セント・メリーのリボン (新潮文庫)

  • 62人登録
  • 3.96評価
    • (10)
    • (6)
    • (9)
    • (1)
    • (0)
  • 10レビュー
著者 : 稲見一良
  • 新潮社 (1996年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101218120

セント・メリーのリボン (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 確か、何年か前、病気でお亡くなりになった作家の作品。つまり、この人の作品は増えることがないということ。なかなかファンも多かった作家だけに、残念です。わたしも、今回読んでファンになりました。

    さてこれは「焚火」「花見川の要塞」「麦畑のミッション」「終着駅」「セント・メリーのリボン」の5作が入った短編集です。
    あとがきに「男の贈り物を共通とする主題とした」とある作品集だけに、それぞれの作品で確かに様々な贈り物が出てくる。


    「焚火」ではやくざに追われる主人公の男に、焚火をしていた老人から焼きたての芋とハムが。
    「花見川の要塞」ではフリーカメラマンの男が、ある日花見川付近で見かけた老婆と少年から、第二次世界大戦中のある作戦に参加できるというプレゼントが。
    「麦畑のミッション」では同じく第二次世界大戦中、今度はイギリスで暮らす少年の元に、その父が自分の乗る爆撃機を着陸させるクリスマスプレゼンとを。
    「終着駅」では東京駅で赤帽をしている弟から、やくざから奪った億単位の金が詰まったボストンバックが。
    「セント・メリーのリボン」では、全盲の少女に盲導犬が。

    全てどこか懐かしい、少年の日の田舎の空気が漂う、最後はほんのりとした気持ちになる作品ばかりです。
    この作者が狩猟をする人らしいので、その影響ででしょう。狩猟を行う登場人物が多いこと、そして犬が主人公に匹敵する重要さで出てくる場合が多いことが特徴的。
    わたしは短編は食い足りなくてあまり好きではないのですが、この中で「花見川の要塞」「セント・メリーのリボン」がお気に入りです(それ以外はいかにも短編といったかんじで、少し最後が物足りない感じがしたのです)。

    どちらかというと都会育ちの若者によりは、田舎に育った年輩の人とかの方が、この作品に漂う雰囲気は懐かしく感じ、切ない気持ちになれて、いいのではないかと思います。もちろん若い人でも、ハードボイルドな主人公の男気を感じるにはいい作品です

  • 2012年7月9日読了。「このミステリーがすごい!」1994年度の第3位の作品。猟犬専門の探偵・竜門が盲目の少女のために盲導犬を探すハードボイルドな表題作に加え、「男の贈り物」をテーマにした(この台詞を恥ずかしがらずにズバッと言うあたりが著者のダンディズム)短編を収録。冒頭の短編から「焚火」ときた、男には夜の森奥と焚火とバーボンと燻製と忠実な犬がよく似合う。大きな謎や痛快なアクションがあるわけではないが、穏やかにじんわりとしみわたるような語り口が心地よい、まさに大人の男のファンタジー小説だ・・・。「狩猟」ってそんなに楽しいものなのかねえ。

  • 表題作が素晴らしいです。
    昔,大好きな人にこの本をプレゼントしたことを懐かしく思い出します。

  • 表題作が素晴らしかった。あと『花見川の要塞』が幻想的で好み。

  • 【4/29】近所の公共図書館で見つけたので借りてきた。「誇り高き男の、含羞をこめた有形、無形の贈り物(著者あとがき)」が綴られた短編5編。三十路半ばの今だからこそ、そんな男たちの含羞が愛おしく映る。ブログの紹介記事を見なければ、きっと手に取らなかっただろうから、出会いに感謝。

  • 一番最初に巡りあって、一番好きな稲見作品かもしれない。
    再読した時には『花見川の要塞』に感動を覚えた。そのせいで、当時カメラマンの友人にプレゼントしたっけ。
    最近再販されて、『この文庫がすごい』の1位になったという解説を読んで、涙が出そうになった。

  • ハードボイルドの短編集は初めて読むな…と少々構えたけれど、いつのまにか飲み込まれていました。とってもクール!!かっこいいとか渋いという表現よりもこっちの方があってる。他の本にある緊迫した事態や動きの激しいシーンは殆どなくて、静けさの中にある主人公の物語、みたいな文章に思えました。でも凄く魅力的。先が気になる所で終わっていたりするから、「ああ畜生、これからどうなるんだよ!!」ってな悶絶をすること数回。そんな物語も素敵です。

  • 感動した。今まで読まなくてごめんなさい。ミステリじゃないからといって読まなくてごめんなさい。何でこの本知ったんだっけ?男の世界を誇り高く描いているから、女性には分からないかもしれないけれど、男である俺には突き刺さった。こんな風に生きてみたい。誇り高く、幻想的で、洒落てて、すかっとして、そして泣かせる。そんなすばらしい短編集だった。

  • 積読中。もらいもの。

  • 動物物。このあとどうなるのだろう,と考えさせる話ばかり。

全10件中 1 - 10件を表示

稲見一良の作品

セント・メリーのリボン (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

セント・メリーのリボン (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

セント・メリーのリボン (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

セント・メリーのリボン (新潮文庫)はこんな本です

セント・メリーのリボン (新潮文庫)のKindle版

ツイートする