博士の本棚 (新潮文庫)

  • 738人登録
  • 3.56評価
    • (27)
    • (60)
    • (75)
    • (10)
    • (3)
  • 68レビュー
著者 : 小川洋子
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215259

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
小川 洋子
有効な右矢印 無効な右矢印

博士の本棚 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 作家さんには、変なパーソナリティでもそれが似合う人と、ちゃんとした人だといいなあ、と思う人がいる。無意識のうちに作風から作者のパーソナリティを想像してしまう。
    小川洋子さんのエッセイを読むと、家庭人としてもきちんとした生活を営まれているのだなあ、と思う。そして、そのことにほっとする。作家と言うとへんな性格で、不規則な生活をして自堕落で…みたいな偏見があるものだから。今の時代のように作家さんたちのプロフィールやパーソナリティもある程度公表されるようになってくると余計に、作者の人となり、ということを、本を読んだときに感じてしまうのだ。作品への評価に関わるというわけではないのだけど。

    小川さんは毎日ご家族の世話をして、家事をして、そして規則正しく執筆にとりくんでいる。偏屈さもなく、お友達とちゃんとおつきあいをして、ご近所づきあいもちゃんとされていて、犬の散歩もして、とてもきちんとしたおくさまだ。でも実はその頭の中に不思議なこと、詩的なことがいっぱい、というところが更にすてきだ。

    そんな小川さんがいつくしむ日常や、本のお話がとても素適な作品。小川さんが作家になるきっかけになったアンネの日記はぜひもう一度読み返したい。

  • 読書エッセイを読むのがたまらなく好き。

    本の話ができる友達が周りにほとんどいないから、(友達自体ほとんどいないが)自分が好きな作品や既読の作品について書いてあると心のなかで相槌打ったり言葉を返したりしながら読んでいる。

    それで、その中の気になった作品を本屋に買いに走ったり、また読み返して、もう一度そのエッセイを読む。報告するみたいな感じで。

    というわけで今回は「アンネの日記」を読み返し、「富士日記」を買いに行きます。

  • 人の本棚を覗くのは、どうしてこんなに楽しいんだろう?

  • その本に纏わる思い出や感じたこと。書評を書いてる人たちって本当にすごいと思う。今こんな風にレビューを書いてるけど自分の感じたことを言葉にするのは苦手で、ありきたりな言葉でしか表現できないし何を感じたのかさえ分かっていないときもある。一冊一冊考えながら感じながら読めば自然と自分の世界も広がるのかなと感じた。

  • まだ、できないな~。
    今まで読んだ本を振り返るのは。
    と思いました。

    特に学生時代読んだ本は宝物のように大切であると同時に、ひょっとしたらそう思い込んでいるだけで、再読してガッカリしたら宝物が逃げるような予感がします。


    アンネの日記とサリンジャーの行を読んで、閉じ込めた宝物を開けたい気もしましたが、もう少し先のような気がします(〃⌒ー⌒〃)ゞ

  • 書評とエッセイ。
    同じ作品を読んでいることにうれしくなったり、未だ知らなかった作品を知り得たり。
    そっと本棚の片隅に置いて、ふと手に取りたくなる一冊。

  • 目次は、

    1 図書館の本棚 子どもの本と海外文学
    2 博士の本棚 数式と数学の魅力
    3 ちょっと散歩へ 犬と野球と古い家
    4 書斎の本棚 物語と小説

    になる。エッセー集のつもりで手に取ったのだが、ほとんど書評。著者のなみなみならぬ本に対する愛着が感じられる。

    仕事が終って家に帰ると、村上春樹の短編集『中国行きのスロウ・ボート』を何度も読み返した。神経にこびりついた現実を払い落とし、伸びやかに呼吸するために、言葉の世界に身体を浸す必要があった。(p. 263)

    他の箇所も合わせて、ほんとに本に対する賭け方が違っていると思った。小説を書くことも読むことも同じ場所から始めると言い切る人だけのことはある。

    『ナイン・ストーリーズ』をファンタジーと読んだこと、短編宝石箱、ノート、H君、葬式、ハイ取り紙、武田百合子、「細分化」、フランス、それから大江の影響なんかが印象に残った。

    犬好き、野球観戦もよかった! 芦屋に住んでるんだ!

