ストックホルムの密使(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223155

感想・レビュー・書評

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  • 第2次大戦3部作の最終章。孤立してきた日本を救おうと暗号文だけではなく2人の密使がストックホルムから日本を目指す。スリリングで手に汗握る展開だが、その中に憐れさを感じる。ここまで日本のことを考えている人がいるのに、日本では…という対比がうまい。

  • 2021.4.13 読了
     ストックホルムから敗戦直後のドイツを横断してスイスへ、そしてロシアから満州、日本へという苦難の冒険行がロードムービー的に展開される。原爆投下とソ連参戦というヤルタ会談の重大な密約内容を日本軍上層部に伝えようとするが、結果的に間に合わず多大な損害を被ってしまう。史実ではないにしても似たようなことを日本人の持つ非合理性でねじ曲げ本質を無視してきたのは事実だろう。

  • 言わずと知れた第二次大戦三部作
    「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」に続く三作目
    森四郎が好きでこの作品が一番好き。
    前作を経てるからこそ森四郎が活きるのだと思う。
    因みに「エトロフ」は読んでて泣いた記憶がある。

    警察ものじゃない佐々木さんの作品をもっと読みたい。。

  • ベルリンが陥落した第二次大戦末期。
    アメリカによる本土空襲が激化し、日本は敗戦への道を辿る一方でした。
    政府はソ連に終戦工作の仲介をと模索しますが、スウェーデン駐在の海軍武官大和田市郎は、連合国側の極秘情報を入手します。
    日本が滅亡する前に、この極秘情報をなんとか日本に届けたい。
    そのために、二人の密使が放たれます。

  • ヨーロッパ戦線、ナチス優勢の頃パリ在住の異邦人が、友達のレジスタンスを庇った疑いでドイツに連行され、ベルリン侵攻に乗じてストックホルムに辿り着き、彼の地の駐在武官、そこに出入りするユダヤ系ポーランド人と親交を深める。一方、同じく前線での敗北により急速に敗色濃厚となりつつある日本にも早期の終戦を模索する帝国海軍の一団があり、終戦に向けた研究を内密に進めていた。ドイツが敗戦し、東方戦線から圧迫していたソビエト軍は、ヤルタ会談以降日ソ不可侵条約破棄のタイミングを計りながら、軍を極東地域に移動させつつあり、戦後を有利に計りたい英米は、早期かつ日本に本土決戦を諦めさせるため、原子爆弾の使用を検討していた。このような情勢と原子爆弾の実験成功の情報を得たポーランドは、かつてリトアニアの日本人にビザを発行してもらった恩返しからストックホルム駐在武官に真実を明かし、日本に情報伝達を託した。既にストックホルムからの打電が握り潰されていると感じていた駐在武官は、先の異邦人とポーランド人に情報の伝達を託した。

  • 感想は下巻で

  • 太平洋戦争末期。中立国スウェーデンでの戦争を終わらせようと苦悩する武官。
    しかし、日本本国では情報を握りつぶしてしまう。
    下巻での密使の活躍が楽しみだ。

  • 埋没した歴史にあったであろう物語。現実の時代の流れの背景と組み合わせると、本当に、リアルに感じられる。

    • 2233miwaさん
      膨大な資料を読まないと、書けないんじゃないかと思う。時代背景の知識があればあるほど、楽しめる本。
      膨大な資料を読まないと、書けないんじゃないかと思う。時代背景の知識があればあるほど、楽しめる本。
      2014/12/17
  • 太平洋戦争末期。追いつめられる日本。
    ついにソ連が対日参戦を決定し、さらに米国が原子爆弾の実験に成功したとの情報がもたらされる。

    日本の軍人や戦時中の民衆がいかに愚かだったか、という内容。
    現在の新しい資料が加わればまた別のストーリーになるのかもしれない。
    前々作ベルリン~の主役・安藤が再登場するのは嬉しい。

  • 実戦に出る側ではなく、方針を会議によって決める側の視点からみた作品の3作目。
    原爆投下の密使。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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