カウントダウン (新潮文庫 さ 24-15)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223254

作品紹介・あらすじ

市長選に出ろ。オフィスに現れた選挙コンサルタントは、いきなりそう告げた。夕張と隣接し、その状況から双子市と称される幌岡市。最年少市議である森下直樹に、破綻寸前のこの町を救えというのだ。直樹の心は燃え上がってゆく。だが、二十年にわたり幌岡を支配してきた大田原現市長が強大な敵であることに違いはない。名手が北海道への熱き想いを込めた、痛快エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 2024/3/20 絶版になっていたためBOOKOFF 43号東灘住吉南店にて250円で購入。

  • 夕張と双子のような破産寸前の架空都市を舞台にした物語。警察もの以外の佐々木氏の作品は本当に久しぶりに読みましたが、氏の夕張市に対する怒りが込められた作品のように感じました。
    問題を先送りにし、誰かが解決してくれるのを待つだけで、ダメだと分かったら他責にし、でも利権だけちゃっかり獲得しまくる。これは夕張市だけではなく、まさに日本そのもののように思う。例を挙げるとキリがないくらい類似点があるなぁ。

  • 500頁近いが、1日で読了。氏の作品で政治モノは記憶に無いが、相変わらず明快な文章で読み易い。北海道が舞台であるところも氏のポイント。
    地方自治体の首長と議会って、実は多くのところが本書と大差ない形骸化して利権を求める老人の巣窟なのでは、と疑問を感じずにはいられない。

  • 選挙戦よりも、その前の物語が長い。選挙はなんだかあっという間に終わっていた。
    本当の選挙はきっともっとくだらない足の引っ張り合いがあるのだろうと想像。
    別に汚い部分が知りたいわけではないが、その辺のスリルみたいなものがもう少しあっても面白かったのでは?

  • 爽快!リズムよくトントン拍子で話が進むので一気に読んでしまいました。
    逆に、簡単に当選してしまいすぎてて少し、もったいない気が。山ばかりで、谷がないと少し物足りなくなります。

    何はともあれ面白かった。

  • 一気読み。面白かったけど、ストーリーの底は浅い。もっとドロドロした諍いや戦略があれば良かった。

  • 夕張の隣町に同じような財政破綻が疑われる町、幌岡が舞台。当選一期の議員、森下に、ある選挙コンサルタントがあらわれ、市長選挙に立候補しろと。さア物語が始まります。

  • 市長選に出ろ。オフィスに現れた選挙コンサルタントは、いきなりそう告げた。夕張と隣接し、その状況から双子市と称される幌岡市。最年少市議である森下直樹に、破綻寸前のこの町を救えというのだ。直樹の心は燃え上がってゆく。だが、二十年にわたり幌岡を支配してきた大田原市長が強大な敵であることに違いはない。

  • 個人では絶対に選択しない本
    人が死なない小説は面白みを感じないという精神疾患者w

    これは友人からもらった本で、読むものが無くなったので読み始めたのですがアレヨアレヨですぐ読み終わりましたね

    腹の立つシーンが多い
    市議会のシーンは政治や市議会のイメージそのままで、汚い野次が飛んだり、議員はまともに市政を考えていなかったり
    しかし、腹は立つが実際の全国の市議会が全てこうかというとどうなのか?

    政治はいつだってこうなのだから参加する必要は無いと考えるのか、まずは自分の街の議会を見てみようと考えるのか
    こういう政治だから無関心になるのか、無関心だからこういう政治になってしまうのか


    夕張の破綻を題材とした作品
    架空の夕張の兄弟町が舞台だが、概ね夕張の事を重ねているように読める
    というのは読了後に夕張ってどうなったかなと思ってネットで調べたところ、やはりまだまだかなりの厳しい状態との事
    現在は若手の市長が頑張っているようです
    夕張のここまでの歩みが、この作品の内容に近かった

    兄弟町の現行市長は4年5期努めている
    夕張同様に破綻が懸念されるが、現行市長はそれを全く認めようとせず、市議会での答弁は詭弁だらけ
    唐突ではあるが、1年生市議会議員の元に「市長になれ」という政治コンサルタントがいきなり来る

    議員は葛藤がありつつ立候補する事になる
    前準備色々この辺もリアルで面白い

    そこで市に北海道の立ち入りが入り、市は破綻を認める
    そうしたらもう市長の負けと思いつつ、市長はまだ諦めず次の市長選にも出馬すると4年6期目を目指すと

    そこで主人公も出馬を宣言
    マスコミを使った汚いやり取りが出て来る
    この物語の目線だと主人公は本当にしっかりと市政を立て直そうとしているのだが、マスコミに出てくる記事は彼と家族を貶める内容

    現実で考えてみると確かに良くこういった記事は見られ、そういった記事内容を鵜呑みにしてしまうところが自分にも無くは無いという気がする
    この本を読んでその点は空恐ろしく感じた
    人間は(日本人は?)そういった情報に踊らされがち

    清廉潔白な人間はいない
    まともな志を持った人が、これまでどれほどこういった汚い工作で追い落とされてきたのだろう

    この作品では結果として新市長が生まれる
    これは現実の夕張を描いたと思われる
    しかしながら既述だが現状の夕張は厳しい状況
    何故夕張が破綻したのかを詳しく知っている訳ではないが、そのツケを全て市民に押し付けるような再生計画はどうなのだろうか

    最低のサービスを最高級の負担額で
    そうしたら出ていける人は町を出て行く
    イヤ、出るのが難しい人でも多少無理してでも出ていくだろう

    それは市民が市政を指示してきたのだから仕方ない?
    市議会で詭弁がまかり通っていて、市民に正しい情報が落ちてきていなくて、市民が正しく判断が出来なかったとしても仕方ない?

    正直、自分は政治に全く興味がない
    おそらく自分の住んでいる自治体が破綻したらすぐに出ていく
    それだけの諸々の能力はある
    海外でもギリギリ、、、イケるかなぁ。。。まぁそれは良い

    でも、この作品を読んでホントにそんな卑怯モノで良いのか?と
    逃げる資格はあるのかなぁと
    この作品を読んで、ナニモノかに憤りを感じているが、自分に降り掛かってきたら逃げると考えている

    そんなんで良いのですかねと自問自答
    色々と考えさせられる作品でした
    凄く良かった
    友人に感謝

  • 佐々木さん名前は昔から聞いていたけど、初めて読んだ。おもしろかった~!
    THE エンタメ!て印象だったけど、いわゆるエンタメで感じるあますぎて苦手・・・てとこがなくて、不快感なく読めた。
    作者さん夕張出身なのね・・・。ほんと政治に興味ない~、とかのんきなこと言ってらんないよなあ。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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