風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101227214

作品紹介・あらすじ

日本国憲法誕生の現場に立会い、あの占領軍司令部相手に一歩も退かなかった男。常に活眼を世界に注ぎつつ、わが道を行く天衣無縫の気概。物事の筋を通し、自説を枉げぬ強靱さ。と同時に、内に秘めた優しさ、しなやかさ、ユーモア。端正な面立ち、洒落た身なり、寸鉄の片言…。正子夫人をはじめ、この男に魅せられた人々の「証言」から蘇える「昭和史を駆けぬけた巨人」の人間像。

感想・レビュー・書評

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  • かっちょいいいいい!
    人に合わせる性格の日本人が多い中、白洲次郎の意見をバシバシ言う姿にホレるわぁ。

  • とても良かった。止めるに止められず一気に読んでしまった。「潔さ」は私の最も愛するものですが、この方はその潔さそのもの。これだけの個性であれば敵もあったと思うけど、いいじゃないか。数々のエピソードや写真に何度もジンときた。他人に本を勧めることを積極的にしない私だけど、もし周りの誰かが読んでくれたら嬉しいと思います。男性としてももちろん魅力的なのは言わずもがなだけど、人間として尊敬せずにはいられない。

  • 初めて読んだのが10年前
    どうして白洲次郎のこの本を手にとったのかは
    覚えていない

    あれから 妻の白洲正子の本と
    行き来して本を読み漁った

    …10年経って
    また手にしたのは やはりこの本

    筆者 青柳恵介の整った文
    周囲の人々の エピソードの拾い方
    そして 特筆すべきは
    戦後の 吉田茂の懐刀と言われた時期
    …それ以外の白洲次郎の姿が
    豊かに立体感を伴って綴られているところ

    恐らく
    同時代はほとんど生きていない
    そんな自分たちにも
    映像やドラマのように 次郎さんが浮かぶ

    それは フィクションではなく
    限りなくノンフィクションな姿で
    相当のリアリティを伴って

    うん、素敵だ。
    次郎さん

    きっとまた、読みたくなる。

  • 本当にこんなに格好の良い日本人がいたのかと疑いたくなるが、白洲次郎さんがいたからこそ、今の日本があるのだとうとも思えて仕方なくなる。
    自分の考えをもち、自分を見失わず、良いものは良い、ダメなものはダメと言える、そんな人物こそ、当時だけでなく、今の日本にも必要だと切に思います。
    吉田茂と白洲次郎で見てきた戦後の日本、そして平和を願い、一国家として発展していく未来を遠くに見ながら…今の日本を両者がみたら何というだろうか。

  • この時代に 海外生活の経験が有り
    英語が話せて 整った顔だちです

    進駐軍に
    怯まずNO!と言えた人です

    彼の心の奥には どんな思いがあったのでしょう?

  • やはりこの男は、日本一かっこいい。この人の生き方に魅力を感じる。力強く、かつ繊細で、プリンシプルを大切にする。たしかに彼は生まれから恵まれ、その素地によって彼は出来ている。しかし、それだけでないのが良い。これからも白洲次郎についての著作漁りたい。

  • 先日読んだ『白洲次郎 占領を背負った男 上・下』のダイジェスト版のような内容。紙数も半分くらいなので仕方がないのだが、これはこれでギュッと凝縮されていて面白い。
    白洲次郎に関しては、やはりGHQと渡り合った「終戦連絡事務局」時代が、白洲の力量を十分発揮した時期だったのだろう。
    日本国憲法草案について、GHQのホイットニー宛に出された手紙「ジープ・ウエイ・レター」が紹介されていた。

    貴下(ホイットニー)のものと彼ら(日本政府)のものとは、同じ目的を目指しているが、選ぶ道に次のような大きな差異があると考えています。貴下の道は直線的、直接的なもので、非常にアメリカ的です。彼らの道は回り道で、曲がりくねり、狭いという、日本的なものにならざるをえません。貴下の道はエアウエイといえましょうし、彼らの道はでこぼこ道を行くジープ・ウエイと言えましょう。

    日本側を「their way」として「彼ら」と記している。GHQに対しても日本政府に対しても、客観的に自由に発言していた。善悪の基準がはっきりと自己の中にあり、権力に屈しない。GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた、白洲次郎らしい手紙である。

    晩年の「軽井沢ゴルフ倶楽部」での言動は、うるさ型のジイサンそのままだけれど、これも間違ったことは全く言っておらず、逆に微笑ましかったりする。

    あらためていい男だなぁ、とホレ直す。

  • 憧れる生き方です

  • 先を見通し、正しいことを考え、正しいことをし、正しいことを言う。

  • なんと不思議な人だったのだろうと思う。現代からみると尚更、その才気も気骨もそして容姿もが著しく特出した存在であり、平たく言えば「こんなカッコイイ人が本当にいたの?」。けれどやはり、時代はすでに変わってしまった。少なくとも今の日本にはこのような人は現れ得ないと思う。

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著者プロフィール

1950年生まれ。古美術評論・随筆家。成城大学大学院博士課程(国文学)終了。著書に『風の男・白洲次郎』『骨董屋という仕事』など、編著に『白洲正子「ほんもの」の生活』『別冊太陽 青山二郎の眼』など多数。

「2015年 『かそけきもの 白洲正子エッセイ集<祈り>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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