのだ。私にとってタイプライターは特別な存在になった。小川洋子の作品にはその描写がなくても、いつもどこかでカタカタとタイプライターの音が聞こえるように思える。新しく読む作品の中にその七文字を見つけた時は私は舞い上がってしまった。そして、この作品の中にも幸せな七文字はひっそりと紛れ込んでいる。

    私は思う。今でも、タイピストという仕事があったなら、私はなにを置いてもタイピストを目指しただろう。無口で言葉を愛せる仕事にもしもつくことが出来たのなら、とても幸せなのにと夢想した。

  • 読友さんの感想を拝見し、小川洋子さんってこういう作風も書くのか?と気になり手に取ってみた。悪夢なのか?それとも現実なのか?そんな感覚を行き来する不思議で奇妙な話が連続する短編集である。フェチや執着心が狂気を誘い、かと思えば心温かくさせて独特の世界観を堪能した。妙な緊張感とモヤモヤ感を併せ持つこの幻想譚こそきっと小川ワールドなのだろう。

  • 新聞で紹介されていたのを機に再読、★3.5ですがおまけで★4。手元に過去読んだ本を置いておくとこういった好機に直ぐ読めるというのは捨て難いです。その逆に狭い家がどんどん乱雑になっていくという代償は払わねばなりませんが。
    まぁさておき小川洋子の世界が全開。フェティシズム、収集癖等々全てが死に結節する独自の感覚と言って差し支えないんでしょう。そのほとんどが非現実的なお話であるのに、今まさに眼の前にあるような不思議な感じを受ける。
    更にさらっと読めてしまうのもこの作家の力量がなせる技かと思われ。

  • とても現実的なのに不思議な世界。だるい夢のような物語が続く短編だが、人物や物事や出来事が少しだけ繋がってるような気がした。女性的、生と死、人間の器官、年寄り、食べ物、クラッシック音楽など、各短編に共通項がある。描写がうまいのであろう、現実にはありえないことなのに頭にぱっと映像が流れる。
    個人的には「飛行機で眠るのは難しい」、が好き。

  • 奇妙で、面白いという印象から、「バックストローク」から圧倒を抱き始めた。詩人の卵巣、リンデンバウム通りの双子も圧倒的。死に触れるからこそ生を感じる。喪失、欠損から、いま、ここがあることが分かる。だから文学は偉大だ。

  • 詩人の卵巣に、ぐっときました。

    ひずみにひそむ世界を密やかに書き上げているように思いました。

    小川洋子さんを凝縮した一冊です。

  • 小川洋子さん、何作か著書のタイトルは知ってたけど読むのは初めて。
    静かで淡々とした文章がすっと馴染んで心地よかった。好みの作家さんかもしれない。他の作品も読んでみよう。
    「飛行機で眠るのは難しい」と「詩人の卵巣」が好き。

  • 日は小川洋子の小説「まぶた」(新潮文庫、2004年)を紹介します。
    たまに本棚を整理すると、「なんでこの本買ったんだっけ」という本が出てきませんか?
    私にとっては、「まぶた」がまさにそんな一冊でした。本棚整理中に発見したのですが、そんなに小川洋子の小説を読んでるわけでもなく、いつ買ったのかも、なんで買ったのかも全く思い出せなかったのでとりあえず読み返してみました。そして思い出しました。
    「まぶた」に収録されている、「バックストローク」という短編がとても良かったので買ったんだ…!と。
    「バックストローク」は水泳選手だった弟の話です。読み終わった後、やるせないような、どうにもできないような、かなしいような気持ちになりますが、とても心に残ります。全くうまく説明できませんが、とても短くてすぐに読める本なので、気が向かれましたらぜひどうぞ。

  • むしょうに読みたくなる小川洋子作品。
    【薬指の標本】みたいな雰囲気。

    ちょっと怖くて、
    ちょっと気持ち悪くて、
    ちょっとわくわくする感じ。

  • ふと目を覚まして薄暗い部屋の中で、
    なんか夢見てた気がするな
    怖い夢だった気がするな
    でも悲しい夢だった気もするな
    ってぼんやりする感覚と似てる。

