オイアウエ漂流記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101230368

作品紹介・あらすじ

南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは…無人島!?生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そして身元不明な外国人。てんでバラバラな10人に共通しているのはただひとつ、「生きたい」という気持ちだけ。絶対絶命の中にこそ湧き上がる、人間のガッツとユーモアが漲った、サバイバル小説の大傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 出張中の会社員たち5人、おじいちゃんと小学生の孫、新婚旅行カップル、ガタイのいい白人、機長の飼い犬のセントバーナード。
    小さな飛行機は海上で不時着し、遭難。ゴムボートで生き残ったメンバーが漂着した島は一体どんな島なのか。
    会社員たちは上下関係がきっちりしてて、パワハラ上司たちはいずれ救助隊が来て助けられると思いこんでる。
    微妙な距離感の新婚カップルは絆を深めることができるのか。

    救助隊は予想に反してすぐには来ない。
    どんなところなのかを見極めるために探検し、無人島だとわかる。非常食の他に食糧を求めて海で魚を、森に果実とキノコを。
    サバイバル生活はいつまで続くのか。

    平和ボケの我々現代人が、どうやって生き残っていくのか、会社員らしく振る舞うのをやめて、それぞれが人間として生きることに一生懸命になって逞しくなっていく物語。
    それぞれの視点もリアル。

    途中、食糧事情が悲惨な時にセントバーナードは仲間から離脱して野生に返ったかのようになったんだけど、その犬が終盤に再登場して犬の事情がわかって時には涙が出た。

    面白かった〜

  • 670ページぐらいある厚めの本。
    てんでバラバラの10人による愉快なサバイバル物語。
    ウミガメやそのタマゴを食べたり、椰子の実をとって食べたり繊維を編んだり。
    道具を作ったり、火を起こしたり。
    生きていく術もいろいろ面白くかかれています。

    生きるということは?
    食べるということは?
    人間って?
    など、考えさせられる作品でした。

    たしかに動物を食べるということは命をもらっているということ。
    「感謝の謝は謝罪の謝だ」
    「殺すのが嫌ならパックに入った肉を見つけて来い」
    と。。

    長いけれど面白いのでスイスイ読めました。。

  • しばらく積読だった。

    長編らしい厚みだったし。

    題名からは「飛行機が不時着して、どこか南の島に漂流して、サバイバル生活をおくる。そして、、、」
    なんていうあらすじがが容易に想像できたし。
    読んでみたら、想像通りだった。

    だけど、読み進める手が止まらなかった。一気読み。

    何故かな?本作は複数人だったからか?
    ロビンソンクルーソーもトムハンクスも孤独だった。
    無人島では人間性が剥き出しになる。嫌な面、そして会社では分からない素晴らしい面。意外な特技などが役立ち、七人の侍のよう。

    サラリーマン社会とは、、命あるものを食料としていただく事とは、、、色々な注目点がこの物語にはある。

    実は、ラスト数頁を残してこれを書いてる。
    助かるのか?助からないのか?

    読者として今、結果は正直どうでもいい。すごく楽しいサバイバルだった。

    萩原さん、流石です。

  • その後の日常生活にかえって再会とかを期待してしまった。
    漂流しても上司は上司ってゆうのが解せない。

  • まさかの飛行機が墜落。無人島漂流。
    非常で最低最悪な事態が起きた。
    なのに笑っちゃう、どこか呑気ででも生き抜こうと必死な10人と1匹。

    たしかに、無人島に持っていくならこの1冊かもしれない。笑
    そして数えきれないほどの勇気がつまった1冊。

    でも、ラストがちょっと…物足りなかったので★4。

  • 久々の荻原浩。飛行機の遭難で孤島にたどり着いた、凸凹10人のサバイバル記。おちゃらけた筆運びで、シリアスな感じはない。タイトル、「アイウエオ漂流記」だと思ってた。

  • 長かった。そして確かにラストがあっさり過ぎて、
    ここまでひっぱるなら最後まで書かんかい‼︎
    って感じだった。
    しかし、8月から翌年四月までもったじいちゃんがなんだかんだ凄い。

  • 漂流物といえば、『十五少年漂流記』『ロビンソン・クルーソー』『無人島に生きる十六人』が思い浮かぶ。
    環境も人間関係も過酷な状況をどうやって克服していくか、果たして何人生還できるのか、というのがサバイバル物の面白さだと思う。
    成人した男女の人間関係に、しがないビジネスマンの上下関係を絡めたり、微妙な新婚夫婦を絡めたり、犯罪の匂いのする謎の外国人が登場するので、期待感は大。
    最初の頃に、一番頼り甲斐のありそうな機長が死んでしまうことで、一層波瀾が予想され、どんどん読み進む。
    84歳のおじいさんが小学4年生の孫と一緒にいる、という年齢幅の設定は、如何にも現代だなぁ、と思う。最近のお年寄りは、そんじょそこらの若者よりは逞しいから…と思ったら、アニハカランヤ、お爺さんは少々記憶が混乱していて、頭の中はいまだにガダルカナル戦地に居るらしい。皆の期待を集めて輝く瞬間もあるが、それ以外は寝てるか、つまみ食い。
    やはり、サバイバルの中心は気力・体力・知力・判断力・行動力、加えて協調性と言いたいところだが、的外れなのや憎たらしいのが常に居るわけで…。
    サバイバル・犬とくれば、『南極物語』のタロジロ。私の中では、今後、カーゴことオイアウエが加わる。ずっと牡だと思って読んでいて、最後にそうだったのか!と思わず身を乗り出してしまった。
    だからといって、古今東西言い古されてるように、『母は強し』と偏るわけでなく、おしなべて、どんな人間も、威張りん坊も意気地なしも偏執的思考の持ち主も、老いも若きも男も女も、生きていく力に溢れているんだ、と安心できるお話。

    • koba-book2011さん
      荻原さんはたまに読むんですが、コレは未読です。
      なかなか面白そうですねえ。
      荻原さんはたまに読むんですが、コレは未読です。
      なかなか面白そうですねえ。
      2013/11/05
  • 【南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは…無人島!?生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そして身元不明な外国人。誰もが精一杯のサバイバルは、いつしか愛しい日常に-。ちょっぴり苦い笑いと愛の漂流記】

    旅行が好きなので読んでみた。がっつりサバイバルサバイバルではなく、ほっこり系かな。食物を取りに行ったり飽きがくるとこも若干あるけど、ユーモアが散りばめられていて笑える。

  • 生きる力がすごい!
    ちょっとヘビーに感じた。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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