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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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母はただ弟を愛することのみに生きた。もっとも彼女だけが信じる愛しかたで、という意味だけれど。(バックストローク)
― 135ページ -
私は毎日、拭き掃除をします。テーブルの上や窓のさんやランプのシェードや展示ケースを雑巾でぬぐいます。明日になれば、また一日分の埃がたまります。なにものにも邪魔されることなく、埃は降り積もります。その確かさは、明日私がまだ生きていて、今日と同じように拭き掃除ができる確かさに比べれば、何倍も強力なものです。太刀打ちなどできません。…そんなふうに考えると、死ぬことがちっとも怖くないんです。
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二人きりの時、貧血を起こすのはわたしの方だ。
どんどん身体の支えが失われてゆき、やがてわたしのすべてが彼に委ねられる。
― 79ページ
みんなの感想・レビュー・書評
久しぶりの小川洋子作品。
ずいぶん昔に、友人から「お前のまぶたのラインが良い」と言われたことを思い出して、ほうっとなった。
短編集。
偶然か、運命か、たまたま居合わせた人や、偶然出会った人との、奇妙な体験が、静かに語られているものが多いです。
どのお話も、ひんやりとした空気が流れていて、雑音のない、美しい作品でした。
「匂いの収集」などは、読み終えたあと、思わずため息をついてしまうくらい、美しいお話でした。
ひそやかな短編集。情景が瞼の裏に浮かんでくるような。表題作は『ホテル・アイリス』の前身?あと解説がすごく秀逸。
淡々としているようで、どこか奇妙な感じのする短篇集。
独特の雰囲気が、何とも小川さんらしいです。表題になっている「まぶた」を始め、どの物語も不思議な後味が残りました。
独特。不気味さがあって、気持ち悪さがない。すぱっと終わる。考えされはしないけど、シーンの画像が強く残る。
表題作を含む、8つのお話が収められた短編集です。
表題作の『まぶた』は、『ホテル・アイリス』によく似た話でしたが、あんなに激しくはなく、オチも少し違いました。
どの話も、死、或いは死に近い気配が感じられ、どことなく不安な気持ちになります。
それが、非常に小川洋子さんらしくて、好きなのですが。
凄いな、と思うのが、読み始めてすぐに、彼女の世界にぐっと入り込んでしまうところ。
長編も好きだけれど、やはり、短編が凄く上手い人だなぁ、と、感じました。
現実のようで、すべてが非現実。
白昼夢みたいな心地よさと残酷な鋭利さ。
最後にすっと冷たくなるような。
ハードの表紙の方が好き。小川洋子ワールド。
清潔な、というより清廉な?、生々しさとかグロテスクさ、痛々しさ。友部病院で読みたい。
最後から二番目の話が好き。
小川さんの書く男性はみんな優しくてスマートですごく紳士なんだけど、時々見せる素の表情がどこかいやらしいと言うか、強かと言うか、妙に人間くさくて好き。
読んだ後は少し寂しくなる話が詰まった短編集。小川洋子さんの小説は体の一部だったり、親しくしていた人だったり当たり前のようにそこにあるものを失うお話が多いですね。
気持ち悪い、怖い。
読んでいた時の感覚が、アイヴスの交響曲第1番を聴いている時とそっくりだった。
電車で読んでると、酔った。
物語の中を漂う空気は、本当に作られたものだった。
気持ち悪い。
読み終えたあとに何が残るのか。考えさせられもしない、違和感だけだった。
小川洋子さんの短編小説の読後感は夢から覚めたときに「夢か…」と思う感じに似ている気がします。
行間の読ませ方、心象風景や空気ですら感覚に響かせる表現が好きです。同じ言葉を使っているのに、なんでこんなに文章の雰囲気を変えられるんだろう…

小川洋子さんらしいというのか、「身体描写」とそれに伴う不気味な雰囲気や世界観が感じられた。
どの話にも「生と死」に関することが共通して書かれており、そこから何を感じとっていくかが自分の中での課題。
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