- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101230344
作品紹介・あらすじ
失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。
感想・レビュー・書評
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先日、友人に頂いたんです。荻原浩さんの短編集。
タイトル“押し入れのチヨ”⁉︎せめて、クローゼットのチェリーとかにならなかったのだろうかと。
「押し入れのチヨ」は、訳あり格安アパートの押し入れから出てきた明治生まれの女の子。この作品と「しんちゃんの自転車」は、恵まれない環境の中、幼い命を失い、少し現世に気持ちを残した優霊達。
ジェントル・ゴースト・ストーリーというジャンル。「コール」も、親友の好きな女の子と結婚してしまい、後悔を持ったまま亡くなった男の霊が、死後の二人を認めるという優霊系。
「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」は、コメディタッチのホラーテイスト。
「お母さまのロシアのスープ」「老猫」「木下闇」は、ミステリタッチのホラーテイスト。
全9作秀作揃い。ちょっとクラシックで、多少同情してしまうような。
(朱川さん+乙一さん+岩井さん)÷3×昭和÷平成
な感じ。荻原さんの、違った側面を読ませていただきました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ゲッ!」
「(๑o̴̶̷̥᷅﹏o̴̶̷̥᷅๑)ウルウル」
「ヒッ〜!」
って感じの短編集。
ホラーなんやけど、そんなに怖くない。
こんな幽霊なら、話ししても良いかなと思わせる
「押入れのちよ」
キョンシーや!と思わせる
「しんちゃんの自転車」
いずれも心優しいから、ええんやな。
「コール」もそう。
何かええ感じ。
その他、コメディっぽくはなってるけど、生きてる人の方が怖いって思ってしまう作品などなど。
そうホラー、ホラーしてないんで、ホラー苦手な人でも読めそう。
優しい人は、生きてても、亡くなっても同じ何やなぁ…
そういう風になりたいです! -
荻原浩さんは初めての作家さんかな?
どの話もちょっとブラックで味のある短編集。
表題作「押入れのちよ」がやっぱり一番良かった♪
ラストの「しんちゃんの自転車」もちょっと切なくて好き。
荻原さんはちょっと毒のあるお話が多いのかしら⁇-
2023/10/22
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2023/10/22
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こんにちは!
荻原浩さんの「噂」はいかがでしょうか。
乙一のGOTHに近い感じかも…:(꒪꒫꒪):こんにちは!
荻原浩さんの「噂」はいかがでしょうか。
乙一のGOTHに近い感じかも…:(꒪꒫꒪):2023/10/22
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ホラー短編集×9編
「押入れのちよ」
格安物件。但し女の子(明治生)の幽霊つき。
ちよが無邪気で可愛らしく、主人公との掛け合いが楽しい。
「老猫」1番怖かった。 -
それぞれホラー要素が楽しめる短編集だった。
家族や恋人、夫婦に兄弟、友達とバラエティーに富んだ内容で面白かった。
個人的には、やっぱり押し入れのちよが一番好き。
無邪気なちよが可愛くて、かわいそうで恵太との掛け合いが最高! -
ブラックな笑いとグッとくるホラーが荻原浩さんらしい、ダークな短編集。明治生まれの“優霊”が愛しい表題作、男2人女1人の“幽情”が切ない「コール」、夫婦騙し合いの結末が“笑撃”「殺意のレシピ」、そして15年ぶりの“怪逅”が泣ける「木下闇」が印象的でした。
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ホラー短編集。世にも奇妙な物語みたいな感じ。
押入れのちよは面白かった。ホラー小説はあまり読まないのでたまには良いなと思いました。 -
三省堂の本の福袋で手に取った作品。ホラーは普段まったく読まず、表紙からして怖かったので年末まで寝かせてしまった。9作の短編が収録されている。読んでみると表題作『押入れのちよ』はホラーではあるものの心温まる話でとてもよかった。格安アパートに引っ越した恵太が部屋で見た自称明治39年生まれの14歳の女の子・ちよ。謎の存在ながらも、ビーフジャーキーをかじってカルピスを飲む姿が愛くるしい。彼女の過去がわかっていくたびにどんどん感情移入してしまった。
『コール』も同じくしっとりとした読み味の作品でよかった。「桜は無慈悲なぐらい美しかった。人の都合に関係なく、時期が来れば咲き、時期が終われば散る。人間の生き死にと同じだ」という言葉が好き。この作品や『お母さまのロシアのスープ』など、短編の中にも予想を裏切る仕掛けがあって面白く読めた。
『予期せぬ訪問者』『殺意のレシピ』は笑いつつ読める短編。ダークな設定ではあるんだけど、コントを見ているような感覚で読めるね。
三省堂の福袋のおみくじに「本当に怖いもの、それは“座敷わらし”でもなく、“鬼”でもなく“人間”…」とあったけど、ホラーやファンタジー要素がありつつも、現実や人間の醜い感情を隠さずに描くからこそのリアリティがあって怖い話も多かった。『介護の鬼』は自業自得なんだけど、あの結末は鳥肌が立った。仇を取るという大義があれども、人間の方がやることは怖いね。 -
表紙はちょっと怖いけど、震えるほどの怖さはなくグロいシーンもなく、怖がりの私でも大丈夫だった。ホラーファンタジーとブラックユーモアが多いかな。
この短編を読むと本当に怖いのは幽霊よりも人間ではないかと思うほどひどい人間が多かった(笑)
1作目は「ロシア…」ではない方がよかったような。あの作品はちょっと好き嫌いが分かれそうでもったいない。
萩原さんはとても読みやすい文を書く。イメージがしやすくてよかった。