  • 小川洋子さんのエッセイ集。

    今まで自分が読んできた本の話かなと思って読み始めたら、
    それだけでなく、愛犬の話や作家という職業への思いや
    日々の生活の中で起きる事件や出来事、そこで考えた事などが、
    淡々と、しかしとても大切に、愛情をこめて、書き連ねてある。

    このエッセイを読んで感じ入ったのは、
    小川洋子さんの持つ謙虚さ。

    芥川賞をはじめとして多くの賞をもらっている
    才能溢れる作家であるにも関わらず、
    白紙の原稿用紙を前にして、自分の胸に湧き起こる
    「もしこのままずっと書けなかったらどうしよう。」
    といった焦りや弱気を読者の前に広げて見せてしまう潔さ、
    ある作家の著作を読み、その作品の魅力を語っている内に、
    「私はこんなすごいもの書けない。」と素直に告白してしまう
    正直さには驚かされる。

    この謙虚さこそが、彼女を思慮深い作家にし、
    生命を見つめるその目は優しく、
    真理を切り取るメスならぬペンを持つ手は慎重にさせ、
    素晴らしい作品を生み出す源になっているのかもしれない。

  • この人の書評は面白くない。エッセイも。小説は別だが。創作上の原点はいくつか伺えた。
    先生と出会えた幸運、は良かった。平岡篤頼。

  • 『博士とは誰か』

    小説を書き始めてから、あまり小説を読まなくなった。エッセイや写真集に物語を探している。

    私は今毎日コツコツと小説を読んでいる。その中の物語にどっぷりと使っている。

    世界に魅せられているのは、同じ。内側の世界と閉じる世界。

  • 静かに流れる「時間」を感じます。
    何かを育んでくれるゆりかごのようです。

  • エッセイを読むのが面白い理由は、小説が生まれるきっかけとなったと思われる出来事がちりばめられているところだ。クラフト・エヴィング商會、フランス人翻訳家、青年Jなどなど、これらはあの本のあのお話に関係するのでは?と一人でいろいろと推測するのは、ファンにとってひそかな楽しみだろう。

    どのエッセイを読んでも、小川さんの優しさが溢れているように思う。

  • タイトル通り、小川さんが心打たれた本、思い出に残る本について書いたエッセイ集。
    たまに犬や家族、仕事の話など。

    それぞれの本や出来事に対する考察も興味深いけれど、一番心に響くのは書くこと、表現することについての苦しみと喜びについてである。
    そして物書きとして小川さんが励まされる思想というものはどれも深い。
    元の文章も良いのだろうけれど、それを咀嚼し自分の養分としているところが、小川洋子の世界観を保ったまま上質な文章を書き続けられる秘訣なのかと感じた。

    書くことに限らず、あらゆる活動は最終的に死に至る人間の運命と照らし合わせるとあまりに空虚で無力感を覚えさせるものだ。
    だけどいつか自分の痕跡が跡形なく消え去っても今表現を辞める理由にはならないという強い意志が心地よい。

    それにしても小川さんのエッセイに出てくる阪神はいつも負けている。

  • 好きな作家の本当に愛する本を知れるという、それを共有することができるという幸せ。

  • 小川洋子さんも村上春樹の愛読者だったのか。
    改めて、「中国行きのスロウ・ボート」を
    読んでみよう。

  • 自分が読んだ本を、ひとはどう読んだのだろう、と知るのは楽しい。自分が読んだことのない本を、こんな風に読めるものがあるよ、と教えてもらうのも楽しい。
    物語を静かに愛している文章が、本を読む幸せを耳打ちしてくれる。

  • 図書室で夢中になった「秘密の花園」「小公子」、でも本が無い家だったので愛読書はなんと「家庭の医学」だった。13歳で出会った「アンネの日記」に触発されて作家を志す。オースター、ブローティガン、内田百閒、村上春樹…本への愛情がひしひしと伝わるエッセイ集。思わぬ出会いをたくさんもたらしてくれた「博士の愛した数式」誕生秘話や、愛犬の尻尾にふと白毛を見つけた感慨なども。

  • 本がほんとうに好きな作家さんだと思った。
    ただ、『博士の愛した数式』を未読のひとはあまり楽しめないかもしれない。

  • ちょうど『博士の愛した数式』を読んだ後に発売され、似たようなタイトルだからきっとまた小説なんだろうと思って買ったらエッセイ集だった。あれからもう三年。

    小川洋子さんには、日曜朝のラジオ番組『パナソニックメロディアスライブラリー』でお世話になっています。この番組同様、小川さんの本への愛情がよく伝わってきます。

    小川さんの読書体験や本の感想がずっと続くのかと思いきや、『博士の愛した数式』にまつわるエピソードがあったり、飼っている犬「ラブ」や野球のエピソードがあったりと想像以上にバラエティに富んでいた。

    子供の時に一家で後楽園に行ったこと、蠅取り紙に魅力を感じて指をつけてしまったこと、早稲田大学在学中の思い出、医科大学で秘書をしていたことなど小川さんの過去がところどころで紹介され、そうしたエピソードが特に印象に残った。