  • 現実と悪夢、生と死の間を行ったり来たり。まぶたの開閉がシャッターのように瞬きひとつで別世界になりそうな緊張感が心地良い。まぶたを閉じると無限の悪夢、開いたままだとそれは死を意味するのだろうか。色々なフェティシズムを含んでいて興味深い。特に強烈なインパクトのある話はないかも知れないが「まぶた」「匂いの収集」「飛行機で眠るのは難しい」がわりと好み。しかし全体を通しての統一感が凄いと思わされた。やっぱり小川ワールド好きだな。

  • 短編の方が読みやすい。フランス映画のような暗さがあります。

  • 大好きな小川洋子さんの短編集。世界観は相変わらず独特で、らしさを発揮している。
    このインパクトのある表紙の本を読んでいる私に「それってどんなお話?」と聞く娘にあらすじをうまく説明できなかった。そんな確固としたあらすじがあるようなないような話が並ぶ。大きな起伏やオチがあるわけではないが、なんとなくその世界にハマっていく感じ。

    「バックストローク」が特に印象的。

  • いつか読んだ話の、本当のこと

  • 「現実と悪夢の間」という、裏表紙の解説がぴったりの短編集だった。
    誰もが持っている眠るための物語、というフレーズが最初の一編「飛行機で眠るのは難しい」に出てきたが、この本に収録されている物語はどれも、それになり得そうだ。

  • バックストローク、この母親のリアルさ

  • おっさん、通報されてもしゃあないと思いますよ、幼女連れ回し過ぎでしょ(頻度と挙動の問題)。

    客観的に見てそう大したこと出来そうなおっさんでもないですけど、小野洋子マジックで完全にアウトになってんのか、それともおっさんが意外と変態でアウトになってんのか、どっちなのか判断つきませんけど、限りなくアウト。犯罪。淫の行だよ!!!!

    それはさておき、標題「まぶた」のように、今回もニッチなところを突きまくってエロかったり切なかったり小野洋子さんは忙しいですね。でも、今回は短篇集というのもあってか印象に残る作品は少なかった印象。それもまたすごいとは思います。ただ幼女連れ回したおっさんのインパクトが半端なかっただけかも?

  • 安定の小川洋子さん、何気ない描写からも滲みでてしまっている感じの感性、好き
    「詩人の卵巣」 が染み渡った

  • 【経緯】
    小川洋子の短編読んでみたくて

    【目次】
    •飛行機で眠るのは難しい
    •中国野菜の育て方
    •まぶた
    •お料理教室
    •匂いの収集
    •バックストローク
    •詩人の卵巣
    •リンデンバウム通りの双子

    【感想】
    「まぶた」。現実と夢、対峙と無視、生と死の境界線たりうるもの。
    虚構と現実が絶妙に混じり合って、読後なんともいえない共感と気持ち悪さを感じた。後日ひとつひとつの感想を記しておきたい。

    【共感】
    •ペンパルは現実の辛気臭いことをいうより虚構でも盛り上がったほうがロマンティックで楽しいと思う。赤毛のアンっぽくて好きよ。

    【引用】

    【不可解】
    はっきりとは言わないで、読者に考えさせる感じさせることができる小川洋子って、スゴイ。

  • 自分からは遠いけれど、決して非現実的ではなく。世界のどこかで、ひっそりと紡錘がれているような奇妙な話。小川洋子の話を読むと、汽水域、の言葉が思い浮かぶ。海水と淡水がひそかに混じりあった、煩くもなく、落ち着いた世界。そこには海水で生きるものの淡水で生きるものとの生と死が静かに拮抗しつつ、微妙なバランスを保っている。作品の完成度でいうと、「海」の方が綿密で、魅惑的。

  • 小川洋子のブレない創作姿勢がすばらしい。

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