- Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101223230
感想・レビュー・書評
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戦後から三代に渡って警官になった安城家の数奇なお話(ざっくり
ここから先は激しいネタバレとなりますのでお気をつけください。
読みたいなと思っていた佐々木譲氏をたぶん始めて読んだ。
面白かった、面白かった、が、色々ともしゃもしゃもした。
まず、明らかに早瀬になんかあるだろ!って読んで50ページくらいでわかる。
わかるのに焦らされる。
焦らされた結果、凄くあっさり流される。
あれだけ引っ張っておいてあの扱いは流石に酷い。
あそこが盛り上がる場所じゃなかったんですか、、、。
一代目のエピソードも二代目でどっぷりか変わるのかと思いきやチラッととだけ。
最後に明かされる二代目のエピソードにいたっては後出し。
文章自体は力強く警察小説にとてもむいていて面白かった。
が、ミステリ部分はいかんともしがたい。
このミス授賞的な帯がついていたので嫌な予感はしたのですが、やはりもうこのミスは信じない。
でも警察小説の書き手さんとしては面白いとおもわれるので佐々木譲氏の本はこれからも買おうと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐々木譲さんの作品を読んだ。
3代にわたる警官の生き方を淡々と語っているように思える。
ストーリーはよくできていると思うが、
あまり、波がなく、淡々と。
人生ってこんなもんか。
もうひとつ熱さがあれば・・・ -
読み終わってみればまさに“血”の話でした。
血液ではなく、DNA。
2代目の話が長い分ボリュームもあったが故
3代目が何となく薄っぺらく感じてしまったのは否めない。
同じような道を辿っても着地点がこうも違うのか、というのは重かったけど。
1代目と2代目の死の謎と戦後すぐの2つの事件の謎の暴かれ方は
伏線として示唆されていない事実がいきなり提示されたり、やや唐突な印象。
(単に伏線に気付かなかっただけかもしれないけど^_^;)
謎が解けてみればなんとなくどんよりしてしまいました。知らなきゃよかった的な。
前編で感じた時系列の判りにくさは相変わらず。
何年先に飛んだかがすぐに判断つかなかったのはやっぱりしんどかった。
内容を忘れかけた頃に時間をかけて再読するのがいいと思う。-
2013/12/25
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上巻では2代目の民雄がかわいそうで、読むのがつらかったが、下巻に入ってからは結構サクサク読み進められた。
3代目和也は、初代や2代目とはちょっとタイプの違う感じがするが、逆にそれが現代っぽくてよかった気もする。
最後、謎はとけたけど、スカッと胸がすくような感じではない。とても現実的で、これは主人公をヒーローにするような小説ではないのだなと感じる。いわゆる勧善懲悪のようなものではないし、むしろ警察官も一人の人間であり、色々な矛盾を抱えている。
主人公たちもそれは同様で、悩み苦しみもするが、それでも自分の信念を持ってそんな矛盾と戦って行こうとする姿が印象的で、応援したくなった。 -
警官の親子三代にわたる大河小説。文庫本で上下900ページ超。
初代は駐在所巡査として不審の死を遂げ、二代目は警官となり父親の死の真相を追うが殉職。三代目も、初代と二代目の死の真相を追う。
戦後すぐに駐在さんになる初代、学生運動が盛んなころに警官になる二代目。それぞれの時代の空気と、初代と二代目が務める駐在所となる東京下町の谷中の人々の暮らしが読んでいると感じられる正に大河小説。 -
佐々木さん×公安モノ、という好みの掛け算になっていて最高。上下巻だったがほぼ一気読み。
時代背景の考証が素晴らしい。かつ、ストーリーに不自然さが全く無いので、ノンフィクションと勘違いしそうになった。 -
再読
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駐在所警官ってのがいる事を初めて知った。
いや、子供の頃から近所の交番にずっと明かりがついているのを見て、いつでも対応できる様に常に人がいるんだなと思ってた。
ところがある日深夜に財布を無くしたので交番に寄ってみたら誰も居なかった。あきらかに奥に警官居ますってな電気のつき具合だったから、ずっと外から、すいませ〜ん!って叫んでた。
仕方ないから電話すると夜中は居ませんとのことでした。
交番と駐在所って違うんですね。
駐在所って見た事ないかも、しかも家族で住んでるとかなんか不思議。不思議です。ワクワクする様なヒヤヒヤする様な。 -
三代で引き継いできた二つの事件の真相が曖昧なまま読了T_T