    リスーピアに行ってみたくなった。

  • う〜ん、おもてた感じと違った。

  • 書評だと知らずに読み始めた。

    読んだことのある本がいくつかあったので良かった。
    けど、全て読み終えてから、再読するのも良いかもしれない。

  • 途中で飽きた。読んでいない本の書評を読むのはきつかった。表現が過度というか大袈裟では。きれいにまとめすぎるというか。

  • 小さいころからの読書体験を中心に据えたエッセイ。書評がメインとなるが、書評と言いながらも小川洋子氏の思想と内奥がしっかり横糸となって織り込まれている。単なる書評だけに終わっていない。氏の横顔を追いながら行を進めた。

  • アンネの日記、アウシュヴィッツ、博士の数学 つながり


    1 図書室の本棚 子供の本と外国文学
    ・図書室とコッペパン
    ・秘密の花園、小公子、小公女
    ・抱き寄せたいほどに愛らしい兄弟の物語
    ・うさぎとブリオッシュ
    ・映画『クロエ』と『うたかたの日々』その幸福な関係
    ・博物館に収蔵された物語
    ・死に彩られたファンタジー
    ・金曜日の夜、読みたい本
    ・空想倶楽部結成
    ・小さな果てのない世界を作る才能
    ・泉に沈める宝石箱
    ・クリスマスツリーはどこから来るか
    ・ジム・ナッシュの墜落
    ・私の夢は唯一、ものを書くことだった
    ・斜視の瞳に映る記憶
    ・偶然の意味を読み取る作家
    ・時間と空間を宙に浮かんだ塊に彫刻していくような小説の数々
    ・イーサン・ケイニンよ宿命
    ・アンネ・フランク展に寄せて
    ・斎藤真一の『星になった?女』
    ・科学と物語の親しさ
    ・起源、洞窟、影、死
    ・翻訳者は妖精だ
    ・烏城と後楽園と四つ角ホテル
    ・フィクションの役割
    ・私の愛するノート
    ・青年J
    ・行列からはみ出す

    2 博士の本棚 数式と数学の魅力
    ・三角形の内角の和は
    ・完全数を背負う投手
    ・素数の音楽に耳を澄ませる人々
    ・死期迫るノーベル賞学者が語る自然の偉大さ
    ・やんちゃな末っ子

    3 ちょっと散歩へ 犬と野球と古い家
    ・気が付けば老犬
    ・わずか十分の辛抱
    ・散歩への愛 永遠の謎
    ・原稿0枚
    ・風の歌を聴く公園
    ・『犬が星見た』のあとがき
    ・申年の梅干し
    ・深遠なる宇宙の摂理を生活の記録の中に抽出
    ・異界を旅する喜びを味わう
    ・住んでみたい家
    ・細分化
    ・蝉取り紙、私が最後を看取った蝉たち
    ・私の週間食卓日記
    ・知らないでいる
    ・野球は人生を身体で表現
    ・犬の気持ち、代弁する息子

    4 書斎の本棚 物語と小説
    ・葬儀の日の台所
    ・アウシュヴィッツからウィーンへ、墨色の旅
    ・日記帳の贈り主
    ・傷つきすぎる私
    ・ありふれた生活に感謝
    ・子供時代にたっぷり誉めて
    ・なぜか出せない親への手紙
    ・循環器内科待合室
    ・あきらめず、愚直に、同じことを
    ・人間として当然のこと
    ・たくましさに潜む切なさ
    ・ほおずき市
    ・言葉を奪われて
    ・重層的魅力の母と息子の濃密な物語
    ・私の一冊
    ・「歴史的背景」を越えていきいきと輝く文学性
    ・頼るべきものなき世界夢と現実の間の「狂気」
    ・死の気配に世界の深みを知る
    ・本屋対象の御褒美で買った本
    ・男を置き去りにして
    ・私が好きな「太宰」の一冊
    ・最上質の愛に包まれた看取りの文学
    ・作家を廃業した私の姿
    ・閉ざされた徒労感
    ・パリの五日間
    ・先生と出会えた幸運
    ・『中国行きのスロウ・ボート』を開きたくなる時
    ・あなた以外に
    ・閉じ込められるということ
    ・ぶれを味わう
    ・濃密な闇を循環、美しい孤独
    ・自分のすべてを許させる喜び
    ・無口な作家
    ・死の床に就いた時、枕元に置く七冊
    ・響きに耳を澄ませる

    あとがき

  • 難しい本。知らない本ばかりだから。犬は散歩で世界片隅の秘密を毎日探っている。

全68件中 1 - 25件を表示

博士の本棚 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

博士の本棚 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

博士の本棚 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

博士の本棚 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

博士の本棚 (新潮文庫)の単行本

博士の本棚 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする