メリーゴーランド (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101230337

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと前の作品なんで、今の役所が、こんな気楽な仕事してるかは分からん。
    民間企業にはないわな。「今日、何して暇潰そう?」とか。
    「今日中に出来るかな?」とかは、あるあるやけど。
    民間企業(それも過労死続出)から、地方都市の市役所へ。
    よくある箱モノだけ作って、後は赤字垂れ流し…
    その一つテーマパークへ出向、そこには、元役所勤務OBが、何もせんといっぱいおる。
    頑張れ主人公!
    役所に勤めた事ないから、知らんけど、言葉が通じん。みんなが納める税金で飯食って何してんねん!って感じ。
    頑張って建て直すが…
    何か、国会議員とかに振り回される官僚を思い浮かべる。上が変わるとガラリと何もかも変わる。
    何かやるせない…
    振り回されれんように、適度に上をコントロールせんとあかんのか…
    この作品では、上は、市長、役所の上司、古狸 etc…
    しんど〜〜〜(ーー;)

  • 感想
    田舎の第三セクターで、やる気のないおじいさんたちのせいで税金垂れ流しのテーマパークを主人公がどう立て直すのか描かれているのだが、荻原浩の真骨頂というか、少し誇張して表現していそうなのだが、妙にリアリティがある。

    天下りの人たちや町側もやる気がなさすぎて、本当に途中で腹が立ってきて読むのを辞めそうになった。

    そこからテーマパークを立て直すが、そこで終わらなかった。選挙の争点になり、立ち直りかけたパークは閉園に。サラリーマンの無常のようなものを感じた。

    最後に、山の頂上に設置したメリーゴーランドに乗るシーンはなんとも言えない。

    あらすじ
    今にも潰れかけのテーマパークのアテネ村は駒谷市が運営しており、毎年赤字を垂れ流している。

    アテネ村リニューアル推進課に配属された啓一は、やる気のない公務員や理事からアテネ村でのイベントを丸投げされる。

    やる気のない公務員、天下りで文句しか言わないパークの経営陣に、昔の伝手の破天荒な劇団員、暴走族上がりの大工などはちゃめちゃな陣営で啓一は無事にイベントを成功させ、パークを復活へ導けるのか!?

  • 2018年5月3日、読み始め。
    2018年5月12日、75頁まで読んで、図書館に返却。

    2018年11月10日、75頁から読み始め。
    2018年11月18日、読了。

    Uターンして、田園都市の市役所勤務という公務員生活を送っていたところ、公務員の身分ながら、赤字テーマパークの再建的なことをやることになり、奮闘するという内容。

  • 公的機関勤めの身としては、主人公が感じる理不尽さ、前向いてんだか後ろ向いてんだか分からない仕事、内部での足の引っ張りあい等、「分かる!」と共感できる部分が多かった。でも、そんなしょうもない世界に慣れてしまってる自分もいたりして。
    終始明るい文体で、読んでて楽しかった。メリーゴーランド乗りたくなりました。

  • 電車の中の時間って本読みには貴重です。これも帰省の博多往復の新幹線の中で読了。
    文庫って、裏表紙の粗い話を見てページをパラパラっめくって、気に入ったら買うことが多いのだけど、この年になるとこういう話読んで勇気貰いたい、って感じで買ってみたのですが、そういう意味からいうとちょっと違ったですね。再建の話はアレヨアレヨという感じで。
    でも、サラリーマンってどんな立場になっても辛いですよ。それしかやれないからやってますけど…。そういうところは身につまされて、ちょっと苦いですよね。
    「千年先までそうしてろ」。きっと1月5日からもそうしているのでしょうが、ちっとは自分の力で何か変えたいよね。

  • 久しぶりの荻原さんの本、予想通り面白かった。
    公務員の惰性的な世界の中で遊園地開発という問題に取り組むお父さんのガッツが頼もしくて、イッキ読みしました。

  • サラリーマンをやめ、東京から小さな田園都市にUターン就職して市役所の職員になった啓一。赤字経営のテーマパーク「アテネ村」の再建をする部署に配属され、周囲のぬるま湯のような仕事ぶりにうんざりしながら、腹をくくって仲間を増やし、知恵をしぼり、次第に仕事に没頭していく。
    仕事だけでなく、家庭での妻や子どもたちとの場面もたくさん出てくるのが等身大の30代の男性という感じでよかった。このままじゃいけない、何かを変えたいという思いと、息子に恥じない父親でありたいという気持ちは、がんばる原動力になるのだな。
    クスッと笑えたり、ちょっと悲哀を感じたりする物語。

  • 傾きかけたテーマパークの再建に立ち向かう公務員のお話し。喜怒哀楽の全てを感じられる物語でユーモアも所々に散りばめてあり、楽しく読み進めることができます!オススメ!

  • 荻原浩の2冊目読み。
    「図書館戦争」が映画化され、「三匹のおっさん」が連ドラ化されていて、
    名前は知ってるけど、それだけに逆に“なんかミーハーな感じ”がして敬遠していた作家さん。

    たいした期待もせずに手に取った「三匹のおっさん」が思いの外面白かったために、2冊目も、という流れで。




    と書いた(2018年7月11日)ものの、ちょっとふり返ってみたら、荻原浩さんは、初読みでだった。有川浩と勘違い(混同)してたらしい・・・・・、めっちゃ恥ずかしい(苦笑)

    有川さんファンの方、
    荻原さんファンの方、
    ごめんなさい。
    (2018年7月12日、追記)





    う~ん。




    「メリーゴーランド」
    なんと皮肉たっぷりなタイトルだろう(苦笑)。
    デフォルメされてるとはいえ、「ザ・日本のお役所」なあれこれに憤り、それに立ち向かい始めた主人公に情がわき・・彼が結果を出していく過程を読んで序盤の溜飲が下がる。

    ……と思いきや、メリーゴーランドは一周回ってまた同じ地点へ逆戻り。

    デフォルメたっぷりだけど、リアリティもたっぷりだという点も、より一層な皮肉。

    だけど、あのラストシーンは大好きだな。
    (悪い方の意味で)メリーゴーランドな世の中だけど、それでもなんとか明日を頑張って生きてみようという気持ちになれる。

    ★3つ、7ポイント半。(★4つ寄り)
    2018.07.11.古。


    ※自分の中での作者評は“荻原浩は面白い”に認定(笑)。
    近いうちに2冊目も読むことになりそうな予感。

    ただし………

    ※2006年の刊行だというのに、子供が興じるテレビゲーム筐体の名が「ファミコン」って(笑)。

    ※小学1年生の4月時点で「(お父さんの仕事をテーマに)国語の授業で作文を書く」ことになったって・・・。
    (平仮名さえも、全部の文字は習い終えてない時期よね。習ってなくとも読める子供は多いのが現代日本だとしても)

    せっかくの面白い物語の途中で、純白のシャツに跳ねたラーメンスープの染みのような違和感を感じてしまったのが、残念。
    そういう細かなトコロの“時代考証”にも、あとほんの少しだけ気を配ってほしかった。

    ※“豆男”の演劇、観てみたいと思った(笑)。

  • もう随分前に読んだ本なので、ほとんど内容は忘れてしまいましたが、荻原浩、面白いじゃんって思った本でした。
    こちらもお勧めです。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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