海 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215242

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  • ひよこトラック
    40年間町で唯一のホテルのドアマンとして働いてきた初老の男性と言葉を失った6歳の少女との交流
    あとがきより
    小さな場所に生きている人を小説の中心にすえると、物語が動き出す感じがする。
    ひとつ世代が抜けている者同士のつながり
    年齢を重ねた人は死の気配、匂いを漂わせ、若い人は現実の生々しさを発信している。そのふたりの交流はダイナミックなものになる
    ほのぼの感も盛り込みつつ、気味の悪さや残酷さといった、どこか死を連想させる差し色を量を加減しながら作品の中に必ず混ぜ込む。死は生に含まれている。今笑っている自分のすぐ隣にも死がある。

  • いずれの作品も詩を読んでいるような錯覚を覚える。純文学なのにこれだけ引き込まれる作家はいないと思う。

  • たとえ一瞬でも自分を思い出してくれる人がいるっていいね。外の世界で自分の存在を感じられる瞬間だと思う。

    私の人生にも題名をつけて欲しいな

  • 短編集
    ありふれた生活の何でもないような出来事が特別に感じられる。
    現代でも過去でも、それぞれの仕事、生活。

  • 小川洋子の本って、他にない読み応え
    10年以上積んどった本を手に取ったら引き込まれました。

    どう進んでいくんだろ、という怖さあるけど、ホラーではないし、読む人にゆだねられてるのを感じる
    押し付けられてる感じがしない。
    不思議に心地いい

    ブラフマンの埋葬とともに大切な本になりました。

  • 眠れないときに読む本。「読んでると眠たくなる作家」ではなく、「読んでると眠りに落ちる精神状態に近いところまで連れて行ってくれる作家」

  • 著者独特の世界観に浸れた。
    あとがきに著者の作品では年の離れた登場人物の交流が描かれることが多いと合ったが、この短編集もそうで、その交流が確かに面白い。

  • 前に読んだことあった本だった

    ・タイピストの話とホテルマンと少女とひよこの話が印象的

  •  

  • 静かに話が進んでいく短編集。
    読後もやっとする話が八割を占めていた。
    不器用な人が頑張って他人に合わせようとする様になんともいえない居心地の悪さを感じた。
    著者作品初読。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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