警官の血 下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2008
感想 : 170
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223230

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  • ★★★☆☆

  • ホイッスルの吹鳴が響く。その音は告げる。犯罪と、犯罪者のありかを。ここに、罪がある。ここに、罪人がいる――。

    公安のスパイを経て、念願の天王寺駐在所勤務となった民雄は、父・清二が生前追っていたふたつの殺人事件について独自の捜査を始める。
    しかしたどり着いた真実は民雄を打ちのめすものだった。彼は失望のうちに非業の死を遂げる。
    その息子・和也もまた警察官となるが、最初の任務は上司となった男の内偵だった――。

    清二が抱え、民雄を押しつぶした、罪。数十年の時を経て、その正体がようやく姿を現す。そして和也は、黙してその罪を飲み込む。警官人生を全うするために。

    正義とは何か、罪とは何か、そしていい警察官とは何者か。その警察官の血とは。清濁併せ飲む覚悟を決め、白と黒の境界線上を歩む和也が最終章で民雄たちのような駐在警官、地域課ではなく、二課刑事(汚職・詐欺等、知能犯を追求する部署)になっている。
    和也はそれまでの安城家の男たちとはちがう警察官となり、その人生を全うしていくのだろうと思わせるラストだ。

  • 安城民雄は、駐在として谷中へ還ってきた。父の死の真相を、少しずつ探っていたある日、立てこもり事件が発生し、命を落としてしまう。何かを知ったことで、精神が再び不安定となり、自ら危険に突入したようにも見えた。

    民雄の長男、安城和也も、祖父と父と同じ道を選び、警察官となった。 密命を帯びて 警視庁捜査四課に配属された和也。

  • 佐々木譲さんの本をはじめて読んだ。
    少し暗さを感じさせる文章だが、引き込まれていく。

    この本は三代続く警察官の話だが、謎は解けても誰も幸せになって終わらない不思議なエンディング。

    また、読んでみたい作家さん。

  • 2代目、3代目ときて「警察署長」感がどんどん薄まって独自世界が結構開けて来たかな。2代目の葛藤は泣けてくる感じだった。

    でも如何せん1代目の時の未解決事件は「警察署長」読んでると真っ先に思いつく方向性だったんで全然ビックリ感は無かった…。終わりの方スッキリしなかったという感想が結構多かったのにも納得。

  • ドラマをちょっと見てしまったので、
    大体のストーリーは判っていましたが、
    それでもやっぱり世界に引き込まれていきました。

    戦後の混乱期に刑事となった男から3代続くお話です。
    事件も、物語も、日本の暗部を描いてますので、暗いです。

  • 上巻に続き、下巻も素晴らしー。
    重厚感あふれる物語は、圧倒的な面白さ。
    これぞ小説の横綱本って感じ。

    グダグタ言わないので、黙って上下読みなさい
    とお勧めしときます。

  • スチュアート・ウッズ「警察署長」の日本版と言うべきか。

    戦後の貧しさや、学生運動。そして家庭内暴力。後味の良くない事件も多くスッキリしない読後感も残るのだが、戦後史のお勉強もでき一気読みではありました。

    和也は警官人生を全うできるのでしょか?

  • 2016/10/23読了

  • 親子三代にわたる警察官の物語です。面白かったです。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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